個人の住民税と事業税(2/2)

 

内容2008年4月14日現在

 

【作成】

大阪市北区与力町1−5

築山公認会計士事務所

 

 

≪個人事業者の事業税≫

 

 

1 事業税とは?→都道府県が課税します。

 

事業税は事業の所得や収入に対して都道府県が課税します。都道府県は事業者(個人事業者や会社など)に対して各種の行政サービスを提供していることから、その対価として事業税を課税するということです。

 

事業者が行政サービスをどの程度受けたかを測る尺度は、所得や収入以外にも資本金の額、事業所の床面積、従業員数などが考えられますが、現行の事業税は所得に対して課税されます。(ただし、資本金1億円超の会社に対しては外形標準課税といって、付加価値額と資本金額に応じて事業税を課税するという方法が加味されています。)

 

【事業所税】

都や政令指定都市で、都市環境の整備や改善に充てる財源のために事業所の床面積(1000平米超)や従業員数(100人超)に応じて課税されます。

 

2 個人の事業税の納税義務者→事務所または事業所がある都道府県で課税されます。

 

事業を行っている個人は、事務所または事業所所在地の都道府県で事業税の納税義務者となります。つまり、A県に住所がありB県で事業をしている場合には、B県で事業税の納税義務者になるということです。

 

事務所または事業所(以下、事業所とします)とは、事業の必要から設けられた人的および物的な設備で、継続して事業を行う場所ということです(その設備の所有権とは無関係です)。平たくいえば、事業をするために事務所や店舗などを構え、第三者から見て事業をしていることが明らかな場合には事務所または事業所ということです。

 

【複数の都道府県に事業所がある場合】

複数の都道府県で事業税の納税義務者となります。

 

3 個人の事業税の計算と税率

 

事業税は下記のとおりの算式で課税されます。

 

(前年の所得金額−事業主控除額290万円)×税率=事業税額

 

(1)事業の種類

 

事業税の課税にあたっては事業を下記のとおりに分類しています。

 

●第1種事業→物品販売業、不動産貸付業、製造業、運送業、請負業など

●第2種事業→畜産業、水産業、薪炭製造業

●第3種事業→医業、弁護士業、デザイン業など

 

上記の業種により税率が異なります。どの業種に属するかは基本的には課税当局の判断によりますが、その区分が間違っている場合には一定の手続により変更してもらうことができます。

 

(2)前年の所得

 

所得金額の計算は、原則として所得税における事業所得および不動産所得の計算と同じです。青色事業専従者給与額または事業専従者控除額も原則として所得税の場合と同じです。ただし、所得税の青色申告特別控除額は事業税では適用がありません。

 

(3)事業主控除額

 

事業の種類や所得の額にかかわりなく一律290万円控除することができます。要するに、所得の額が290万円以下の場合には事業税は課税されないということです。

 

(4)税率

 

●第1種事業→5%

●第2種事業→4%

●第3種事業→5%

 

いずれも標準税率ですので、自治体によってはこれとは異なる場合があります。

 

4 個人の事業税の事務を扱う役所

 

事業所所在地の都道府県が行います。各都道府県は都道府県内に「県税事務所」などと称した役所(お馴染みの不動産取得税や自動車税も扱っています)を複数設置しており、自身の事業所を管轄する役所に申告書の提出や税金の納付を行います。

 

【個人事業者の税務関連役所】

税務署(所得税=国税)、都道府県税事務所(事業税=都道府県民税、名称は自治体により異なります)、市区町村役所(住民税=都道府県民税+市町村民税)の3か所とは最低でも関わらなければならないということです。事業を始めたならば、管轄の役所を調べておくことです。

 

【個人事業者の開業届】

開業届は税務署にだけ提出すればよいです。他の役所は所得税の確定申告書により事業を開始したことを把握します。税務署に開業届も提出していない、確定申告書も提出していない場合には他の役所から連絡がある場合もあります。

 

5 個人の事業税の申告と納付

 

(1)申告

 

毎年3月15日までに「県税事務所」などに申告書を提出しなければなりません。ただし、「所得税の確定申告書または個人住民税の申告書を提出した」、「所得金額が事業主控除の290万円以下である」場合には申告書を提出する必要がありません。前者の場合は、都道府県がこの結果に基づいて事業税を計算します。

 

(2)納付

 

「県税事務所」などから送付される納付書(税額の通知書に同封されている)により、8月と11月に納めます。(一括して納付することや預金口座からの振替で納付することもできます。)

 

【事業税は必要経費になります!】

事業税は都道府県から事業に関する行政サービスを受けるための対価ですから、当然のこととして必要経費にできます。所得税は国民として、住民税は住民として納税する(事業とは無関係に納税する)わけですから必要経費にはなりません。

 

 

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