1月から6月分の源泉所得税の納付(7月10日が納期限)

 

(源泉所得税の納期の特例)

 

2009年6月15日(月)

 

 

源泉所得税は源泉徴収をした月の翌月10日までに納付することが原則ですが、特例として年2回にまとめて納付することができます。この特例が適用されるのは、給料等の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者に限られます。

 

この特例が適用される場合には、1月から6月までの分を7月10日までに、7月から12月までの分を翌年の1月10日(特定の場合には1月20日)までに納付することができます。

 

■特例を受けるための手続→申請が必要!

 

「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出しなければなりません。ただし、特例の適用が受けられるのは申請書を提出した月の翌月分からということになります。

例えば、2月に申請書を提出した場合には、1月と2月分は月ごとに納付し、まとめて納付するのは3月分からということになります(7月10日に3月分から6月分をまとめて納付することになります)。

 

■特例が受けられる源泉所得税は限定されている

 

特例の適用が受けられるのは、給与・賞与・退職金(給与所得と退職所得)と弁護士や税理士などの報酬(所得税法204条第1項第二号)に限られます。デザイナーやライターの分は対象外であるということです(これらについては毎月納付の場合でも給与などとは納付書の様式が異なります)。

 

■納付書は特例用のものを使用する

 

納付書は特例用のものを使用しなければなりません。特例用の納付書は、右上の「納付の目的」が「自○○年○○月、至○○年○○月」となっています。

 

■一定の場合には7月から12月までの分を1月20日に納付することができる

 

7月から12月までの分を1月10日に納付することは、年末調整手続や年末年始休暇があることから大変慌ただしいことです。そこで、一定の場合には1月20日まで納期限を延長してもらえます。

まずは、「納期の特例適用者に係る納期限の特例に関する届出書」を提出しなければなりません。ただし、上記の「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」はこれを兼ねておりますのであらためて提出する必要はありません(それぞれ独立した様式もあります)。

次に、その年の12月31日現在において源泉所得税の本税を滞納していないという条件を満たしていなければなりません。

なお、納付が1月20日に間に合わなかった場合には、延滞税の計算は納期限が1月10日として計算されることになります。

 

■特例の適用をやめたい場合の手続

 

「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなった場合の届出書」を提出します。この届出書を提出した場合には、提出した月までの源泉所得税を翌月の10日までにまとめて納付しなければなりません。例えば、3月に提出した場合には、1月から3月分を4月10日までに納付しなければならないということです。4月以降の分は毎月翌月の10日までに納付しなければならないのは当然です。

 

■特例を適用できなくなった場合

 

「常時10人未満」でなくなった場合ですが、この場合も上記の「特例の適用をやめたい場合の手続」をすることになります。

 

 

【源泉所得税対策?】

 

源泉所得税の納付は、本来ならば預かった(給料などから天引きした)お金なので負担にはならないはずです。しかし、預かったお金を別途保管していることはまれで、会社の運転資金に混ざっていることがあります(法的に別途保管が義務付けられているわけではありません)。

 

そこで、今後は次の方法をおすすめいたします。

 

●納期の特例をやめる(毎月納付する)

 

毎月納付書を作成する(納付税額を集計する)のが大変かもしれませんが、支給する給与を銀行から引き出してくる際に納付も済ませてしまうことです。要するに、源泉所得税を長期間預らないということです。

 

●別途保管しておく

 

手提げ金庫、納税準備預金(納税目的以外に引き出せない)に給与支給と同時に保管しておくことです。

 

●取れもしない役員報酬は減額する

 

役員報酬(役員給与)が額面どおりに取れないこともめずらしくありません。そのような場合でも帳簿上はいったん役員報酬を支給した後に役員から全部あるいは一部を借り入れたとして、額面どおりの(取れてもいない)役員報酬について源泉徴収していることが一般的です。この状態が長期間続きそうならば役員報酬を減額してください。

 

 

【前年の年末調整還付分が残っている場合?】

 

昨年の7月から12月分を納付する際には、「7月から12月までに源泉徴収した税額」の合計から「年末調整による還付分」(年末調整による超過税額)を差し引いているはずです。この「年末調整による還付分」が「7月から12月までに源泉徴収した税額」よりも多い場合には(当然納付の必要はありません)、その多い金額を今年の1月から6月分を納付する際に差し引くことができます。

 

 

【納付する額がない場合】

 

納付書を納付額ゼロで作成し税務署に提出します(納付税額のない納付書を銀行は受け取ってくれません!)。納期特例を適用していてこのケースになるのは珍しいことだと思います。役員報酬や給料を一切支給していない休眠中の会社、上記の【前年の年末調整還付分が残っている場合?】の金額があまりにも大きい場合(住宅ローン控除が多かったなど)が考えられます。

 

 

【預り金勘定】

 

源泉所得税の納付を機に、預り金勘定の金額も確かめておく必要があります。1月から6月分の預り金勘定(源泉所得税)の貸方は、1月から6月までに源泉徴収した金額が記載されているはずです。そして、この納付を7月10日にするとしたならば、6月末の残高は7月10日に納付する金額になります。

 

 

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