築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)


目次へ
勘定科目一覧
(内容)2014年7月18日現在





このページは2017年9月12日に「勘定科目の一覧と解説(無料相談もできる)」として内容を刷新いたしました。
今まで多数の皆様にこのページをご覧いただき大変ご好評をいただくとともに、リンクも
たくさんしていただいております。ですから、このページもしばらくはこのまま残しておきます。





勘定科目の決定にあたっての注意点

1.同一の仕訳については以後も同一の勘定科目を使用する

(例)ガソリン代 
旅費交通費、消耗品費、車両費いずれでもよいのですが、一度用いた場合は以後も同一の勘定科目で処理してください。そうでないと事業年度や月ごとの比較ができないからで す。
(注)同じガソリン代でも会社によって勘定科目が異なる場合があります。経理担当者で転職してきた人は戸惑うかもしれませんが「郷に入りては・・・」と割り切ってください。

2.できるだけ特殊な業界用語や略称を勘定科目として用いない

外部第三者が理解に苦しみますので、他の表現が見つからない場合以外は避けてください。

3.勘定科目の意図的誤りは重加算税の対象となる

不注意による勘定科目の間違いはまだしも、仮装隠蔽の意図をもって勘定科目を誤るのは重加算税の対象となります。
(例)交際費や寄附金(いずれも損金算入が制限されている)を全く違う勘定科目に含める。
(注)加算税とは追徴税額に上乗せされる罰則的な税金です。重加算税とは最も重い加算税で本税の35%です。

4.必要に応じて勘定科目の新設、廃止・統合をする

新たな取引、今までは金額が少なく適当な勘定科目に含めていた取引の金額が多額となった場合には勘定科目の新設をしてください。反対の場合は勘定科目の廃止・統合をして ください。なお、この場合上記の1が守られなくても仕方ありません。

5.内部の管理用勘定科目と決算書(外部報告用)の勘定科目はできるだけ統一する

両者が一致しないこともあります。その場合は、「組替表」を作成し内部勘定科目と外部勘定科目の関連を第三者に説明できるようにしておいてください。

6.消費税による区分

同一勘定科目でも、消費税の課否区分(課税対象になるか否か)が必要となります。
(例)交通費  国内は課税対象、国外は対象外
特に消費税の申告を原則課税にしている場合はこの区分が大切です(簡易課税の場合には消費税区分の対象は収益勘定が中心となります)。

7.勘定科目の正確性は経営分析の精度に影響する

自己資本比率、損益分岐点、回転期間、流動比率、各種利益率などの経営指標は、正確な勘定科目分類のみならず、流動と固定の区分、損益計算書の計算プロセスが正しく表 示されていて初めて意味をなします。「最終の利益さえ・・・・」と、つい考えてしまいますが気をつけてください。

以下は、勘定科目の代表例です。
「交際費あるいは交際接待費」「旅費あるいは旅費交通費」などのように、同一の出費であっても会社や財務会計ソフトによって名称が異なります。しかし、柔軟に対処してください。


≪貸借対照表関連の勘定科目≫

1.定期的に残高を検討する

貸借対照表関係の勘定科目は「増加」と「減少」を積み重ね、結果として一定時点(月末や年度末)に「残高」として表われます。この残高は預金残高ならば預金通帳、売掛金ならば 未入金の請求書の控などと一致しなければなりません。しかし、一致させるのが困難なことも多く、最悪の場合「内容不明」な勘定科目残高が貸借対照表に計上されたままのことも あります。

当年度末の貸借対照表は、翌年度期首の貸借対照表となります。「内容不明」の勘定科目もそのまま繰越され、半永久的に「未解決」であることも珍しくありません。 

貸借対照表関係の勘定科目については、増減を正確に捉え定期的にその残高の正確性を検証しておく必要があります。

2.「貸借関係」は「会社を基準」に

貸付金、借入金、立替金、預り金など、貸借対照表関係の勘定科目では様々な貸借関係が背後に存在します。その際、あくまでも会社を基準に考える必要があります。なぜなら ば、会社の帳簿だからです。「会社から○○に貸した(貸付金)」「会社が△△から借りた(借入金)」「会社が▽▽の分を立て替えた(立替金)」「会社が◇◇から預った(預り金)」と考 えなければなりません。特に中小零細企業の場合、社長さんと会社の貸借関係が多いですので注意が必要です。

3.補助勘定と補助簿の作成

預金、売掛金、買掛金、借入金など、出入りの多い勘定科目については必要に応じて補助勘定を設定してください。そうすれば残高の検討もしやすくなるかと思います。また、財務 会計ソフト(試算表)の中で全てを処理するのではなく補助簿の活用も必要です。補助簿とは、試算表とは直結していないけれども、ある取引を詳細に記録した帳簿です。個々の得 意先ごとの「売掛帳」、個々の手形の詳細を記録した「手形帳」などがこれに該当します。補助簿は、貸借対照表関係の勘定科目の内容を検討する際に大変重宝します。

《資産》

【流動資産】

流動資産とは事業年度末から数えて一年以内に現金となるものや、通常の営業サイクル(仕入から販売、代金回収までの期間)で現金となる資産です。

(現金預金)
預金関係については、預金種類別と銀行別に補助科目を設定するのが通常です。
現金
手元にある紙幣と硬貨です。受取った小切手も含まれますが、入手後直ちに預金へ預けている場合は現金に含めなくてかまいません。
小口現金
現金の一部を小口経費用に使う場合、この勘定科目を用います。しかし、この勘定科目を用いるのは、余程手元現金が多く区分が必要な場合や支店・出張所がある(現金が複数 の場所にある)場合などです。
当座預金
いわゆる未落小切手については銀行側残高と不一致が生じます。また、当座貸越契約を結んでいる場合は残高がマイナスとなることがあります。
普通預金
説明省略
定期預金
満期日の定めがある預金です。満期時の利息が元金に組み入れられる場合、それが未処理になっていることがよくありますので注意が必要です。
定期積金
一定期間、毎月同額を積み立てる預金です。

(売上債権)
受取手形
売上代金を手形で回収して決済期日が未到来のものをいいます。裏書きや割引きをした場合、この勘定科目は減少します。なお、減少させずに割引手形、裏書手形という負債勘 定科目を計上する方法もあります。この場合、期日が来るまで両勘定科目とも減少しません。
売掛金
売上代金の未入金分をいます。なお、必要に応じて補助科目を設定するのが通常です。
貸倒引当金
受取手形と売掛金の回収不能部分を見積り、資産の部でマイナスします。

(有価証券)
有価証券
一時保有(短期の売却益狙い)の株式、社債、投資信託などをいいます。

(棚卸資産)
棚卸資産については年度末にのみ計上し、年度途中の月次決算では前期末金額をそのまま計上しつづけていることが通常です。また、勘定科目の分類が困難な場合がありま す。
商品
完成品を外部から仕入れそのまま販売するものです。主に、小売業と卸売業で用いる勘定科目です。
製品
自社製品の完成部分です。これは、製造原価の材料費、労務費、諸経費から振り替えられてきたものです。
半製品
自社製品で未完成ながらも販売も可能なものです。これも製品同様に、製造原価の材料費、労務費、諸経費から振り替えられてきたものです。ただし、次の仕掛品との区分が困難 な場合があります。
(例)パソコンメーカーが製造している部品
仕掛品
自社製品の未完成部分です。これも製品・半製品同様に、製造原価の材料費、労務費、諸経費から振り替えられてきたものです。
原材料
自社製造用の材料です。
貯蔵品
自社製造用の消耗品ですが原材料との区分が困難な場合があります。

(その他流動資産)
前渡金
仕入先などに代金を先渡しした場合に発生します。なお、仕入代金の場合はこの勘定科目を用いずに、買掛金の減少として処理してもかまいません。この場合、買掛金勘定がマイ ナスとなるケースもありえます。
立替金
役員、従業員の個人的費用や、取引先が負担する費用を立替払いした場合に発生します。なお、立替分の入金があったときにはこの勘定科目を減少させます。
未収入金
販売代金以外の未入金をいいます。(例)土地売却代金、株式売却代金
短期貸付金
取引先や従業員に資金を貸し付けた場合に発生します。しかし、売掛金、前渡金、立替金との区分が困難な場合があります。この勘定科目は内容が不透明になりがちですので、 明確な説明ができるようにしておいてください。
未収収益
受取利息、家賃など時の経過に応じて発生する収益の未入金部分をいいます。実務では決算時のみ計上し、また未収入金との区分も厳密ではありません。
前払費用
既に支払った費用で、来期以降の部分をいいます。(例)リース料や保険料の年払い
仮払金
すでに支払ってはいる(出金はある)けれども内容が未確定のものをいい、出張旅費や交際費の先渡しが典型例です。この勘定科目も内容が不透明なことが多く明確な説明がで きるようにしておく必要があります。
仮払消費税
消費税の仕訳処理を税抜処理している場合に、仕入や諸経費の支払に対して発生します。年度末には仮受消費税との差額を計算し、納付の場合は未払消費税、還付の場合は未 収消費税とします。この処理の結果、この勘定科目は消滅します。また、消費税を中間申告で納付した場合は、この勘定科目を用います。

【固定資産】

固定資産とは流動資産以外の資産です。

(有形固定資産)
有形固定資産の取得原価は内容も種々雑多で取得時の経理処理が複雑であるばかりでなく、以後の減価償却にも影響を及ぼします。例えば、社屋を取得した場合などは、その 支出が複数の有形固定資産勘定や費用勘定に分かれることも珍しくなく、その処理が大変複雑となります。経理処理次第で決算内容が大幅に変ることもありますので、基礎資料 を十分整えておく必要があります。資産の内容を明瞭に示した「見積書」「契約書」「注文書」などは必須です。 
建物
いわゆる建設物で、壁、屋根があり、事務所、工場、倉庫などに利用されるものをいいます。
建物付属設備
建物に固着し、建物の使用価値を高め、維持管理上必要なものをいいます。
(例)電気設備、給排水設備、空調設備、エレベーターなど
構築物
貯蔵用タンク、広告塔、駐車場の屋根、塀など、建物や建物付属設備以外の建設物をいいます。実務上、三者の区分が困難なこともありますが、耐用年数の決定に影響しますの で区分は大変重要です。 
機械装置
機械とは、剛性のある物体で、一定の相対運動をし、それ自体で仕事をするものをいいます。装置とは工場などの設備全体をいいますが、それを形成する補助用具も含みます。機 械装置と工具器具備品の区分が困難な場合もあります。
車輌運搬具
乗用車、トラック、特殊自動車のことです。
工具器具備品
工具とは作業用や運搬用などの工具(レンチ、スパナ、ジャッキなど)のことをいい、器具備品とは家具、電気・ガス機器、事務・通信機器、容器、金庫などをいいます。
減価償却累計額
固定資産の減価償却を行った場合、直接その計算対象となった勘定科目を減額する方法と、間接的に減価償却累計額勘定を用いる場合があります。
土地
土地の購入原価をいいますが、購入に要した諸費用(登記費用、不動産取得税、立退き費用など)を含める場合もあります。
建設仮勘定
建設中の建物、構築物、機械装置に関する支出をいいます。完成後、それぞれの勘定科目に振り替えて減価償却します。

(無形固定資産)
法律上の独占的権利(特許権、借地権)、契約上の権利(電話加入権、水道施設利用権など)、有償で取得した営業権(のれん、販路、営業ノウハウなど)をいいます。「無形」だけ に外部者への説明に苦慮します。取得時の契約書や領収書を、すみやかに提示できるようにしておいてください。

(投資等)
投資有価証券
株式、社債などを短期の売買目的ではなく、他社の支配、関係強化、長期的な資産形成を目的に購入した場合に用いる勘定科目です。
出資金
組合、信用金庫の出資金、会員権などをいいます。
差入保証金
営業取引、不動産の賃貸借の際に差し入れる保証金や敷金をいいます。
長期貸付金
一年を超えて貸付を行う場合に用います。
長期前払費用
前払費用のうち一年を超える部分をいいます。

(繰延資産)
将来に効果が及ぶために繰り延べる費用で、減価償却をします。
創立費
会社設立に当っての定款作成費用、登記費用などです。
開業費
会社設立後、営業開始までに要した費用のことで、調査費や広告宣伝費などです。

《負債》

【流動負債】

流動負債とは事業年度末から数えて一年以内に支払わなければならない、あるいは通常の営業サイクル内(仕入から販売、代金回収までの期間)に支払わなければならない負債 です。

(仕入債務)
支払手形
仕入代金として手形を振出した場合の未決済金額です。
買掛金
仕入代金の未払分をいいます。なお、必要に応じて補助科目を設定するのが通常です。

(その他流動負債)
短期借入金
銀行融資などの借入金のうち、一年以内に返済期日が来るものをいいます。
未払金
諸経費などの代金で、既に物の引渡しないしはサービス提供は受けているけれども、支払期日が到来していないものをいいます。
未払法人税等
法人税・住民税・事業税(利益に対して課税される税金)の未払い分です。基本的には、税額が確定しているけれども納期限が未到来の金額ですが、いわゆる滞納がある場合はこ れも含まれます(納付期限が過ぎても当初計上額が残ったままとなります)。この勘定科目を用いずに、納付時に法人税などを損益計算書に計上する方法もあります。
未払消費税
仮受消費税と仮払消費税の差額で、税務署に納付する金額です。税込経理を採用している場合は、確定した税額をこの勘定に計上するとともに同額を租税公課に計上します。
未払費用
時の経過に応じて発生する、利息、家賃、リース料などの未払い部分をいいますが、実務上未払金との区分を厳密には行えません。
預り金
給与から天引きした、源泉所得税、住民税、社会保険料・雇用保険の従業員負担分の未納付部分です。天引き後、納付期日未到来のものは当然として、滞納がある場合は残高と して残ります。
仮受金
入金はされているけれども、内容が不明あるいは未確定なものをいいます。できるだけ早期に他の勘定科目への振替えが必要となります。
預り保証金
営業取引、不動産の賃貸借に際して受取る保証金や敷金をいいます。
前受金
販売していない商品代金を前受けした場合に発生します。販売後は売上高に振り替えます。なお、この勘定科目ではなく売掛金勘定を用いることもあります。その場合、売掛金勘 定がマイナスとなる場合もあります。
前受収益
時の経過に応じて発生する、利息、家賃などの前受け部分をいいます。実務上、前受金との区分は厳密ではありません。
割引手形
受取手形を割引いた場合に計上します。割引いた手形が決済されたときに、この勘定と受取手形勘定を減少させます。なお、割引きと同時に受取手形勘定を減少させる方法もあり ます。
裏書手形
受取手形を裏書きした場合に計上します。裏書きした手形が決済されたときに、この勘定と受取手形勘定を減少させます。なお、裏書きと同時に受取手形勘定を減少させる方法も あります。
仮受消費税
消費税の仕訳処理を税抜処理している場合に、主に売上代金の受取りに対して発生します。年度末には仮払消費税との差額を計算し、納付の場合は未払消費税、還付の場合は 未収消費税とします。この処理の結果、この勘定科目は消滅します。

【固定負債】

流動負債以外の負債をいいます。

長期借入金
銀行融資などの借入金のうち、一年以降に返済期日が来るものをいいます。

《純資産(資本)》

資本金
株主から払い込まれた金額をいいます。なお、この金額は商業登記簿の「資本金の額」と一致しなければなりません。
資本準備金
株主から払い込まれた金額のうち、資本金に組み入れなかった金額をいいます。
利益準備金
配当した金額に対し10%を上記の資本準備金と合計して資本金の4分の1までこの名目で積み立てなければなりません。


≪損益計算書関連の勘定科目≫

1.当期利益算出のプロセス 

損益計算書は、当期利益を算出するプロセスを表示します。しかし、実務上そのプロセスの区分は困難なことが多く、特に、売上原価を構成する製造原価の算出には、各費用の製 造原価と販売費一般管理費の区分と精密な帳簿体系が必要です。
一般に中小零細企業では、製造原価と販売費一般管理費の明確な区分ができておらず、決算時に概算で、販売費一般管理費から製造原価に勘定科目を振り替えているのが実 情です。これは、多くの費用が製造と事務・営業に共通して発生することによります。工場と事務所が同一場所にある場合の家賃、水道光熱費、福利厚生費などがこれに該当しま す。

2.消費税との関連

損益計算書関係の勘定科目は消費税と関連しますので注意が必要です。
ほとんどの財務会計ソフトでは勘定科目ごとに消費税の初期設定(課税対象か否か)がされているかと思います。例えば、法定福利費(社会保険料と労働保険料)は非課税、福利 厚生費(忘年会費用や従業員旅行代金など)は課税となっています。最終利益の計算や損益計算書の表示においては、社会保険料を福利厚生費に含めても問題ないかもしれま せんが、消費税の納税額の計算においては誤りとなります。なお、特定の仕訳を入力する場合のみ初期設定を変更することもできるはずです。

《売上》

売上高
企業が販売する、商品、製品、サービスの代金です。複数の事業を営む場合は、適当な区分で分割表示します。
(例)紳士服売上高と婦人服売上高 小売売上高と卸売上高
売上値引
売上代金を、取引量、クレームなどを理由として減額した場合に用います。この勘定科目を用いずに、売上高を直接減額する方法もあります。
売上戻し
販売した商品などが返品された場合に用います。この勘定科目を用いずに、売上高を直接減額する方法もあります。

《売上原価》

期首商品(製品)棚卸高
前期から繰越された在庫です。計算上は、ひとまず当期の仕入れなどで費用とします。
仕入高
企業が販売するために仕入れた、商品、製品の代金です。なお、仕入高の中には商品や製品の運賃や梱包料、製造業の場合は製造原価が含まれます。さらに、複数の事業を営 む場合は、適当な区分で分割表示します。
(例)紳士服仕入高と婦人服仕入高
仕入値引
仕入代金が、取引量、クレームなどを理由として減額された場合に用います。この勘定科目を用いずに仕入高を直接減額する方法もあります。
仕入戻し
仕入れた商品などを返品した場合に用います。この勘定科目を用いずに仕入高を直接減額する方法もあります。
期末商品(製品)棚卸高
年度末に在庫として残り翌期に繰越す商品や製品です。この金額は、貸借対照表の商品(製品)に一致します。

《販売費及び一般管理費(営業部門と事務部門の費用)》

役員報酬
取締役、監査役に対する定時の給与です。
給料手当
従業員、パート、アルバイトに対する給与です。基本給のほか、諸手当も含めます。なお、通勤手当は旅費交通費に含めるのが一般的です。
賞与
役員、従業員、パート、アルバイトに対する賞与です。
雑給
パート、アルバイトなど、一時雇用者に対する給与をこの勘定科目で処理することがあります。
退職金
役員、従業員、パート、アルバイトに対する退職金です。 
退職金掛金
中退金、特退金がこれに該当します。ただし、保険料勘定に含めてもよいかと思います。
法定福利費
社会・労働保険料など法定されている役員や従業員関連費用です。
福利厚生費
役員や従業員のレクレーション費用(忘年会、新年会、歓送迎会、運動会、旅行など)、慶弔金などです。
外注費
営業、事務、清掃などの作業を外部の業者に依頼した場合の費用をいいます。いわゆる派遣社員の給与(派遣会社に支払う)はこの科目など給料手当以外で処理します。
荷造運賃発送費
商品や製品の梱包と運搬に要する費用です。なお、仕入に関する運搬費用は仕入勘定に含める場合があります。
広告宣伝費
商品販売のための雑誌や新聞の広告掲載費用、求人費用、展示会費用、パンフレット制作費用がこれに該当します。
交際費
得意先、仕入先、その他事業に関係する者に対する接待、供応、慰安、贈答その他これに類する行為のために支出した費用をいいます。
会議費
取引先との商談、社内での打ち合わせに通常要する費用(貸会議室の賃料、茶菓子代など)をいいます。実務上、交際費との区分が困難な場合があります
旅費交通費
電車代、バス代、タクシー代、高速代、駐車代、通勤手当、出張費用(宿泊費、宿泊手当)がこれに該当します。旅費交通費の内容が多い場合は、勘定科目の細分化が必要かと思 います。
(例)出張旅費、出張手当、海外旅費、通勤手当など
通信費
電話代、葉書切手代、宅配便料金がこれに該当します。なお、宅配便料金については、荷造運賃発送費でもよいかと思います。
販売手数料
代理店などへの手数料、仲介料がこれに該当します。なお、販売手数料と交際費の区分が実務上困難なことがあります。
消耗品費
固定資産計上されない、工具器具備品(机、椅子、パソコンなど)や蛍光灯、湯のみ、事務用品費がこれに該当します。
事務用品費
事務に関する消耗品費をいいますが、消耗品費に含めてもかまいません。
修繕費
有形固定資産の修繕に関する費用です。実務上、有形固定資産か修繕費かの区分が困難な場合があります。
水道光熱費
電気、水道、ガス料金です。
新聞図書費
新聞代と書籍購入費用です。
諸会費
同業者組合、地域団体への会費です。実務上、交際費や広告宣伝費との区分が問題となります。
支払手数料
銀行の振込手数料、弁護士、公認会計士、税理士などの報酬がこれに該当します。
車両費
車検費用、車両の修繕費、ガソリン代など、車両関連費用を特別に把握したい場合に設けます。
リース料
リース契約に基づくリース料の支払金額です。なお、レンタル料は賃借料で処理します。
保険料
損害・生命保険料がこれに該当します。社会・労働保険料の会社負担額は、法定福利費勘定で処理します。
寄付金
国や地方公共団体に対する寄付金、公益目的の会社や団体への寄付金、特定公益増進法人、その他一般への寄付金に分類されます。税務上の扱いが事細かに定められていま す。
研究開発費
研究開発に関する費用をいいます。研究所の費用がこれに該当しますが、営業や事務部門の研修費用もこれに含めます。
減価償却費
固定資産の取得価額を各事業年度に費用配分した金額です。
地代家賃
工場、事務所、駐車場(一時預け分は交通費)の地代と家賃をいいます。
賃借料
会議室、備品、車両などをレンタルした場合の費用をいいます。
租税公課
印紙、自動車税、固定資産税がこれに該当します。法人税、住民税、事業税は法人税等に含めます。なお、税込経理の場合の消費税納付額はここに含めます。
貸倒損失
売掛金や受取手形が回収不可能となったとき、回収不能金額をこの勘定科目で費用処理します。
雑費
以上のいずれにも含まれない費用をこれで処理します。この勘定科目の多発は避けるべきです。一時的かつ少額な費用で、適当な勘定科目が見当たらない場合に用いてくださ い。

《営業外収益(本業以外の収益)》

受取利息
預金、公社債などの利息をいいます。
受取配当金
株式、出資金、保険などの配当がこれに該当します。
仕入割引
仕入代金を早期に支払う対価ですが、実務上、仕入値引きとの区分が困難な場合があります。
雑収入
金融関連収益(受取利息・配当金)以外の営業外収入をいいます。
(例)受取家賃、保険金の受取など

《営業外費用(本業以外の費用)》

支払利息
借入金の利息がこれに該当します。
割引料
手形を割引いたときの割引料です。
売上割引
売上代金を早期に支払ってもらったことの対価ですが、実務上、売上値引きとの区分が困難な場合があります。
雑損失
金融関連費用(支払利息・割引料)以外の営業外費用をいいます。
(例)盗難損失、損害賠償金など

《特別利益》

特別利益と営業外収入の雑収入との区分は、困難な場合があります。

固定資産売却益
固定資産の売却による利益です。
前期損益修正益
前期の決算数値に誤りがあり利益が増加する場合、この勘定科目を用います。
(例)売上の計上漏れがあった。減価償却が過大であった。

《特別損失》

特別損失と営業外費用の雑損失との区分は、困難な場合があります。

固定資産売却損
固定資産の売却による損失です。
前期損益修正損
前期の決算数値に誤りがあり利益が減少する場合、この勘定科目を用います。
(例)仕入の計上漏れがあった。減価償却が過少であった。

《法人税等》

法人税、住民税、事業税は利益に対して課税されますので、当期利益の下に法人税等として表示します。

≪製造原価報告書関連の勘定科目(工場の費用で製造業のみ)≫

《材料費》

売上原価と考え方は同じです。ただし、商品や製品と違って、以後社内で加工され販売される点が異なります。

期首材料棚卸高、材料仕入、仕入値引、仕入戻し、期末材料棚卸高

《労務費》

事務・営業部門と名称・内容は同じですが、工場で発生する人件費です。

役員報酬、給料手当、賞与、雑給、退職金、法定福利費、福利厚生費

《製造経費》

(1)工場独自の経費
外注加工費
加工作業を外部業者に委託した場合の費用をいいます。厳密には加工賃だけですが、材料、消耗品代を含めて請求してくる場合があり、実務上は材料仕入との区分が困難な場 合があります。
動力費
工場では機械用の電力、燃料、水道料が特別に発生することがありますので、通常の水道光熱費と区分する場合があります。

(2)事務営業部門と名称・内容は同じですが、工場で発生する経費
交際費、会議費、旅費交通費、通信費、消耗品費、事務用品費、修繕費、水道光熱費、新聞図書費、諸会費、支払手数料、車両費、リース料、保険料、寄付金、研究開発費、減価 償却費、地代家賃、賃借料、租税公課、雑費

《仕掛品》

期首仕掛品
前期から繰越されてきた仕掛品です。計算上は、ひとまず当期の費用とします。
期首半製品
前期から繰越されてきた半製品です。計算上は、ひとまず当期の費用とします。
期末仕掛品
期末に製造途上にあるので、翌期へ繰越します。
期末半製品
期末に製造途上にあるので、翌期へ繰越します。 



戻る





このページは2017年9月12日に「勘定科目の一覧と解説(無料相談もできる)」として内容を刷新いたしました。
今まで多数の皆様にこのページをご覧いただき大変ご好評をいただくとともに、リンクも
たくさんしていただいております。ですから、このページもしばらくはこのまま残しておきます。




公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)




トップページ