(内容)2013年6月14日現在

 

 

会計ソフトの初期設定(弥生会計の場合)

 

会計ソフトは初期設定をしなければ使えません。また、初期設定を間違ってしまうと、せっかく入力したデータを廃棄し、一から入力しなければならない場合もあります。ネットショップなどの初期登録(ユーザー登録)では、「当初は『適当に』入力しておいて」「後から修正する」ということが可能ですが、会計ソフトの初期設定ではそうはいかない場合があるのです。このあたりが会計ソフトの恐ろしい所です。

 

会計ソフトの初期設定をするには、少なくとも次の専門用語をあらかじめ理解するとともに、初期登録に必要な事項(数値など)を「調べておく」あるいは「決めておく」必要があります。(以下、弥生会計13の用語で説明させていただきます。)

 

会計期間

 (消費税の)事業者区分

 (消費税の)課税方式

 (消費税の)経理方式

前期繰越残高

 

★必ずメーカーの電話サポートを活用する

 

会計ソフトの初期設定にあたっては十分な時間を確保し、メーカーの電話サポートで指示を受けながら行う必要があります。サポートの過程で、上記の専門用語に関することをたずねられて意味が分からない場合には徹底的に質問してみることです。また、十分理解できない場合には、いったん電話を切って調べ直す(考え直す)ことも必要になります。

 

★初期設定が正しいことが確認できるまでは入力しない

 

初期設定をした項目は画面で確認することができますので、電話サポートで確認してもらうとよいです。

 

▲会計ソフトのバグ?

 市販されている会計ソフトの基本的な機能(入力した仕訳から総勘定元帳や試算表を作成する)でバグが存在するという話は聞いたことがありません。会計ソフトに入力した結果を見て(試算表、総勘定元帳など)、「これは会計ソフトのバグだ!」という人がいますが、その原因のほとんどが簿記会計の知識不足と初期設定の間違いです。メーカーに「八つ当たり(責任転嫁)」してもどうにもなりません。

 

 

【経理作業の効率化】あらゆる入出金(収益と費用)が預金口座を通るようにする

 

あらゆる入出金(収益と費用)が預金口座を通るようにしておけば経理作業を大変スムーズに行うことができます。預金通帳の表示順に仕訳をして会計ソフトに入力すればよいのです。この方法の最大のメリットは仕訳の漏れや金額誤りがなくなるということです。もし、漏れや金額誤りがあれば預金通帳と預金出納帳(総勘定元帳の預金勘定)の残高が一致しなくなります。その場合には、どこで残高が違ったかを突き止め、その直前の仕訳を再検討すれば済みます。

 

●何が事業の入出金か?

当然ですがこれが重要です。どんぶり勘定ではいけないのです。この件については、簿記会計という専門分野の問題ではありません。経営者としてのモラルの問題です。「私は簿記会計に関しては素人なので・・・」という言い訳は通用しません。

 

●現金(硬貨と紙幣)での代金回収

 これについては速やかに(遅くとも翌朝には)預金口座に入金するようにしてください。

 

●小口の支払いのために常に現金(硬貨と紙幣)を保有しておきたい

まず預金口座から引き出した額を正確に記録します。そして、領収書などを手掛かりに個々の出金額を記録します。そうすれば、現時点での現金残高が計算できます。その残高が実際の現金(硬貨と紙幣の合計額)と一致すれば記録は正しいということです。

 

●発生主義との関連

簿記会計では発生主義といって、入出金に先立って収益や費用を把握する局面が多々あります(原則といってよいかもしれません)。ですから、上記のような入出金記録だけでは不十分です。しかし、入出金に先立って把握された収益と費用もいずれは入出金記録として把握されますので、入出金記録から遡ることによって処理漏れや金額誤りなどのミスを発見できるのです。

 

●入出金=収益・費用ではない

そのとおりです。簿記会計はそんなに単純ではありません。これについては、個々の入出金の処理方法(仕訳や勘定科目など)を覚えるしかありません。「資産となる出金」「負債となる入金」「費用と資産に分かれる出金」「収益と負債に分かれる入金」など、パターンは様々です。

 

 

会計ソフトの怪?(入力していない勘定科目が動いている)

 

「入力した記憶のない勘定科目が動いている(この会計ソフトにはバグがある)」

 

このようなことをいう人がいます。「簡単入力画面」などと称する「複式簿記が理解できなくても・・・」を売りにしている会計ソフトを利用している人です。

 

入力ミスをしている場合にはこのようなことが起こりますが、入力ミスをしていなくても起こります。会計ソフト(正しくは財務会計ソフト)は複式簿記を前提としており、複式簿記においてはひとつの取引を「両面」から捉えます。ですから、自分では一側面のみを入力しているつもりでも、会計ソフトは別の側面も変動させているのです。

 

典型は、現金から経費を支払ったという取引です。「電車賃を支払った」「プリンターインクを購入した」「ガソリン代を支払った」などです。会計ソフトの入力画面(取引例)を「選択」すれば、日付と金額を入力すればそれで終わりです。100の取引もあっという間に入力できます。

 

「会計ソフトなんて簡単だ!」

 

しかし、入力結果としての試算表(決算書)をみて愕然とします。現金の残高がマイナスになっているからです。また、預金の残高はゼロです。このような現象は、経費を手持ちの現金から支払ったという入力しかしていない場合に生じます。会計ソフトは経費の発生と同時に現金の減少という処理をしているのです。

 

この「怪現象」を解消するには、現金を増やす処理をしなければなりません。「売上代金を回収した」「預金から引き出した」など、様々なパターンが考えられます。どのパターンであるかは自らの記憶をたどるしかありません。

  

◆後になってみれば金額が動いていた

 このようなこともあります。例えば、先に「現金を入力」した際の現金残高と後に「預金を入力」した結果としての現金残高が違うということもあります。預金の入力で先に入力した現金が動いたからです(預金取引の中には現金を増減させるものがあります)。

 

◆複式簿記をマスターするには?

 会計ソフトのヘルプ(サイト)とサポートだけでは無理です。通り一遍の説明がされた書物を読む、講習を受けるなどして「体系的」に学ぶ必要があります。「どれくらいの日数?」、それは人によると思いますが2・3日では絶対に無理です。

 

 

会計ソフトでプロジェクトや個人別の利益を算出する

 

できないことはないと思います。部門別計算機能(弥生会計の場合)を使えばできます。プロジェクトや個人を部門として扱うのです。

 

しかし、大変だと思います。なぜならば、部門は長期間(少なくとも一事業年度の間)固定されていますが、プロジェクトや個人(一社員)は頻繁に変動するからです。ですから、部門とみなしたプロジェクトや個人を頻繁に設定しなおさなければなりません。

 

★会計ソフトから基礎データを受け取り計算する

 

これが基本だと思います。何から何まで会計ソフトで処理しようと考えるとかえって不効率になってしまいます。

 

「売上」「仕入」「給料・賞与」あたりは、会計ソフトでもプロジェクトや個人別に確実に計算できると思います。補助科目や摘要を活用すれば抽出や集計も容易です。

 

問題は、「家賃」「水道光熱費」「通信費」「支払利息」など、複数のプロジェクトや個人に共通して発生する費用の「配分」です。この配分は、その費用の発生に関連する数値(例えば、家賃ならばプロジェクトや個人が使用しているスペースの面積比)の比率で配分することになります。

 

★全体的な利益との一致を確かめる

 

プロジェクトや個人ごとに計算された利益をすべて合計すれば、全体的な利益、つまり会計ソフトの試算表の利益に一致しますので、必ず確認をしておく必要があります。

 

 

法人成りした場合の会計ソフトの設定(弥生会計の場合)

 

■新たにデータファイルを作成しなければなりません

 

法人成りをした場合、会計ソフトのデータを新たに作成しなければなりません。弥生会計のデータファイルは一事業者でひとつですので、個人事業者の分とは別に新たに設立した会社としてのデータファイルを作成しなければなりません。「繰越処理」をするのではありません。なぜこのようにするかというと、法的に個人事業者と新たに設立した会社は別個の存在だからです。

 

■個人事業者と会社では勘定科目や決算書の様式が異なります

 

個人事業者の決算書は「青色申告決算書」あるいは「収支内訳書」と呼ばれる税務署が配布している様式を用いますが、会社の場合には「決算報告書」として「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」を会社法に基づいて作成しなければなりません。

 

個人事業者と会社では勘定科目が大幅に異なります。個人事業者での「事業主貸」「事業主借」「元入金」「専従者給与」は会社にはありません。会社には個人事業者にはない「役員報酬」「資本金」「純資産」という概念とそれに関連する勘定科目があります。

 

■一部の数値は会社に引き継がれます

 

法的に個人事業者と新たに設立した会社は別個の存在かもしれませんが、両者に「接点」はあります。「在庫」「車両」「備品」「機械」などは個人事業や時代の帳簿に記載された金額をそのまま引き継ぎます。

  

★弥生会計は「スタンダード」と「プロフェッショナル」でなければ会社形態には対応していません

 「やよいの青色申告」を使用している場合には、「スタンダード」あるいは「プロフェッショナル」にアップグレードする必要があります。(「スタンダード」と「プロフェッショナル」は個人にも対応しています。) 

 

 

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