(内容)2013年5月2日現在

 

 

会社設立登記と税務申告はどちらが難しいか?

 

役所に提出する書類の分量だけでいえば税務申告は会社設立登記の4倍程度です。しかし、税務申告は帳簿という証拠資料に基づいて行う必要がありますので、これを考慮すると税務申告のほうが「圧倒的に」手間もかかるということになります。

 

■帳簿のパターンは無数にあります!

これが税務申告の厄介なところです。帳簿は日記と同じであり、帳簿には会社それぞれの事実をありのままに書かなければなりません。事実は会社ごとに全く異なります。ですから、「標準様式」に若干の加工をすれば済むものではありません。また、記帳(帳簿の作成)は複式簿記で行う必要があり、この複式簿記は専門的であることから一朝一夕にはマスターできません(財務会計ソフトを使いこなすにも複式簿記の知識が必要です)。

 

■記帳の裏技!

残念ながらありません。帳簿に記載された個々の記録、例えば出金は、出金の事実を証明する領収書などに基づかなければなりません。また、帳簿が事実に基づいているかを調べるのは税務署という国家権力です。

 

■税理士(会計事務所)に頼めば・・・

「まったく記帳をしていません・・・」、今も昔も税理士を悩ませる依頼者の典型です。「本当は裏技が?」「税理士に責任を・・・」、依頼者の本音だからです。

  

★税務申告も簡単に済むだろう(設立登記と同じ調子で)

昨今では設立登記が簡単に済みます。ネットを検索すれば安価な手数料で会社設立手続を引き受ける業者(司法書士、行政書士)のサイトが多数表示されます。このことが安易に会社を設立し、その後の税務申告を中心とした手続を放置する会社を生む一因となっているのかもしれません。「会社の設立は簡単ですが、設立した後のメンテナンスが大変ですよ・・・」、会社設立手続を引き受ける業者はそのようなアドバイスはしないでしょうから・・・

 

 

税務署から会社あてに送られてきた封筒の中身

 

会社を設立してからしばらくすると税務署から書類の入った封筒が何通か送られてきます。その中にはボリュームが多いものもあり、圧倒されて読むのさえ嫌になることもあります。特にボリュームが多いのは次のふたつです。

 

■年末調整の案内

11月中旬までには送られてきます。「年末調整に必要な書類(扶養控除等(異動)申告書など)」と「年末調整の事務手続を解説したパンフレット(年末調整のしかた)」が入っています。「年末調整のしかた」は、いわば年末調整の「公式マニュアル」ですので熟読されることをおすすめいたします。大変読みやすいです!

 

■申告の案内

事業年度終了後1か月ほど経過すれば送られてきます。「法人税と消費税の申告書用紙」と「法人税と消費税の申告事務手続を解説したパンフレット(法人税申告書の記載の手引、消費税及び地方消費税の申告書の書き方)」が入っています。

 

★封筒が送られてこない

 

原因としては次のようなことが考えられます。

 

・開業届(法人設立届出書)を提出していない

開業届を提出しなければデータ登録されませんので案内が送られてくることはありません(開業届の提出を促す書面は送付されてきます)。

 

・開業して日が浅い

税務署が案内を送る直前あるいは送った後に開業届を提出した場合には案内は送られてきません。

 

・異動届(所在地)を提出していない

設立後に所在地を変更したのに(引っ越ししたのに)その変更の届をしていない場合には資料は旧所在地に送られます。

 

・郵便事情など

 

これは多くの税に共通することなのですが、税務署から連絡がないからといって申告や納付の義務がないということではありません。税務署から案内が送られてこない場合には至急税務署まで取りに行かなければなりません(同時に所定の届をしておく必要があります)。

 

★都道府県税事務所と市町村役所から送られてくる案内

 

そうです、会社の場合には税に関する役所は税務署(国)だけではありません。これについても対処が必要です。

 

 

会社なんて設立しなければよかった・・・(設立以降の手続ができていない)

 

この相談が非常に多いです。安易に会社を設立し、その後の手続(税務申告など)に思いのほか手間がかかるということで放置していたけれども、役所などからの執拗な督促に対する拒否も限界になり、泣きついてくるケースです。

 

★会社を消滅させるしかありません(しかし、それには費用が必要です)

 

相談してくる人の本音は「簡単に費用をかけずに・・・」ですが、それは無理です。会社が存在している、つまり法務局で会社の存在が登記されているということは、「ファイティングポーズ」をとっていることなのですから、周囲は情け容赦なしに襲い掛かってきます。そのような世界に飛び込んだのは「あなた自身」であることをまずは認識してください。

 

★業績不振→会社の法的な消滅ではありません

 

この点を誤解している人が非常に多いです。確かに、業績不振(資金不足)になれば会社は活動ができなくなります。つまり、「買って」「売って」「儲けて」ができなくなり事実上は消滅となります。しかし、これをもって「法的消滅=以後は一切の法的な手続は不要」とはならないのです。税務申告を済ませ、会社の清算登記(法的に消滅させる手続)を済ませなければ、税務署などの役所からはいつまでも「生きている」という扱いにされ、必要な手続をしていない場合には督促を受けることになります。

 

★消滅手続のためのお金がない

 

それが根本的な間違いなのです!早くそれに気づいてください。費用は何とか捻出してください。誰かから借りてでも捻出してください。

 

 

戻る