(内容)2013年4月30日現在

会社を引き継ぐ場合の注意点

 

今まで誰かが支配していた会社を引き継ぎ、以後は自身が会社を支配するという方法があります。なんだか難しいような気がしますが、少し前に壮絶な買収劇で世間の注目を集めたライブドア(堀江貴文、フジテレビ)や村上ファンド(村上世彰、阪神電鉄)はこの手法を用いたのです。もっとわかりやすい例はプロ野球チームの買収です。プロ野球チームを譲り受けた者は、チーム名、本拠地、監督・コーチ、戦力を自由に決めることができます(プロ球団も株式会社形態です)。会社という存在は、不動産、貴金属、石油などと同様、物として売買できるのです。会社は組織ですので、組織という人の集団を動かすリーダーが必要ですが、このリーダーを選ぶのは会社の所有者(会社を買った者)です。資金がある者は会社という物を買い、会社を動かすリーダーになれるのです(自身をリーダーとして選ぶことができます)。 

 

■役員変更登記をする

会社を動かすのは代表取締役という役員です。自身が代表取締役になるには、法務局で代表取締役として登記しておく必要があります。ただし、そのためには株主総会で取締役に選任されなければなりません。

 

■株式を譲り受ける

代表取締役になっただけでは十分ではありません。会社の最重要事項を決定するのは株主です(株主総会の多数決で決めます)。会社を支配するには過半数以上の株式を譲り受けておく必要があります。取締役を選任するのは株主ですので、株主から取締役として選任されなければ代表取締役にはなれないのです。

 

■会社の実印を引き継ぐ

これも大切なことです。会社の実印は法務局に登録しなければなりません。上記の役員変更登記をするにも会社の実印が必要です。また、会社が重要な契約書に押印する場合には、契約書に会社の実印で押印するとともに法務局が発行する印鑑証明を添付するのが通常です。

 

上記の手続は前代表取締役や前株主との間に強固な信頼関係があれば比較的簡単にできます(特に親族間であれば容易にできます)。実際に難航する(悩む)のは次の点です。

 

〇現存する借金の返済

〇退任する取締役への退職金の支払い

〇退任する取締役が一部事業を引き継ぐ場合の会社との関係

〇従業員の雇用の継続

 

既存の会社を引き継げば手っ取り早く事業を始めることができます。「裸一貫」の場合のように試行錯誤も不要です。しかし、引き継いだならば、それはそれで苦労も多いのです。

 

 

休眠会社の譲り受け

 

休眠会社とは法律上は会社として存在するけれども(登記簿にも存在するけれども)活動を一切していない会社のことです。休眠会社を上記と同様の方法で譲り受けることもできます。休眠会社はいつでも活動を再開できますが、税務署などの役所に活動再開の届けを提出しなければならず、役所によっては一から諸手続をやり直さなければならない場合もあります。休眠会社は活動を停止していたわけですから、機能を「再稼働」させるために新設会社同様の手続が必要なこともあるのです。

 

 

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