築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)


最近の話題(7)


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あれから10年・・・
(次の10年・・・)

●1997年11月・・・山一証券、北海道拓殖銀行が経営破綻
●1998年10月・・・長期信用銀行の国有化
●1999年3月・・・大手銀行に公的資金投入
●1999年12月・・・東証マザーズ発足(新興ベンチャー企業の台頭)
●2001年4月・・・小泉内閣発足
●2001年9月・・・アメリカで同時多発テロ発生
●2003年3月・・・イラク戦争始まる
●2003年4月・・・日経平均バブル後最安値
●2005年2月・・・ライブドアがニッポン放送の大株主に
●2006年7月・・・日銀がゼロ金利解除を決定
●2007年8月・・・サブプライム問題発生
●2008年8月・・・北京五輪開催
●2008年10月・・・世界的な金融危機

歴史は繰り返すということです。
5年ほど我慢すれば景気も回復しますよ!

2008年12月10日
公認会計士 築山 哲


住宅ローン減税、最大600万円!
(日本版サブプライムローンという危惧)

麻生新総理が経済対策の目玉の一つとして多額の住宅ローン減税を提案しました。わが国では建設関連に従事する労働者の割合が非常に高いことから、住宅需要を喚起すればこれらの人々の所得が増えひい ては内需全体が拡大するということが予想されます。しかし、借金をしての住宅購入については次のようなことが危惧されます。

■危険な仕組みの住宅ローンも存在する
米国のサブプライムローンは将来的な住宅価格の上昇を見込んで借入れ当初は金利も低く返済額も少ないけれども、一定期間を過ぎて住宅価格が上昇しない場合には金利も返済額も大幅に増えるというもので あったそうです。わが国でも、甘いセールストークで目先の返済額が少ないように見せかける住宅ローンが少なからずあると聞いています。

■住宅ローンを抱えている人々が生活防衛に走る
わが国では「住宅さえ持っていれば・・・」という考えが根強いです。そのような人たちは、住宅ローンの返済以外の支出は徹底的に抑えることから、食料品や衣料品などは購入数量を減らすだけでなくより安いもの を買い求めることになるでしょう。要するに、住宅市場の活発化はその他の市場の停滞につながるということです。

経済政策など、しょせんは「水物」です。また、「3年後には消費税率のアップを・・・」といってしまった段階で、国民は戦々恐々としています。

やはり、財政支出の削減が喫緊の課題なのではないでしょうか?

「苦しいのは自分たちだけではない!」

多くの国民が納得し、安心すると思いますが・・・

2008年11月8日
公認会計士 築山 哲


株価はどこまで下落するのか?
(新たな価値観・・・)

世界的に株価の下落が止まらず、株を保有している人は針の筵(むしろ)の毎日だと思います。しかし、いずれ株価は上昇に転じるでしょう。当然のこととして資本主義社会である以上、株式などの証券がこの世か ら消えることはないからです。

■今は買い時か?

そんなことは誰にもわかりません。しかし、一つだけいえることは、今後は価値観が大きく変わりその価値観に適う企業の株価が上昇するということです。

2000年頃の株価上昇はネットバブルと呼ばれ、次世代のインフラであるネットに関連する企業の株価が大幅に上昇しました。その当時、ネットも未知数で無限の可能性があったことから、ネットに関するアイデア やビジネスモデルにおいて優れている企業の株価が激しく上昇しました。しかし、今、アイデアだとかビジネスモデルといっても誰からも相手にされません。「絵に描いた餅」に過ぎないからです。

2003年頃から始まり今回の急落で幕を閉じた相場では、世界的な業界再編、新興国の台頭の恩恵を受ける企業の株価が上昇しました。しかし、いずれも短期的な利益を追求するという、まさに「虚業」でありまし た。

■これから資本主義社会はどのような価値観を追い求めて前進していくのでしょうか?

品質、技術、人間尊重、格差是正・・・

数え上げればきりがありません。やはり、当分株価の上昇は望めないでしょう。

2008年10月8日
公認会計士 築山 哲


不景気の過ごし方
(発想の転換)

残念ならが不景気に突入した模様です。米国発のサブプライム問題の決定的な解決策はいまだ見出されていません。新興国の成長も鈍ってきています。こんな状況では、輸出、円安、リストラ頼みのわが国はどう にもならないでしょう。

企業が不景気を過ごす方法は次の3つになると思います。

(1)過去の蓄積を取り崩す
こんな恵まれた会社はごく一握りでしょう。一昔前ならば戦後間もなく創業して高度成長期に莫大な蓄積を築いた企業が多数ありましたが、90年後半からの不況でその蓄積を使い果たしています。

(2)リストラ
今や、リストラだけではどうにもならないでしょう。もう、削るものがないからです。

(3)成長分野にシフトする
結局これしかありません。不景気は新たな成長が始まる前の「踊り場」です。衰退する産業と成長する産業が入れ替わる時期です。今は衰退産業に属する業種の企業であっても、ちょっとした「発想の転換」で成長 産業へと変貌できる場合もあります。成長分野を模索していくしかないのです・・・

2008年9月9日
公認会計士 築山 哲


通勤手当の不公平
(ガソリン価格は高騰しているのに)

サラリーマンが会社から受け取るいわゆる「通勤手当」は、通勤に必要な「実費の補填」であることから一定の金額までは非課税とされています。しかし、通勤手当が「実費の補填以上」となっている場合もあり、ガ ソリン価格が高騰している中、非課税限度枠内では自動車通勤に必要な実費(ガソリン代、駐車場代など)を補えきれていない人が多いのとは対照的な現象を生んでおります(自動車通勤の場合の非課税限度額 はガソリン価格高騰前の金額によっております)。

■通勤手当を受け取りながら徒歩通勤
このようなことをしている人もいます。
会社から受け取る通勤手当が全額非課税の範囲内であるならば、通勤手当相当額が丸儲けということになります。自宅から会社までの全経路を徒歩で通勤していなくても、一駅を歩いた場合も同じです。
健康のために歩いているといえばそれまでかもしれませんが、交通機関を利用していない場合には通勤手当は課税扱いとすべきではないでしょうか?

■割引交通運賃
最近では交通機関の運賃の割引が多様化しており、通勤手当の基準となる「通勤定期券」の金額よりも安く交通機関を利用することができます(各種乗車カードの発達)。この場合、通勤手当が通勤定期券を基準 に計算される限りは実費以上が支給されるということになります。

■会社から遠い表向きの住所を基準に通勤手当を計算している
実際には会社近くのセカンドハウスなどから通勤していながら、通勤手当の計算は会社から遠い表向きの住所を基準に計算している場合があります。

■会社の自動車で通勤しさらにはその自動車を私用にも使っている
自動車者の購入費用や維持費さらにはガソリン代も会社負担で通勤している人もいます。このようなことが認められるのは、毎日自宅から仕事場(会社以外)まで自動車で通うしかない業種(建設業や運送業など) に限られます。

通勤に必要な実費の計算が簡単でない場合もあるかもしれませんが、可能な限り実費補填に近づけた非課税限度額の計算を徹底すべきだと思います。

2008年8月18日
公認会計士 築山 哲


NHK土曜ドラマ「監査法人」
(ドラマと現実は違うけれども・・・)

現在、NHK土曜ドラマ「監査法人」が放送中で、なかなか好評なようです。
公認会計士(監査法人)をテーマにしたドラマは今回が初めてです。公認会計士の業務は大変専門的であるとともに特殊で、一般には馴染みがないことから今までドラマのテーマにされることがありませんでした。

1990年代初めのバブル崩壊に端を発して相次いで生じた、金融機関の不良債権問題、有名大手企業の粉飾決算事件は、従来は会計や監査というものにまったく無縁であった人々までもが会計や監査という文 字や言葉に日常的に触れるきっかけとなりました。

ドラマ放送以前から、すでに多くの人々は「監査法人」という言葉を知っていたことでしょう。そんな状況下に放送された、ドラマ「監査法人」は人々の好奇心を駆り立て、専門分野をテーマとしているにもかかわらず 予想外の視聴率を記録することになりました。人々は、「監査法人」という言葉の意味を探し求めていたのでしょう。

「ドラマと現実があまりにも違いすぎる!」
すべての公認会計士が感じています。また、ネット上でもこの件について多くの情報が発信されています。(でも、公認会計士をかっこよく描いていますので、その意味では感謝すべきですよ!)

このような反論があるとはいうものの、ドラマでは企業会計と会計監査の目的を一般の人にもわかりやすく伝えており、大変評価できると思います。ドラマですのでニュース番組や教養番組ではありません。世相や メッセージが正しく伝わればそれでよいのではないでしょうか。

■企業会計
企業の業績は正確に伝えられなければならない(それを伝える手段が決算書)。人々(投資家や取引先など)はそれによって最適な行動を選択する。

■会計監査
監査法人(公認会計士)は企業が業績についての正確な情報を発信するための「番人」である。もし、誤った情報を発信した場合には、それが誤りであることを人々に伝えなければならない。

現在、人々は情報の必要性と情報の信頼性に戸惑っています(食品業界の産地偽装問題など)。

■何が必要な情報なのか?

■情報の歪曲による被害を拡大させない方法とは?

早急に解決しなければならない課題です。
ドラマ「監査法人」がこの課題を解決するためのひとつの契機になればよいと思います。
この課題が完全に解決したとき、人々は監査法人や公認会計士のことなどすっかり忘れていることでしょう。しかし、それでいいのですよ。平和な時代には監査法人も公認会計士も表舞台に出ることなどないのです から・・・

もう、二度と会わないようにしましょう!

2008年7月14日
公認会計士 築山 哲


WindowsXP、販売終了
(パソコンはネットの端末)

これといった印象がないまま、WindowsXPが今月末で販売終了となります。
WindowsXPの発売は2001年11月ですから、もう6年以上も使われているということです。2007年2月にはWindowsVistaが発売されましたが、あまりWindowsXPからの移行は進んでいません。

■XPのサポートは2014年4月まで

■今後もVistaからXPへの「ダウングレード」は可能

XPは、まだまだ生き続けます。

1995年にWindows95が発売されて以降、OSのマイクロソフトはCPUのインテルとともに「Wintel(ウィンテル)」として君臨してきましたが、随分と「落ちぶれた」との印象を受けます。

ユーザーはかつてのように最新のOSやパソコンのスペックを追い求めてはいません。今や、パソコンはネットの端末にしか過ぎないということです。

人々が追い求めているのは「情報」だということです。

2008年6月7日
公認会計士 築山 哲


サブプライム損失の最大値
(誰か、試算してください!)

依然として株式や為替相場は不安定な状態が続いており、特に金融機関などのサブプライムローンの損失が公表されたときには荒っぽい値動きをします。

このサブプライムローンの損失の「最大値」は次のようにすれば容易に試算できると考えられます。

(1)サブプライムローンで購入された全ての不動産(土地と建物)をリストアップする

(2)その不動産を購入するためのローンの総額を算出してみる

(3)その不動産の時価を合計してみる

(2)−(3)が損失の総額です。
要するに、サブプライムローンで回収できるのは値下がりした不動産だけであると考えるのです。
当然のこととして、米国にも日本の不動産登記のような制度があると思いますので、上記のような作業は比較的容易に行えるはずです。

しかし、上記のような作業をするまでもなく金融機関などのサブプライムローンの損失はほぼ公表され、損失の最大値は確定されつつあります。
問題は、今後起こることが予想されるサブプライム問題の「負の連鎖」であると思います。これは、個々の企業の業績はのみでは測ることができない、経済が生き物であるがゆえの怖さです。
誰も予測することはできません・・・

2008年5月15日
公認会計士 築山 哲


2008年3月期決算
(想定の範囲内)

間もなく2008年3月期の決算発表のシーズンです。一事業年度の決算数値は、その期間中に起こった企業内外の様々な出来事に左右されます。

(1)米国発のサブプライムローン問題
マネーゲームに現(うつつ)を抜かしたなれの果てです。損失の多くは欧米の金融機関が被っていますが、わが国の金融機関も少なからず損失を被っている模様です。この件で厄介なのは、損失の計算をするにあ たっての時価の算定が容易でないということです。サブプライムローンを証券化した商品は株式のように一般的な市場が存在しないからです。

(2)原油などの資源価格の上昇
現在のような高い価格水準もいずれは沈静化、というよりも暴落すると思います。原油や資源に無関係な企業など存在しません。仕入値や諸経費の上昇をもたらし利益を圧迫しています。製品価格への転嫁(値 上げ)の動きも出はじめていますが、すべての企業が転嫁できているわけではありません。

(3)株安
金融機関は当然として、事業会社でも株安が決算数値を圧迫しています。特に、最近では買収防衛策として復活の兆しがある「相互持合い株」の含み損失が裏目に出る企業が多いようです。

(4)円高
いわゆる輸出産業は大打撃です。この一年間で円相場は1ドル=120円から1ドル100円前後となりました。ドルでの輸出額が昨年と同じであっても円に換算した輸出額(企業の売上高)は約83%(100ドル÷1 20ドル)に減少するということです。

多くの人にとって2008年3月期決算の数値はすでに想定できていると思います。また、2009年3月期についても覚悟はできていることでしょう。日本の国も随分と強くなったものです。

2008年4月11日
公認会計士 築山 哲


内部統制、四半期決算、リース会計
(目先の業績に一喜一憂せずに・・・)

この4月から上場企業の会計制度が大きく変わり、企業の業績がより正確にしかもタイムリーに公表されることになります。大変好ましいことです。

(1)内部統制
各企業は正確な決算を行うための社内体制を確立しそれが有効に運用されているかについて自らチェックしその結果を公表するとともに、この一連のプロセスについて公認会計士(監査法人)の監査を受けなけ ればなりません。2000年前後から始まった会計制度改革の集大成とでも呼ぶべき制度の実施です。正確な決算作業を全社挙げて取り組まなければならないということです。

(2)四半期決算
年2回(中間と年度末)の決算の開示では、激変する企業の状況をタイムリーに伝えるには機会があまりにも少なすぎます。そこで、四半期決算が制度化されました。そして、この四半期決算については公認会計 士(監査法人)の監査(厳密にはレヴュー)も実施されます。(すでに2004年4月から証券取引所の規則で簡易な方法での四半期決算は行われていました。)

(3)リース会計
リース取引(ただしファイナンス・リースとして分類されるもの)の対象となっている資産を、資産を買い取った場合と同じように処理しなければならなくなりました。リースの実質は特定の資産の購入を目的とした資金 調達の手段です。つまり、リースを活用する企業はリース資産の購入代金相当を借りているということです。これを、この実態に即して会計処理するということです。(以上の説明は借手の会計処理に限定していま す。)

昨年8月からの米国サブプライムローン問題に端を発した世界の証券金融市場の混乱は収まる気配がありません。現在はかつてのように企業価値だとか株主還元だとか企業の財務数値のみに偏重した論理だ けが通用する時代ではありません。企業経営者や投資家(特に巨大ファンドの運営者)には目先の業績のみを判断の基準とした短絡的な行動をしないことを望みたいです。

208年3月19日
公認会計士 築山 哲


ICカードリーダを街頭で配ってみては?
(電子申告控除もいいかもしれませんが・・・)

今年も確定申告の時期がやってまいりました。
国税庁は昨年以上に電子申告、e−Taxの普及に躍起になっています。

電子申告(e−Tax)と聞けば難しく感じるかもしれませんが、要するに税務申告書を作成するための「サイト」や「ソフト」のことです。このサイトやソフトは「無料で」、「誰もが」操作することができます(ソフトはダウン ロードできます)。
操作方法は簡単です。もっとも、あらゆるサイトやソフトに作者の個性が表れるように、当然このe−Taxにも「個性」や「クセ」はあります。しかし、ほんの数時間操作していると慣れます。

e−Taxで申告手続を「完了」するには、「公的個人認証サービス」を使わなければなりません。
その第一歩は住所地の市区町村で電子証明書の発行を受けるということです。手数料は500円で、証明書としてICカードが発行されます。ICカードの有効期限は3年です。
次に、パソコンにICカードを読み取らせるための「ICカードリーダ」が必要です。5千円程度で購入できます。設定に若干てこずるかもしれませんが、パソコンのセットアップやメンテナンスを自身でしている人ならば 十分できます。

パソコンがそれなりに使える人が電子申告を使う環境は完全に整っています。あとは、「ICカードリーダ」だけです!
ICカードリーダの購入費用の補助として「電子申告控除(電子証明書等特別控除)5千円」があるかもしれませんが、これは電子申告に成功した場合だけです。当然、多くの人が二の足を踏んでしまいます。

かつて、ソフトバンクは「Yahoo!BB」(ADSL回線)を普及させるために料金を引き下げると共に街頭でモデムを配りました。
それと同じように、電子申告を本格的に普及させるためには街頭でICカードリーダを配る必要があるのではないでしょうか!?

【参考】公的個人認証サービスポータルサイト
http://www.jpki.go.jp/index.html

2008年2月9日
公認会計士 築山 哲


所得税から差し引けない住宅借入金等特別控除は地方税から差し引けます。
(地方の自立的な課税が必要では・・・)

平成19年の年末調整も終わり、会社から各従業員に源泉徴収票の交付がされていると思います。
年末調整で住宅借入金等特別控除をした人の中に年間の所得税額がゼロで、毎月の給料から源泉徴収された所得税が全額還付されるという現象が多発しています。

この原因は、昨年行われた国から地方への税源移譲です。昨年の1月から所得税(国税)の税率が下がり、6月からは住民税の税率が上がりました。このことから多くの人は所得税の額が減り、結果として年末調 整で住宅借入金等特別控除が全額できないという事態が生じたのです。

それにしても、地方が労せずして税収を増やしていることには憤りを感じます。
多くの地方税(法人や個人に課税される住民税や消費税の地方税部分など)は国税の計算の結果としてほぼ自動的に課税されます。また、税額の計算の基礎が正しいことを確認するのは国の機関である税務署 であり、この危険な作業(税務調査)を地方は一切する必要がありません。

前述した所得税から差し引けない住宅借入金等特別控除は地方税から差し引くことができます。この手続は、個々人が市町村役所にいかなければできません。(事業所得者や不動産所得者もこの手続が必要で す。)
地方は、いつの間にか取り分を増やしているくせに、返す際には面倒な手続を住民に求めているということです。
本当に腹が立ちますよ!

【参考】総務省のサイト
http://www.soumu.go.jp/czaisei/czaisei_seido/gengakusochi_1.html#1

2008年1月7日
公認会計士 築山 哲



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公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)



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