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最近の話題(4)
大手企業の業績が好調です。
しかし、大手企業と呼ばれる企業とその従業員はほんの一握りにすぎません。いわば日本代
表です。
オリンピックなどスポーツの世界大会での成績は、その国全体のその競技のレベルを表すと
いわれます。つまり、代表のレベルが高ければ底辺のレベルも高いということです。
「中小零細企業は景気回復には程遠い・・・」とよくいわれます。しかし、頂点がレベルアップし
ていけば、やがては底辺のレベルもアップするはずです。
ひがむのはやめて、大手企業を応援しておくのがよいのではないでしょうか。
2005年12月13日
公認会計士 築山 哲
最近、何かとM&Aが議論の対象となります。議論の多くは「あいつは金の力で・・・」、「勝手に
知らぬ間に・・・」など、M&Aの対象である企業の経営者、従業員、顧客などの心情を踏みに じる行為の是非とM&Aに対する法的な規制のあり方に集中しています。
しかし、そう騒ぎ立てることはないと思います。ある企業が買収されても新たな株主と経営陣が
従来の経営方針を踏襲あるいは尊重すれば、買収された企業の従業員や顧客には一切の影 響が及びません。つまり、企業の所有者が代わるだけであり、それは賃貸マンションの所有者 が代わっても住人の生活に一切の影響がないのと同じです。
M&Aの利便性や効果を忘れてはならないと思います。
●過当競争で価格下落に歯止めがかからない業界の再編
競争は必要でしょうが、過当な競争が弊害を生むこともあります。行き過ぎたコスト削減による
商品やサービスの粗雑化、誇大な広告による消費者の誤認、強引かつ違法なセールスなどは その典型です。
●適当な経営者が見つからない企業あるいはその一部門の継続と繁栄
現株主がこれ以上の資金提供もしないし、有能な経営陣を探そうともしないことほど従業員や
顧客にとって不幸なことはありません。
これらの解決策として、M&Aは大変利便性があり効果を発揮すると思います。証券市場を通
して株さえ取得すればよいのですから。
2005年11月15日
公認会計士 築山 哲
去る9月11日の衆議院選挙では自民党が圧勝しました。「構造改革」という大変シンプルでわ
かりやすいスローガンが、長引く不況からの閉塞感の打開策を願う民意にマッチしたのでしょ う。
いうまでもなく、構造改革の本丸は郵政民営化であります。現在の郵政事業が民業を圧迫し自
由な競争を阻害していること、郵便貯金として集められた資金がいわゆる財政投融資として無 用な特殊法人に流れていることは誰もが知ることです。
いわゆる政府系金融機関とよばれるものがあります。中小零細企業にとっては政府系金融機
関の中では、「国金(国民生活金融公庫)」、「商工中金」、「中小公庫(中小企業金融公庫)」に 馴染みがあると思います。意外に知られていませんが、これらは郵政の「融資事業」にほかな りません。いずれも民間金融機関と比較して無担保や低金利など融資の条件が大変魅力的で す。「まずは、代表者以外の保証人も担保も不要な『国金』」、「自社ビルや工場を建設するな ら『中小公庫』」。中小零細企業が健全に発展するための鉄則とされています。
郵政民営化が政府系金融機関に重大な影響を及ぼすことは必至でしょう。
民営化後も、現在の国金や中小公庫は存続しているのでしょうか?国金や中小公庫に替るも
のは出現するのでしょうか?
まだまだ、痛みが続きそうです。
2005年10月12日
公認会計士 築山 哲
大手アパレルメーカーのワールドが、株式を非公開とすることを決定し話題を呼んでいます。
公開会社とは、その株式を証券取引所などの証券市場で広く一般の人同士がいつでも自由に
売買できる会社のことをいいます。公開会社は、証券市場を通して多額の資金調達が可能な 反面、企業内容の開示や企業統治などの様々な義務を負います。また、誰でも株主となれる ことから、今年の初頭に世間をにぎわしたニッポン放送のように企業買収の標的にされてしま うことがあります。
ワールドの寺井社長によれば、「短期の業績評価に左右されず、長期の視点に立って取り組
むために非公開化を決断した」とのことです。
「企業内容の公開というけれども、結局あいつら(投機目的の株主)が知りたいのは自分だけ
が儲けるための情報ではないか!」
「資金に余裕さえあれば、あんな奴ら(投機目的の株主)に頭をペコペコ下げる必要などな
い!」
公開会社の経営者の本音だと思います。
先般、会社法が抜本的に改正されました。改正会社法においては、会社を公開会社と非公開
会社に分類しています。ここでの公開会社とは、「株式を自由に譲渡できる会社」のことであ り、証券市場での譲渡の可否を意味するのではありません。
会社は多数の出資者(株主)から資金を集めることが本質的な姿で、その資金を集める場所
はなにも証券市場に限られないはずです。
●公開会社(株式を自由に譲渡できる会社)であるけれども、証券市場とは関わらない
●非公開会社(株式を自由に譲渡できない会社)であるけれども、必要に応じて新たな株主を
増やす
本来の会社の姿なのかもしれません。
賭場と化した証券市場の片棒を担ぐ会社のことを、真の公開会社(社会的責任を果たす開か
れた会社)と呼べるのでしょうか?
2005年9月5日
公認会計士 築山 哲
8月1日より、国税庁のホームページで税金ガイドの動画配信が開始されました。
第1回のテーマは「所得税のしくみ」で、所得税を納めなければならない人や所得の計算方法
について、給与所得者、事業所得者、年金受給者に分けて大変わかりやすく解説しています。
現在、国税庁のホームページを始めとして数多くの税金関連サイトがありますが、そのほとん
どが文字や図による説明が中心で、動画や音声による情報はほとんどないと思います。
物事を理解するには、「読む」、「見る」、「聞く」などを適当に組み合わさなければなりません。
暑い日が続いております。文字を読むのは大変疲れます。一度、ご覧になってはいかがでしょ うか。
2005年8月11日
公認会計士 築山 哲
給与所得控除が縮小される方向に進んでいます。
●給与所得控除の性質
給与所得控除とは、所得税の計算において給与所得(サラリーマン=会社の役員や従業員の
給料)から差し引く、いわばサラリーマンの必要経費と呼ぶものであります。現行の給与所得 控除の額(いわゆる給与総額の約30%)と実額との乖離があったとしても、すべての給与所 得者に同一の基準で適用されているのであれば、それでかまわないのではないでしょうか。
●サラリーマンいじめ
はたして、サラリーマンの全てが弱者なのでしょうか?
一部企業や官庁を見るにつけて、いまだに「サラリーマンは気楽な稼業・・・」といえる場合が
多々あります。取れるべきサラリーマンからは、「もっと!」取るべきではないでしょうか。
最近では、「『うだつのあがらない』サラリーマン」に「さえ」なれない人が増えているのですか
ら。
会社をリストラされた非自発的自営業者が増えています。サラリーマンになれない若者も増え
ています。
●改正会社法
先日成立した改正会社法では、新規開業者が会社形態を選択しやすくなるように、最低資本
金規制が撤廃されました。どんな零細会社の代表者であっても、税の計算においては給与所 得者です。
「会社を設立すると、個人事業者では課税の対象となっていた『事業所得』が役員報酬という
『給与所得』となり、そこから『給与所得控除』を差し引けるので、その分節税になる」
会社設立の節税メリットの典型です。
給与所得控除の縮小が、せっかくの改正会社法に水を差すことはいうまでもないことです。
2005年7月7日
公認会計士 築山 哲
周知のように、昨年4月1日以降開始する事業年度(消費税の場合には課税期間)より消費税
の課税事業者の範囲が拡大されました。3月決算の会社の場合、今年の決算(3月末終了5 月末申告)において新たに課税事業者となった会社が続出しています。課税事業者が従来の 課税売上高3000万円以上から1000万円以上に引き下げられたことから当然です。
消費税の課税事業者の範囲が拡大された背景はともかくとして、政府および課税当局としては
このチャンス(?)を無駄にしてはなりません。現在、大阪国税局管内の税務署は次のような施 策を推進している模様です。
(1)各納税者に「消費税課税事業者届出書」(課税事業者に該当するようになれば提出が必
要)の用紙を送付している(送付後、税務署が到着の有無について確認の電話をしていること もあります)
(2)各納税者(あるいはその関与税理士)に課税期間終了後(3月決算の場合には4月1日以
降)納期限(3月決算の場合には5月末)までに申告書提出と納税を促すための電話をしてい る
(注)このような事実を確認できたのは当事務所の関与先の一部であることをお断りしておきます。しかし、他の納税
者(当事務所の関与先以外)にも同様のことが行われているようです。
なお、(1)のような方法(期限までにあらかじめ申告書などを送付する)は、譲渡所得(土地建物等を売却した場合)
や相続の際には行われていますが、基本的には例外的なことであります。会社を設立し初年度が終了しても、設立 届けを提出していなければ税務署は申告書の用紙を送付してきません(当然、設立届けも送付されてきません)。各 種の特例(税額が少なくなる)は自らが選択し申告などをしなければなりません。
法律的に、上記(1)(2)はいずれも税務署の義務ではありません。
法律的には届出書の提出、申告・納税はいずれも納税者の義務です。この納税者の義務は
自主的に果たさなければなりません。当然、義務を果たさなかった場合に、「税務署から連絡 がなかったから」との納税者の言い訳は通用しません。
課税当局の消費税にかける意気込み、そして、納税者に対する誠意(納税者が知らなかった
では申し訳ない)はわからないでもありません。しかし、このような事態(税務署の指示にしたが って納税者が申告・納税する)は、消費税のみならず多くの税において自主申告を基本として いる我が国税制の理念を逸脱、ひいては理念を崩壊させてしまうことになると思います。
今後、何かにつけて「あのとき(消費税課税のとき)は連絡があったのに」と言い訳する納税者
が現れるでしょう。消費税が課税されるのは事業者です。事業が自己責任であることはいうま でもないことです。「自身が消費税の課税事業者であるかどうか」を判定することは、事業者と しては当然ではないでしょうか。
2005年6月4日
公認会計士 築山 哲
JR西日本への厳しい責任追及が続いています。平均的な責任追及論は「乗客数拡大のため
の過密ダイヤと安全性を忘れたスピードアップ」、「ダイヤ維持のための運転士への威圧」に要 約されると思います。しかし、営利追求のため可能な限り運転本数を増やす、差別化のために スピードをセールスポイントとする、厳しい社員教育を行うことは、JR西日本が民間企業であ る以上当然のことであると思います。
現在、消費者のニーズは「安い」、「早い」が重要な要素となっていることは疑う余地もないこと
であります。同一(類似)の商品が他社よりも少しでも高ければ、少しでも遅ければもはや顧客 は見向きもしません。デフレ経済の下、多くの消費者は収入の減少あるいは収入が減少する 可能性に見舞われています。コスト削減(価格を下げる)にはスピードアップが不可欠です。ま た、情報技術の発展の結果として多くの消費者はスピードに慣れきっています。消費者が「安 い」、「早い」を求めるのは当然のことです。
今回のJR脱線事故が、あらゆる産業が供給する商品やサービスに「安全」を求める契機にな
ることは必至です。「安全」を求めれば、価格あるいはスピードが犠牲となることが通常です。
顧客の「安い」、「早い」を求める姿勢が変化することはありえないでしょう。せっかく業績が上
向いてきた日本企業にとって、大変な課題が突きつけられたことになりました。
2005年5月17日
公認会計士 築山 哲
ライブドアによるニッポン放送買収が様々な議論を呼んでいます。
そう簡単に結論は出ないと思います。なぜならば、会社という概念自体が様々に定義されるか
らです。
「株主の出資した資金が運用途上にあるもの」
「経営者の支配の下に動く財産と人」
「人々の職場」
「社会に必要な商品を供給する」
「会社は○○のもの。だから、会社は○○の思いのままに動かせる」ではなく、「○○の権利と
義務は?」という議論が必要ではないでしょうか。
2005年3月期から増配する会社が目立ちます。いわゆる敵対的買収に備えて安定株主を確
保するためです。配当の財源である利益は次のとおりに計算されます。
「1年間の収益(本業の収入である売上高が主なもの)−1年間の費用(仕入代金や人件費な
ど)」(会社についての規定を設けている商法上は1年間の利益がなくとも、過去に一定の利益 を上げていれば配当をすることができます。)
上記の費用の中には役員や従業員の給与、税金なども含めて差し引かれていることから利益
は全額株主のものであると考えることができます。しかし、我が国の会社の配当は極めて少額 であり、利益を社内に留保し会社の基盤を強固にしているのが実情です。これは、株主軽視で あるとも考えられますが、会社が単なる株主の所有物を超えた存在であることの表れでもあり ます。
敵対的買収に備えて各公開会社が動き始めています。手法は様々ですが、中には潔く上場を
廃止する(どこかの完全子会社になるなどして)会社もあるようです。
ここで今一度考え直さなければならないのは、「株式を公開するということ」、「株式市場とは」、
「株価とは」ではないかと思います。
賭場と化した株式市場で株式を取得した者を、「会社のオーナー、会社を自由にできる」と考え
ることはとてもできません。かといって、株式市場を利用して資金を首尾よく調達した会社が、 株式市場の相方である株主を軽視することは許されません。
我が国の公開会社の何割が、公開会社であることの意味があるのでしょうか?
2005年4月12日
公認会計士 築山 哲
またしても、ライブドア(堀江氏)が話題を提供してくれました。
いうまでもなく株主は会社のオーナーであり、会社の重要事項は株主の合議の場である株主
総会で決定されます。株主総会は民主主義のルールに則って多数決により決議がなされま す。しかし、株主総会における多数決は、国会などのように一人が一つの議決権を持つので はなく、保有する株式数に応じて議決権を持ちます。(10万株を保有する株主よりも、100万 株を保有する株主のほうが多くの議決権を持つということです。)つまり、会社においては資金 力のある者の意見が尊重されるということです。誰が会社の重大な意思決定を左右するか(大 株主が誰であるか)が、会社を取り巻く人々に重大な影響を及ぼすことはいうまでもないことで す。
一言に株主といっても、会社経営者の立場からすれば、次のとおりに分類されるのではないで
しょうか。
(1)創業当初に資金提供してくれた株主
(2)事業拡大あるいは窮地の際に資金提供してくれた株主
(3)証券市場を通しての株主
(1)と(2)の株主は会社経営者にとって「神様・仏様」であり、会社経営者によっては醜いまで
にこれらの株主に媚びることもあります。(3)の株主は、公開会社(証券取引所などで株式の 売買ができる会社)特有の株主です。公開会社においては、株主が証券市場を通して頻繁に 入れ替わります。なお、(3)の株主の前株主は(1)と(2)であることが通常です。
(1)と(2)の株主は、膨大なキャピタルゲインや高配当を享受していることが通常であり、会社
としても十分な恩返しをしています。
我が国の会社経営者の多くは、(3)の株主を軽視する傾向にあります。多くの公開会社が株
主総会の日時を申し合わせたように同一としている(株主の総会への出席を阻んでいる)、諸 外国と比較して配当性向(利益に対する配当の割合)が低いことなどがこれを物語っていま す。
(3)の株主は、いわば選挙における無党派層と同じです。これを軽視する会社は、今回のニッ
ポン放送のようなる可能性が大いにあることはいうまでもないことです。
堀江氏が実際にそのように考えているかはともかくとして、資本主義社会の原動力である会社
をこのような論理で自由に操ることができるのは事実です。
ここ数年の株式市場を活用した資本主義社会の変革は目覚しいものがあります。ストックオプ
ション、株式交換・移転、合併・分割など、株式市場あってこそ今日の激変があります。株式市 場の最強兵器は今回のような買収です。これは、資本主義社会においては当然認められるこ とであり、ここ数年、「経済のグローバル化」、「自由競争」などと叫び、資本主義社会の利器を 用いて情け容赦ない行動に出てきた我が国の会社経営者は、当然これを認めなければなりま せん。
今回の件で、反対論を叫んだ一部の会社経営者達を、不愉快に思った庶民は少なくないので
はないでしょうか。
資本主義社会は大変素晴らしい社会です。マイクロソフト、ソニー、松下、そしてライブドア、資
本主義社会ならではのサクセスストーリーは多数あります。しかし、資本主義社会は必然的に 弱者(敗者)を生みます。歴史上、「とにかく強ければ勝つ」、「強ければ何をしてもよい」という 論理がまかり通る社会が永続したことはありません。
資本主義社会における最高位の職業である会社経営者にはより崇高なモラルが要求されると
ともに、資本主義社会の歪を是正するための法整備も必要ではないでしょうか。
ネットの最大の利点は、マスコミが相手にしないような者でも情報を発信できるということです。
しかし、ネット関連業者の多くは低収益に喘いでいます。一方、マスコミは独占的に業務を行い
膨大な収益を得ています。
資本主義社会においてこのような例外が認められているのはなぜでしょうか?
両者は融合できるのでしょうか(融合すべきなのでしょうか)?
2005年3月5日
公認会計士 築山 哲
このほど、大阪国税局が大阪市のヤミ給与問題に関して税務調査を行ったと報じられていま
す。
会社員や公務員など、いわゆるサラリーマンの受け取る給与(月給やボーナス)は「給与所得」
と呼ばれ、それを受け取る際に所得税が源泉徴収(天引き)されます(給与を支払う会社など に所得税を源泉徴収する義務があります)。
給与所得には、現金で支給されるもののほか、食事などの現物給与やその他の経済的な利
益一切が含まれます。現金で支給される給与については、ほとんどの会社などが正確に源泉 徴収をしていますが、それ以外については無知から源泉徴収をしていないことがしばしばあり ます。(悪質なケースとしては、源泉徴収義務を逃れるために、支給した事実を隠す、他の支 出として仮装していることもあります。その背景には源泉徴収の煩わしさから逃れたい会社な どと、少しでも課税されたくない従業員の利害の一致があることが通常です。)
「何が給与所得であるか?」については、大変難しい判断が伴うことがあります。先日、いわゆ
るストックオプションによって得た利得が、給与所得であるとされた最高裁の判決がこれを物 語っています。
今回の大阪市のヤミ給与の内容は、報じられている限りでは、「『個人』年金保険の保険料の
負担」、「『私生活』でも使用できるスーツの支給」です。これらは、本来ならば各職員が給与を 受け取り=源泉徴収され、その後に個人的に負担すべきもので、これを大阪市が現物で支給 したならば給与所得に該当することが明らかであると思われます(支給された経路はやや複雑 なようです)。
今回の件は、大阪市の給与規程上は「ヤミ」かもしれませんが、課税上は「オモテ」ではないで
しょうか・・・・・
【追加説明】
今回の件が給与所得に該当し、大阪市が源泉徴収をしていない場合には、大阪市に源泉所
得税を納付する義務があります。職員は大阪市からの請求により、大阪市に対して源泉所得 税を支払わなければなりません。
ヤミ給与分を「返還する(すべき)」と一部で報じられていますが、この場合には事情は変わっ
てくると思います。返還すれば、職員は利得を得たことにはならないので課税問題は生じない でしょうが、そうであっても大阪市はいったん源泉所得税を納付し、厳格な手続の後に還付を 受けることになると思います(国税局は返還の事実を相当厳格に確かめるでしょう)。これは、 ヤミ給与をいわば「貸付金」として処理するということです。しかし、一般企業で代表者などの私 的費用を会社が負担した場合(当然、課税対象)、「返すから課税しないでくれ!!」と叫んで も、税務署は認めてくれないことが通常です。(税務署は「これ以上悪あがきするなら最終的な 手段に出るぞ!!」と出てきます。)
2005年2月2日
公認会計士 築山 哲
年初には、あらゆる分野でその年の予想が話題になります。
そこで、「予想」というほどのものではありませんが、会計事務所として年初にお伝えしておかな
ければならないことを書き並べてみたいと思います。
●増税
昨年の配偶者特別控除の縮小に始まり、今年は定率減税の縮小(予定)、老年者控除の廃止
(決定)と、所得税の増税路線により一層拍車がかかりそうです。
●消費税の納付
昨年4月以降開始の課税期間から、消費税の免税事業者の範囲が大幅に縮小されました。3
月決算の会社で新たに課税事業者となった場合には、この5月末が最初の納付となります。
●改正会社法・その1(会社制度が変わる)
会社法の抜本的見直しが実現する見通しです。施行は平成18年の見込みですが、「有限会
社制度の廃止(株式会社制度との統合)」(ただし、従来からの有限会社はそのまま活動でき ます)、「最低資本金制度の廃止」、「機関設計の多様化(最低役員数の撤廃など)」、「合同会 社制度の創設」など、我が国のあらゆる企業に影響を及ぼすことは必至です。
●改正会社法・その2(業界再編に拍車)
改正会社法では、外国企業の日本企業に対するM&A(合併・買収による業界再編)が株式交
換などによって容易になる予定です。業界再編が「台風」となることは、誰もがここ数年で経験 してきたことです。
●減損処理
減損処理とは、収益力を失い保有していても今後損失しかもたらさない固定資産(工場や店舗
など)の帳簿価額を減額することです(早期に損失処理することです)。今年は、減損処理によ る多額の損失を計上する上場企業がより一層増えることでしょう。「多額の損失計上の後には リストラ!!」、いまさらいうまでもないことです。
中小零細企業にとって、予想される範囲では明るい話題などひとつもありません。
会計事務所としては、お客様が「そんなことは知らなかった」とならないように、有用な情報をタ
イムリーかつ正確に提供していく必要があると思います。
2005年1月5日
公認会計士 築山 哲
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