築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)

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SOHOの経理
(内容)2014年7月18日現在

1.うちのような小さいところは経理も適当でよい(甘えは禁物)

経理(日常の記帳、決算・申告)についての法律(会社法や税法など)では、小規模な事業者(SOHO)だからといって粗雑さを許容しているわけではありません。事業者である以上 は、規模の大小に関わりなく経理についての法律を守らなければならないのです。

(注)消費税における簡易課税など、一部簡略な扱いが認められていますが、記帳や領収書の保存は不要などといったことは一切ありません。

2.将来の事業拡大に備えて

事業が拡大すれば取引量(お金の動き)が増え経理業務の量も増えます。また、取引内容も複雑多様化し、経理処理に窮することもあります。今はSOHOでも将来は事業の拡大 をお考えの場合には、将来に備えておく必要があります。当然、創業期から会計事務所へ依頼しておく必要があります。

3.事業規模を拡大するつもりはない(拡大できそうにない)

取引量(お金の動き)は少なく、取引内容も比較的単純(ワンパターン)なので経理業務も比較的簡単です。このような場合には会計事務所に依頼しないのが一般的です。しかし、 多くのSOHOにいえるのは経理業務に割ける時間が少ないということです。

●得意先が特定されており(場合によっては一つ)、その得意先にスケジュールを全面的に合わさなければならないので、経理業務に必要な時間(毎日、毎週などの一定時間)が 割けない。
●小口の得意先を積み上げているので(ネットビジネスなど)極めて忙しく、経理業務に必要な時間が割けない。

SOHOの実情です。当然、経理業務が滞ります。会計事務所というペースメーカーが必要ではないでしょうか。

《会計事務所はSOHOの情報窓口兼相談相手?》
SOHOは孤立しがちです。特に、「自宅兼事務所」の場合にはこれに拍車を掛けてしまいます。会計事務所には、その業務を通して様々な情報が集まります。孤立しがちなSOHO にとってはよき情報窓口兼相談相手となるのではないでしょうか?

4.会社か個人事業者か(事業を拡大すべきか)

大変悩む問題だと思います。最近の傾向として、あまりにも規模の小さい事業者への発注は減少傾向にあるということです。とりわけ大手企業の場合は、外注先を法人(会社)に限 定していることがあります。あまりにも外注先が多いとその発注管理が煩雑となるからです。つまり、SOHOの系列化が進んでおり、まずはSOHOの元締的存在(法人形態が条 件)に発注し、そこからさらに個人のSOHOに発注しているようです。(会社と個人の経理上の違いは「個人事業者の経理」をご覧ください。)

5.財務会計ソフトを導入すべきか

多くのSOHOは財務会計ソフトを使用しています。しかし、時流に流されて、あるいは会計事務所報酬の削減のみを目的として財務会計ソフトを導入することは感心できません。な ぜならば、財務会計ソフトを使いこなすには(財務会計ソフトで作成された試算表や総勘定元帳の意味を理解するには)簿記会計の知識が必要であり、必要な知識を一朝一夕に習 得するのは容易でないからです。財務会計ソフトを使用しているSOHOの多くは、不十分・不正確な、ある意味で独りよがりな記帳、決算・申告をしています。(財務会計ソフトの詳 細は「財務会計ソフトの導入と運用」をご覧ください。)

《財務会計ソフトメーカーのサポート》
サポートの内容はソフトの操作方法のみとなります。つまり、経理的判断の適否(ある支出が費用になるかどうか、どの勘定科目になるかなど)は度外視し、その経理的判断で入力 する方法についてのサポートをしてくれるだけです。ほとんどの会計ソフトは数万円です。さらに、多くのユーザー(特にSOHO)は有料保守契約をしません。これで、立ち入った(経 理的判断まで踏み込んだ)サポートなどできるはずはありません。

6.経理の勉強をしてみる

無駄だと思います。いまさら(大人になってから)経理の勉強などしても、それで食えるようにはならないからです。会計事務所報酬は減るかもしれませんが、経理の勉強により失う 収益機会のほうがはるかに多いと思います。「暇だから自分で経理をやる」、事業としては危険な兆候ではないでしょうか。

《会計は経営者の必須科目?》
2000年代前半の会計ブーム以降、経営者(起業する人)向けの会計本が多数出回っております。確かに経営者はある程度の会計知識が必要かもしれません。しかし、それよりも 必要なことは、信頼できる経理担当者や会計事務所を見つけ、経理業務についての報告を受け、その結果を「経営者的」(奥は深いです)に受け止めておくことです。

7.税務署にたずねる

様々な質問に応じてくれます。しかし、帳簿付けはしてくれません。「事業者は記帳しているのが当然」が、税務署が納税者(事業者)の相談に応じるに当たっての大前提です。


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公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)

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