築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)

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八百長?税務調査
税務調査について(その2)
(内容)2014年7月23日現在

税務調査が変わった?

≪八百長?税務調査(「税務署に対する顔」の真実)≫

(1)「すべて、私に任せてください」
(2)「後は、私に任せてください」
税務調査の際、税理士からそのように告げられ、うなずいたことはないでしょうか。

(1)について
ほとんどの納税者は、できれば税務署とは接触したくないと考えますし、経理や税務についてあまり知識がありません。税理士にすべてを任せたいのは人情でしょうが、あまり感心できません。たしかに、経理や税 務には専門的解釈や判断が伴います。しかし、税務調査において大切なのは専門的解釈や判断もさることながら、それの対象となる「事実関係」です。
裁判は、裁判官、検察官、弁護士だけでは成り立ちません。原告、被告、その他の人に出廷を求め、裁判の原因となっている「事実関係」を把握しない限り正しい判決は下せません。
税務調査も同じです。
「すべて私に有利なように解決してくれる」と信じていると、影で何をされているか分かりません。税務調査の主役は税務署と納税者であり、ある意味で税理士は両者の通訳と考えなければなりません。

(2)について
現場の調査がひととおり終了したならば、調査官は発見された問題点を納税者と税理士に告げるのが通常です。この問題点の中には、
「修正が決定的な事項」
「修正するかどうか税務署内での再検討が必要な事項(場合によっては修正を伴わない指導的事項)」
の二種類があります。
税理士によっては、両者の区別を納税者に説明せず、後日の税務署との折衝に一人で赴き、後者が取り消されたことを「手柄」とする場合があります。
くれぐれもご注意ください。

税理士の多くが税務署OBです。そんなことから、わが国では、「納める税金はお上(税務署)と先生(税理士)が決めるもの」との偏見が根強く残っています。また、税務当局、納税者、税理士(税務についての代理 を行う者)の法的関係について未整備の面があります。納税者をないがしろにして、「密室」で税務調査の結果が決まるのは明らかにおかしいことです。

ただし、今後、制度がどのように変わっていこうとも、納得できる税務調査(追徴課税されないという意味ではありません)は、納税者の「正確な事実認定を受けるという意識」と「正確な事実認定を受けるための正 確な資料(帳簿とその関連資料)の用意」なくしてありえないことに変わりはないでしょう。
当然、納税者側にこれらが備わっていれば、税務署は適法で誠実な税務調査を行います。

≪訴えてやる(調査の結果に納得できない)≫

税務調査の結末は次のとおりです。

(1)修正申告書の提出(無申告で調査が行われた場合は申告書の提出)
税務調査の結果、当初申告税額が増加するような事項が発見された場合には、税務署は納税者に修正申告をするように促します。なお、ここで注意しなければならないのは、修正申告はあくまでも「納税者の意 思」に基づき「自主的に」行うということです。税務署の指摘事項に納得できない場合(税務署の税法解釈や事実認定に納得できない場合)は、安易に修正申告する必要はありません。
まれにあることなのですが、本来は納税者が作成すべき修正申告書を税務署が作成し「これに判を押してください」といわれ、納税者がそれに判を押し調査が終了してしまうということです。これは、税務署の指摘 事項が税法解釈と事実認定において明らかに正しい場合には、「悪あがきする納税者」に対してのやむを得ない手段かもしれません。
しかし、修正申告をしてしまうと税務調査は終了してしまいます。(もはや、指摘事項について争うことができません。)
「これに判を押してください」に対して、盲従してはいけません。

(2)更正(無申告で調査が行われた場合は決定が行われます)
納税者が正当な税務署の指摘事項に納得せず、どうしても修正申告しない場合に行われる方法です。税務署長が、調査の結果に基づき本来納付すべき税額を算出しそれを納税者に通知します。

(3)不服申立て
更正(決定)の内容に不服がある場合の手段です。税務調査を行った税務署に行う「異議申立て」、国税不服審判所(税務署とは独立した国家機関)に行う「審査請求」があります。通常は、審査請求に先立ち異議 申立てを行いますが、異議申立てを経ずに審査請求できる場合もあります。

(4)訴訟
不服申立ての結果に納得できない場合は、いよいよ訴訟となります。



≪税務訴訟の実際≫

ほとんどの税務調査が、納税者の自主的な申告書提出で決着しています。不服申立てや訴訟の件数は極めて少なく、さらに納税者の主張が認められるのは10%程度にすぎません。
これは次の理由によります。

(1)証拠不足
税額の算出は客観的な証拠に基づき行う必要があります。しかし、調査対象とされる納税者(過少申告の疑いのある納税者)の一般的傾向として、証拠の作成と保存、証拠の税務署への提示に消極的です。当然 のこととして、明瞭な書面が必要となる不服申立てや訴訟に持ち込んでも納税者に勝ち目はありません。

(2)納税者側が明らかに税法に反している
税務調査は申告内容に疑義のある納税者に重点的に行われる傾向にあります。多くの場合、税務署の着眼点はあたっており、明らかな(もはや争うことのできない)税法違反が発見されているのが実情です。

(3)わが国の風土
「訴訟を嫌う」のは税に限ったことではありません。

(4)税理士という調整役
税務は専門技術的ゆえに、わが国には税理士という専門国家資格があります。税務調査においては税理士が、納税者と税務署の調整役としての機能を果たし、修正申告で決着がついている(双方が歩み寄って いる)のが実情です。

(5)税務訴訟専門家の不足
税務訴訟の代理人は弁護士に限られます。税理士は税務訴訟の代理人とはなれません(補佐人としての出廷は認められます)。しかし、税務訴訟を数多く手がけている弁護士の数が少ないのが実情です。

≪違法な税務調査≫

残念ながら、ごくまれにあります。よく問題となるのは「税務調査の手法」と「納税者の調査の拒否」です。具体的には「事前通知の要否」、「調査理由についての説明」、「調査の範囲(場所)や日時」などです。
これらについては状況により解釈が異なるでしょうし、さらにはわが国の最高法規である憲法の解釈からスタートしなければならない大変奥深い問題です。かといって、無条件に税務署の指示に従う必要はなく、疑 問点は税務署に遠慮なく質問してみることです。

≪税務調査の一般的手順(事業者の場合)≫
(査察の調査はこれとは異なります。)

(1)調査日時と場所についての電話連絡
ほとんどの場合、調査の1〜3週間前に事前連絡があります。税務署が日程を告げますが、都合の悪い場合には変更してもらえます。なお、税理士に申告を依頼している場合には、まずは税理士に連絡がありま す。

(2)現場の調査
日数は事業規模・内容などにもよりますが、いわゆる中小零細企業の場合は2日程度が一般的です。その手順は次のとおりです。
・代表者への事業概況の聴取(1時間程度)
・帳簿類(領収書、総勘定元帳、預金通帳など決算書作成の基となる資料)の検討(調査の大半)
・帳簿類についての代表者、税理士、経理担当者への質問(上記の過程で必要に応じて)

(3)発見事項についての説明
上記≪八百長?税務調査(「税務署に対する顔」の真実)≫をご覧ください。

(4)修正申告書の提出
上記≪訴えてやる≫(1)修正申告書の提出をご覧ください。

(5)追徴税額の納付
税務署所定の納付書で至急納付する必要があります。


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公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)


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