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築山公認会計士事務所(大阪市北区与力町1−5与力町パークビル7F)


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決算申告をしていない(廃業の基準)
(内容)2006年9月29日現在

理由は様々でしょうが、当然好ましいことではありません(違法なことです)。

無申告状態でいると、税務署をはじめとする税務関連役所から申告するようにと電話や書面
で再三にわたり催促があります。しかし、会計事務所との関係はすでに切れ決算申告作業が
できる経理担当者もいない場合には、とりあえず返事だけしておくしかありません。そして、再
度の催促に怯えながら過ごすこととなります。

一言に無申告といっても様々な状況が考えられます。状況に応じて対応も異なってきますの
で、以下では各状況に応じた対応方法を説明させていただきます。

≪事実上倒産(営業停止)の場合≫

1.会社の場合

会社は存在している限り(法務局に登記されている限り)決算申告を行う必要があり、申告期
日が近づくと税務関連役所から申告書の用紙が送られてきます。
まずは事実上倒産(営業停止)となった日付で、会社が休眠となった旨を税務関連役所に届け
る必要があります。以後、会社を「清算」するか「休眠」するかについては「会社から個人事業
者に変更したい」をご参照ください。なお、「清算」とは会社を消滅させてしまうことであり、「休
眠」とは会社を法的には存続させておきながら(登記は残しておきながら)一切の活動を停止
することです。

休眠するまでは会社が活動しているのですから通常どおり経理業務を行う必要があります。
これは一般的にいえることですが(決してご自身が楽できるように解釈しないでください)、営業
停止に至るような会社はどう転んでも課税されない状態であることが通常です。そのような場
合は、下記≪共通事項≫の【極めて粗雑な決算申告方法】でも目的は十分果たせるここと思
います。

2.個人事業者の場合

個人事業者は所得がない場合には申告する必要はありません。
明らかに所得がない場合の判断は、「よくある質問」の「日常の経理業務はどうすればよいの
か」の「個人事業者の経理」をご参照ください。

なお、税務署に事業を廃止した旨を届けておく必要があります。また、万が一の税務調査に備
えて「所得ゼロ」を証明できる諸資料(通帳、領収書など)は保管しておく必要があります。

≪大幅な業績不振(今後も営業は継続する)の場合≫

大幅な業績不振企業の共通点は、金融機関からの膨大な借入金を抱えもうこれ以上借りられ
ないということです。いうまでもなく融資の申し込みには決算書が必要です。しかし、これ以上
融資が受けられないことから決算申告を行う「動機付け」がなく、決算申告が滞っている場合
があります。

大変かもしれませんが、営業を続ける限りは決算申告は欠かせません。

1.会社の場合

金銭出納帳、売掛帳、買掛帳などの基礎資料を整備し、自社であるいは会計事務所などに依
頼して遅れを取り返すことです。場合によっては下記≪共通事項≫の【極めて粗雑な決算申告
方法】で急場をしのぐのも一法です。

なお、青色申告を選択している場合には、赤字を翌年度以降最長7期間にわたり繰り越せま
す(以後黒字が出た年度の利益からその赤字を差し引きできます)。そのためには申告が欠
かせません。

2.個人事業者の場合

おそらく、それなりの所得はあるかと思います。
その判断は、「日常の経理業務はどうすればよいのか」の「個人事業者の経理」をご参照くださ
い。

なお、会社の場合同様、青色申告を選択している場合は赤字を翌年度以降最長3年間(会社
の場合は7期間)繰り越せます(所得から過去の赤字を差し引きできます)。そのためには申
告(期限内申告に限ります)が欠かせません。

≪創業以来一度も決算申告をしていない場合≫

最近このようなケースが激増しています。
「申告書の書き方がわからなかった」、「税務署が何もいってこなかった」は言い訳にはなりま
せん。事業を開始したならば会社であれ個人事業者であれ、税務署へ届けなければなりませ
ん。この届けを怠っていれば税務署から申告書の用紙が送付されてきませんが、それは「申
告しなくてもよいです」という意味ではありません。

≪その他の場合≫

重い腰を持ち上げるしかありません。
「リストラの一環」、「政府や税務行政への不信感」はごもっともですが、残念ながら理由になり
ません。
会計事務所などに相談してください。

≪共通事項≫

【極めて粗雑な決算申告方法】
大変過激な言葉かもしれません。
決算書や申告書を「スケッチ感覚」で作成してしまうのです。当然、不正確な結果しか得ること
ができません。
しかし、無申告よりは「マシ」です。また、状況(特に逆立ちしても課税されない状態)によっては
大勢に影響ないかもしれません。

【帳簿類がない】
かなり重症です。通帳や存在する限りの領収書などで推定しながら進むしかありません。

【税務署の催促を無視し続けた場合】
やがて税務署が訪問してきます(会社の所在地や代表者の自宅に)。
その際は逃げずに対応することです。状況を正直に説明し、以後の処理についての予定を告
げることです。本当に倒産状態や大幅な業績不振の場合には手荒い扱いを受けることはあり
ません。ただし、それに応じた手続が必要ですので、それについては受け入れる必要がありま
す。

【税務署との交渉だけで済ませる】
申告がない場合に、税務署が調査をしその結果で税額を確定することを「決定」といいます。
源泉所得税については、給与台帳などを提出させそれを基に決定(厳密には告知)することが
あります。法人税、(事業所得者の)所得税、消費税については、あくまでも納税者に申告を促
してきますが、納税者が一向に申告する意思がない場合には決定します。

【期限後申告、期限後納付のペナルティ】
法人税、所得税、消費税については無申告加算税と延滞税が、源泉所得税については不納
付加算税と延滞税が課されます。

【源泉所得税と消費税】
たとえ倒産状態であっても源泉所得税や消費税の納税義務が発生することはあります。この
部分についてはそれ相応の処理が必要となります。
源泉所得税や消費税は預かったお金です。これを持ち逃げすることは許されません。

【税金の滞納】
税務署と正面から話し合うしかありません。
なお、最もよくないのは明らかに納税額があるのに無申告にしておくことです。この場合、税務
署は相当強行な手段に出てきます。特に、悪質な無申告の場合(事業で利益を得ていることを
意図的に隠している場合)、税務署は税務調査を行い事実関係を把握した後に刑事告発も検
討します。
まずは税額を確定し、納税については後日話し合うことです。

【会計事務所への協力依頼】
無申告は異常な状況です。正常に復帰した際にはしかるべき方法で経理をすることを約束し
協力を依頼するしかありません。
長らく決算申告していない会社が、正常な状態に復帰してからも「ズサンな経理」を継続するこ
とはよくあることです。税務署や会計事務所はそれを熟知していますので、口先だけの約束は
すぐに見破られてしまいます。

【融資が受けたい】
経理業務が正常化するまでは融資の申し込みは禁物です。なぜならば、決算申告がストップし
ている会社のほとんどが金融機関から見放された状態だからです。信用回復にあせりは禁物
です。なお、くれぐれも悪質な融資申し込み代行業者にはご注意ください。傷口を広げるだけで
す。

【破産その他の法的手続】
決算申告が滞っている会社のほとんどが膨大な負債を抱えているかと思います。どうにもなら
ない場合は、弁護士に依頼して法的手続(民事再生や破産など)を開始することです。なお、
租税債権(国や自治体が税金を徴収する権利)は相当強力です。租税債権をないがしろにし
て(無申告のまま)会社を消滅させることなどは不可能です。無申告者には「倒産する権利」さ
え与えられないのです。

【事業主の死亡】
会社の場合は社長が死亡しても会社自体は消滅しませんので、会社の申告納税義務は残り
ます。個人の場合は、相続人に申告納税義務が引き継がれます(負の財産として)。

【逃亡・計画倒産】
無駄だと思います。相手は国家権力ですから・・・・・。

《1998年秋開始の特別保証》
おなじみの保証協会による貸し渋り対策です。この保証制度は、ほとんどの会社が受けること
ができました。もとより、ほぼ無条件に保証をする趣旨であったっため審査も大変緩いものでし
た。この当時、スケッチ感覚で試算表を作成し融資申し込みを代行する業者が雨後の竹の子
のように発生し大変好評を博しました。
これを機に、今まで厳格に行っていた経理業務を否定する会社が数多く発生し、「無申告状態
でも何とかなる」との考えが蔓延しました。しかし、倒産寸前でこの制度を利用した会社のその
後の惨状はいうまでもありません。
世間は特別保証の「次の一手」を期待してきましたが、いまだ有効な手立ては見出されていま
せん。もう期待しないことが懸命です。

《会計事務所は業績不振企業をいたずらに延命させる》
会計事務所にとって関与先企業の倒産は収入減少となります。そこで、会計事務所によって
は関与先企業をいたずらに延命させることを図る場合もあります。
(1)金融機関との関係維持のための粉飾決算による過大な納税(体力の消耗)
(2)消費税や源泉所得税の不当な減額や納付の繰り延べ(後日の追徴課税)
(3)根拠のない精神論や机上の経営理論の注入(百害あって一利なし)
大半の会計事務所は右肩上がり経済時代の「節税指南役」、「対税務署の用心棒」にすぎま
せん。現在のような厳しい時代の処世術指南を期待できるはずがありません。
やはり、負債整理の術を熟知しているのは弁護士です。いたずらな延命策しか講じない会計
事務所との契約は先方がどんなに抵抗しようとも即刻解除し、その会計事務所とは無関係の
弁護士に依頼することをお勧めいたします。なお、弁護士は税理士業務も行えますので、負債
整理と同時に決算申告も依頼することができます(すべての弁護士が税理士業務を行ってい
るわけではありません)。

《廃業の基準》
大変難しいと思います。ほとんどの社長さんが自社を存続させたいと願い、さらに自社と自身
の能力に自信を抱いているからです。
「手形の不渡り」、「取引銀行の支援打ち切り」は廃業の基準ではありません。当然廃業しなけ
ればならない原因です。
一般的に廃業の基準は次のとおりではないかと思います。
(1)削減不能な固定的コストを現状および近未来の収益力で吸収できない
(2)負債(銀行借入や仕入債務)の返済条件を守れそうにない
(3)属する業界の将来性がなく新規事業も見当たらない
(4)主要取引先の経営状況が著しく悪化している
(5)自身と従業員が高齢化しており後継者がいない
(6)資金提供者が存在しない
(7)意欲がない
(8)従業員や取引先はおろか親族からも見放された
廃業の基準を判定するアンパイヤは存在しません。しかし、事業を継続することにより「周囲に
損害を与えている」場合、つまり、給与の遅配や仕入代金の不払いなどが慢性化し周囲が疲
弊しきっている場合には廃業を選択しなければなりません。このような状態で、しかもその事実
を直視しないで事業を継続することは「わがまま」にすぎません。

資本主義社会においては、企業に永続の保障など一切ありません。廃業は当然のことで、恥
ずかしいことでも何でもありません。「廃業の痛み」は皆で分かち合うしかないのです(ただし、
痛みを受けた人々の怨念はそう簡単には消えません)。
恥ずべきは、倒産の危険性をひたすら隠し被害を拡大させてしまうことと、何の根拠もない自
信に固執することではないでしょうか。

保証人が・・・・・
保証人は納得の上で保証しているのです。判を押すということは納得したということなのです。

再起・・・・・
はっきりいいまして道は相当険しいです。法律は許してくれても、世間は許してはくれません。
破産などの法的整理により損害を受けた人々の恨み(不信感)はそう簡単に消えません。ま
た、金融機関のブラックリストにも末永く残るようです。
しかし、一歩一歩信頼を回復していくしかありません。
(1)失敗を率直に認める(債権者にわびる)
(2)債務を正確に把握する(債権者から逃げない)
(3)弁護士に依頼する(合法的な手段で)
再起するための第一歩ではないでしょうか・・・・。

自殺・・・・・
そこまで考える必要はないのではないでしょうか。ある意味で保証人や債権者に見る目がなか
ったのですから。


「サラリーマンに戻りたい」とお考えの方は、「サラリーマン成りのススメ」をご覧ください。


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公認会計士 築山 哲(日本公認会計士協会 登録番号10160番)


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