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(内容)2006年6月16日現在
当事務所に初めてご依頼に来られるお客様の多くが、何から質問してよいのか、自身の状況をどう説明してよいの
か分からず話しがスムーズに進まないことがあります。これは会計事務所についての情報が不足していることが一 つの原因で、このような実情を会計事務所業界は大いに憂いなければなりません。
中小零細企業にとって会計事務所はなくてはならない存在です。
当事務所のホームページでは当事務所のみならず、会計事務所全般、会計、税務、経営について、できる限り専門
用語を用いずに解説をしております。
ご覧いただくことにより、「会計事務所の存在意義」と「お客様と会計事務所のあるべき関係」をご理解いただけるも
のと確信しております。
1.会計事務所はどんな仕事をしているのですか
「会計事務所」、「税理士事務所」、「公認会計士事務所」、「税務会計事務所」、ほとんどの企
業(特に法人の場合)は依頼しているかと思います。しかし、その割に会計事務所の実態がつ かめず「怖い先生がいてとっつきにくいところ」、「淡々と決算申告の事務処理をするところ」、 「税務署の対応窓口(税務署の下請、味方)」のイメージが先立っています。
会計事務所はお客様である企業や個人に代わって、専門的経理処理や税務申告を代行する
「業者」です。「自分ではできない」、「面倒なので頼む」、他の業者と何の違いもありません。
当事務所では、会計事務所は「会計と税務を代行するサービス業」と考えております。
(注)「○○会計事務所」はいわゆる俗称です。正式には、「○○公認会計士事務所」、「○○
監査法人」、「○○税理士事務所」、「○○税理士法人」の名称を用いなければなりません。
2.会計事務所を包むベール
一般からすれば、会計事務所業界はベールに包まれた業界です。その原因は次のとおりでは
ないでしょうか。
(1)主力業務が税務であること
税務に関しては「秘密」が原則となることが通常で、他人の事情を正確に知ることができず、そ
れが税務に対する不信感や偏見を生んでしまいます。
(2)税務や会計の難解さとそれに対する願望
やはり、素人にとって税務や会計は難解です。さらに、誰しも「少しでも税金は少なく」、「会社
の内容はよく思われるように」と考えます。そこで、誰かに、密かに解決してほしいと願うのが 通常です。
(3)税務署出身者の存在
税理士の中には、税務署出身者が多数います。これが、会計事務所を不可解な存在としてい
るのかもしれません。一般からすれば、会計事務所が公営か民営かの区別さえわからないか もしれません。
(4)税理士資格取得方法の多様性
税理士になる正道は、税理士試験という国家試験に合格することかもしれません。しかし、税
理士資格は上記(3)のみならず、公認会計士や弁護士にも付与されます。
なお、税理士の国家試験も科目別合格制(必須科目と選択科目を合計5科目、1科目ずつ無
期限で合格すればよいという極めて特殊な試験形態)を採用しており、合格者ごとに合格まで の経路が違います。
3.経理・会計とは
経理・会計といっても非常に漠然としています。計算したり、帳面をつけたり、金銭そのものを
扱うことであったりと意味は様々です。
会計事務所の仕事の最終目的は、「利益(会社の業績の把握)」と「所得(税金が課税される
基準値)」の計算です。利益と所得の計算は、企業活動のあらゆる場面を体系的かつ網羅的 に把握しなければならず、決して感情や思いつきで行うものではありません。
会計事務所の行う経理・会計は、利益と所得の計算をお客様の立場に立って専門的かつ客観
的(税務署、金融機関などの第三者も内容が理解でき、かつ諸法規に準拠している)に行うこ とといえるでしょう。
しかし、昨今はこれにとどまらず企業の利害関係者(金融機関、取引先、従業員など)への情
報提供、会計数値を経営に活用することなどが強く求められています。
4.決算や申告は必ず会計事務所に依頼しないといけないのですか
そんなことはありません。
申告納税制度を採用するわが国において、申告は納税者(企業、個人)自身で行わなければ
なりません。会計事務所は納税者の代行をするにすぎません。納税者自身で申告ができる場 合は会計事務所に依頼する必要などありません。
ただし、経理業務や税務申告は大変煩雑でまた専門的部分が強く、会計事務所に依頼するこ
とが企業経営上効率的かと思います。
ほとんどの税務申告書や届出書に「税理士署名・押印欄」があるかと思います。この欄が空白
でも各役所は申告書を受け付けてくれます。税理士関与は法的に義務付けられているわけで はありませんので、税理士関与の有無は申告書の効力(提出があったということについての) には一切関係ありません。
大切なことは、税務申告書や届出書を誰が作成したかではなく、適法であるかどうかということ
です(これを判別するには税務調査など詳細な検討が必要です)。税理士が関与しているから といって適法とみなされるわけではありません。
会計事務所は、民間の営利企業であるということを忘れてはいけません。ですから、「困ったと
きに泣きつけば」では、どうにもならないことがあると考えてください。
お客様と会計事務所の関係は、企業と金融機関の関係に似ているかもしれません。金融機関
は無差別に企業を救済してはくれません。会計事務所も、全てのお客様を救済する(できる) わけではありません。
5.会計事務所は税金を減らしてくれる
それは偏見です。
6.初めて会計事務所に依頼する場合どうすればよいのですか
何も用意せずに相談してもかまいません。ただし、直近の決算書・申告書、事業のパンフレッ
ト、定款・登記簿謄本(法人の場合)を用意しておけば、会計事務所もお客様の事業内容を理 解しやすく、より具体的なアドバイスが行えます。
7.公認会計士と税理士の違い
「よくある質問」の「公認会計士と税理士の違い」をご覧ください。
8.国家資格保有者(税理士)でないと税務の仕事はできないのですか
税務の仕事を独立して行うには税理士資格が必要です。税務調査の立会い、申告書の作成
(申告書への署名押印)、税務に関する相談などの税務を行えるのは税理士のみです。
国家資格を保有しているからといって有能であるとは限りません。しかし、「税理士さんは厳し
そうで報酬も高いから、以前会社で経理をやっていた隣の奥さんに頼もう」では思いもよらぬ障 害に遭遇することがありますのでご注意ください。
なお、これは大変奥の深い話になるのですが、「会計業務」(領収書の整理、伝票の起票、元
帳・試算表・決算書の作成)は誰でも自由に事業として行うことができます。しかし、会計業務 には「税」が密接に絡んできますので、実際は会計事務所(税理士)が行っています。
《税務署OB》
大変難しい問題です。役人の天下りであるからです。
しかし、その経験を正義のため、つまり、納税者の権利擁護と公正な税務行政の維持発展の
ために活かすことは有意義なことではないでしょうか。
9.有資格者の証明
税理士の有資格者は、その事務所所在地を管轄する税務署の玄関近辺に税理士一覧があり
そこに名札がかかっています。また、NTT電話帳の税理士欄は有資格者でないと掲載できま せん。
(注)大阪国税局管内の税務署、近畿税理士会会員に限ってのことです(他の国税局や税理
士会については不明)。
10.会計事務所が雇用する無資格の職員
無資格の職員を多数雇用している会計事務所があります。無資格者の能力の程度、無資格
者を雇用することの是非はともかくとして、代表者(税理士)は職員を監督し育成しなければな らないのは当然です。
(注)税理士の名義貸しは禁止されていますのでご注意ください。「判さえ押してもらえば」は大
変危険な考えです。
11.経理担当者と会計事務所
経理担当者は自社あるいは以前勤務していた会社のことしか知らないのが通常ですが、会計
事務所は様々な事例に遭遇しそれを解決することでノウハウを蓄積しています。やはり、経理 担当者だけでは壁に突き当たり、解決策が見い出せないことがあります。
そして、忘れてはいけないのは、経理担当者は従業員であるということです。従業員である以
上、社長さんの誤った考えにも従わなければならず、これが会社にとって致命傷となることもあ ります。これは、税理士の有資格者を雇用しても同じことです。
そこで、会計事務所の客観的な意見も必要ではないでしょうか。
12.会計事務所で報酬の違いがあるようですが
報酬金額に違いがあるというよりも、業務内容に違いがあると考えるのが正しいと思います。
税務申告を会計事務所に依頼するかどうかは納税者の自由であり、さらに依頼する場合どの 範囲まで依頼するかも自由であるからです。
会計事務所により引受ける業務の範囲もかなりの差があり、それが報酬の違いに反映されて
いるのが実情です。会計事務所に依頼する場合は、依頼範囲を明確にすることが必要です。
2002年4月1日から、税理士報酬を依頼者と税理士の間で自由に取り決めできるようになり
ました(従来は各地区税理士会で最高限度額を定めた「報酬規定」が存在していました)。いわ ゆる「自由化」の流れによるもので、ある意味で当然といえるでしょう。
当事務所の報酬については「事務所の概略」をご覧ください。
13.会計事務所によって方針が違う
「知人が依頼している会計事務所では・・・」とよく聞きます。どこの会計事務所も税法をはじめ
とする関連法規に従わなければならないのは当然です。
しかし、具体的な業務の進め方や内容は大きく異なる場合があります。たとえば、お客様訪問
の頻度、補助者への権限委譲度合い、12の報酬や14の業務体系にはかなりの違いがあり ます。
要するに、お客様にとって最適な会計事務所を「選択」すればよいのです。
14.会計事務所に依頼するパターン(事業者の場合)
会計事務所の業務体系は、次のとおりです。
(1)日常の記帳(総勘定元帳と残高試算表の作成)
(2)決算報告書作成
(3)申告書作成
(4)(1)〜(3)に関しての相談、説明、アフターサービス(税務調査の対応や金融機関への業
績説明についてのアドバイスなど)
日常の記帳は自社でできるので、事後的な「決算」と「申告」あるいは「調査立会」のみを依頼
すれば、当然報酬は低くなりますが、会計事務所とのコミュニケーション不足が生じます。「節 税対策」、「決算対策」を有効に行うには会計事務所との事前検討が欠かせません。
ご依頼に当っては会計事務所と十分に話し合うことが大切です。
15.会計事務所の報酬は漠然としている
会計事務所の業務体系は14のとおりですが、業務そのものが大変漠然としています。物品販
売のように「1個○○円」というわけではなく、人材派遣業のように「時給○○円」でもありませ ん。
税務会計業務は委任という包括的な契約で、定型化された業務を定められた時間で終了でき
る性質の仕事ではありません。事務的に「申告書を書いたからもう終わり」というわけにはいか ず、それに関する相談や説明が付随します。さらに、業務を全うするには税務会計のみならず 経営、法律などを多面的に考慮しなければなりません。
16.社会労働保険計算をお願いしたい
この分野の専門家は「社会保険労務士」です。
社会労働保険計算は給与計算(給与からの税金の天引き)と関係しており、会計事務所につ
いでに頼みたいお気持ちはわかります。しかし、会計事務所はそれなりの知識しか持っておら ず、たいした対応はできません。会計事務所にはごく一般的なアドバイスを受ける程度にとど め、自社で計算されるのが賢明かと思います。
必要に応じて当事務所と提携している社会保険労務士の紹介はいたします。
17.登記手続をお願いしたい
この分野の専門家は「司法書士」です。
登記につきましても、16の社会労働保険計算同様にたいした対応はできません。
必要に応じて当事務所と提携している司法書士の紹介はいたします。
《社会労働保険や登記のご依頼を受けられないもう一つの(本当の?)理由》
役所に提出する書類の多くに作成を代行した者を記入する欄があります。ここに氏名などを記
入できるのは「特定の資格」に基づき業務を行っている者に限られます。
会計事務所(公認会計士・税理士)が、社会労働保険や登記の手続を代行したとしてもこの欄
は空白となります。後日、提出書類に不備があった場合、役所からの問い合わせは会計事務 所ではなくその依頼者にされます。その際、「先生(会計事務所)に頼んだので私は知らない。 先生に聞いてくれ」とはいえません。
一部の会計事務所は社会労働保険や登記手続の代行をしています。しかし、「役所からの問
い合わせに対応できない」、「密かに他の専門家に外注し利益を得ている(直接他の専門家に 頼むよりも高くなる)」などのトラブルが発生していることもあるようです。
「まとめて頼んだほうが」はごもっともですか、今一度お考えください。
18.会計事務所を替えることはできますか
できます。
契約解除は残念なことですが、当然お客様の意思により会計事務所を替えることはできます。
19.個々の会計事務所の専門(得意)分野
あります。
しかし、よほど専門分野を絞り込んでいる会計事務所(相続、医業、国際税務、株式公開など)
はともかくとして、一般事業会社それも中小零細企業の税務会計業務(上記14)への対応が スムーズにできない会計事務所は、「問題あり」と考えなければなりません。
資料作成や質問に対する回答が著しく遅い、全く説明やアドバイスをしてくれない、ミスを多発
する会計事務所は論外と考えなければなりません。
当事務所では、一般事業会社へのスムーズな税務会計業務が大切と考えております。
20.会計事務所のミス
お恥ずかしい話しですがミスもあります。
万が一、ミスが出た場合は早急に対応をさせていただき、ミスの修復あるいは善後策の検討
をいたします。
21.会計事務所経由で秘密が漏れませんか
どの業者でもそうですが、会計事務所にもお客様の秘密を守る義務があります(守秘義務)。
とりわけ公認会計士や税理士の守秘義務は厳格で、これに違反した場合はお客様からの損 害賠償請求はもとより、法律に基づく業務停止・資格剥奪処分がありますのでご安心ください。
22.遠方でも関与してもらえますか
会計事務所はできる限り往復一時間以内のところに依頼するのが好ましいです。しかし、会計
事務所には自社の秘密を知られてしまうので、あまり近所には依頼したくないというお客様が いらっしゃいます。
会計事務所とのやり取りは「対面」が基本ですが、通信環境が発達した現在は電話、FAXはも
とより、インターネット、電子メールをフルに活用すれば距離的ハンディはかなり克服できるか と思います。(当事務所でも、一定の条件で遠隔地への関与を行っております。詳細は、 「遠隔地の方へ」をご覧ください。)
23.会計事務所はすぐに急かす
申告書には提出期日があります。
会計事務所は毎月複数のお客様の申告を引受けています。つまり、会計事務所は列車のダ
イヤのように作業しているのです。 申し訳ありませんが、「私だけは特別扱い」を聞いてばかりいるわけにはいかないのです。 大半の業種が、お客様が必要とした時点がサービスのスタートです。それと比べ、会計事務所 のやり方は「押柄」にお感じかもしれませんが、どうかご理解ください。
24.会計事務所に逃げられた
まれにあることです。その原因は様々ですが、次のようなことが考えられます。
(1)無理難題(脱税、粉飾決算などの依頼) 会計事務所の進言にもかかわらず、方針を変更しない社長さんがおられます。 (2)採算が合わない(報酬を必要以上に減額あるいは支払遅延) 会計事務所も営利企業である以上やむを得ません。 (3)会計事務所の怠慢 契約解除することが当然です。 (4)会計事務所の倒産 最近は会計事務所でも倒産するところがあります。代表者の死亡は当然として、過剰な設備 投資(事務所ビル、コンピューター、人員など)やそれに伴う過剰債務、業務上の損害賠償請 求に耐えられず倒産することがあります。 (3)と(4)は明らかに会計事務所側に非があります。なお、(1)と(2)は後任の会計事務所が 見つからない可能性がありますのでご注意ください。
25.極めて小規模な企業や個人の申告を引受けてくれますか
当然です。
当事務所のお客様の大半が中小零細法人ですが、当然、個人事業者や一般の方からのご依
頼もお受けしております。ただし、これらの方の場合、まずは各種無料相談所(各地で開催さ れています)をご利用いただき、それでは不十分な場合のみ当事務所をご活用いただくことが 賢明かと思います。
26.パソコン(財務会計ソフト)の普及
会計事務所へ多大な影響を与えているのは事実です。しかし、安易な導入は避けてください。
27.ニセ税理士
「ニセ税理士」とは、税理士資格がないのに税金に関する仕事をする者です。 口を開けば、「領収書」、「帳簿」、「期日」としかいわない「税理士」に比べ、融通の利く「ニセ税 理士」は頼もしいかもしれません。しかし、税金の仕事は、「申告書への署名押印」という「ケジ メ」なくして果たすことはできません。「申告書への署名押印」ができない「ニセ税理士」がまとも な仕事をするはずがありません。氏名が表面化しないので、いつでも逃げられるからです。 なお、「ニセ税理士」が次のことを目的としていることもありますので注意が必要です。 (1)自身と深い関係にある他社に有利な取引を強要する (2)自身と深い関係にある他社の保証人となることを強要する (3)自身の私的費用を会社に付け替える=横領 (4)会社の秘密を流用する 税金が払えない、融資が受けられないなど会社の窮地の際、経理数値を一時しのぎに改ざん して窮地を脱し、その功績(?)をエサに付け込むことが多いようです。しかし、その損害は(1) 〜(4)のみならず、後日の「強烈な税務調査」や「金融機関との取引停止(粉飾決算を理由と して)」など、計り知れないものがあります。
いわゆる街の会計事務所の業務の大半は一般的で単純なことばかりです。多くの会計事務所
が自由業務である記帳代行(領収書の整理、伝票の起票、元帳・試算表・決算書の作成)を主 力としており、本来の税理士業務(税務署との折衝、申告書・届出書の作成、税務相談)のウ エイトが極めて低いのが実情です。
業務の大半を無資格の職員に任せて、税理士である代表者は会計事務所のオーナーあるい
は名義人と化していることさえあります。
税理士でなくとも中小零細企業の要望に応えることはできます。また、税理士でも応えられな
いことは無数にあります(特殊で高度な税務、税務周辺分野、経営アドバイスなど)。
「どうせ税理士なんて・・・」という考えが蔓延しているのは事実で、報酬が安価なニセ税理士に
多くの顧客を奪われる会計事務所もめずらしくありません。
中小零細企業の実情からすれば、会計事務所業界の自由化を推し進めるとともに、業者(公
認会計士や税理士含む)に対する所管官庁などによる定期検査や法的罰則を強化するほう がよいのかもしれません。(責任を持って業務を行う者のみに資格を付与する。)
最近は中小零細企業経営者の高学歴化や能力向上が進み、会計事務所や税務署に対する
コンプレックス(偉い人に逆らうと恐ろしい仕打ちを受ける)もすっかり薄れてきています。
「うちの税理士は程度の低い○○大学を卒業している」、「税務署なんて私より学生時代はる
かに成績が悪かった奴でも務まっている」など、嘲笑の対象にされていることさえあります。
「適法な申告さえしていれば大丈夫(税理士や税務署に媚びても税金が減ることはない)」、と
の考えが浸透しています。これは当然のことです。この当然のことを理解できていない程度の 会社は、もはや生き残っていくことはできません。
さらに、「節税には限度がある」、「100万円の節税に税理士報酬を99万円払うよりも他に投
資するほうが有意義」が、今では企業経営の鉄則です。
会計事務所業界が税務や会計を通して日本経済の発展に多大な貢献をしてきたことは事実
ですが、今なお残る税務や会計についての誤認や偏見を生む原因が会計事務所業界にある ことも事実です。
今や会計事務所業界は、税理士制度の存否の検討も含めた抜本的変革を迫られているので
はないでしょうか。
28.会計事務所の信用度
お客様にとっては気になるところでしょう。しかし、これをはかる明確な尺度はありません。ただ
し、お客様が次の点を留意していれば、、万が一「不良会計事務所」に遭遇しても、たいした損 害にはいたらずほかの会計事務所へスムーズに変更できます。
(1)会計事務所に不純な期待をしない
脱税や粉飾決算を期待してはいけません。不良会計事務所によっては、27のニセ税理士同
様の行動に出ます。
(2)会計事務所に頼り過ぎない
専門知識を必要としない作業は自身で行うとともに(これについては「よくある質問」の「日常の
経理業務はどうすればよいのか」をご覧ください)、相談の投げかけと、説明やアドバイスを依 頼することが必要です。それにより、会計事務所側の状況を把握できるからです。また、領収 書、各種帳簿、申告書控などを会計事務所に預けっぱなしにすることは禁物です(ある意味で 人質を取られていることになります)。
(3)会計事務所の責任者(有資格者)と定期的に面談する
特に、無資格の職員を多数雇用する会計事務所の場合、これが必要です。不良会計事務所
によっては、知らないうちに関与先(依頼者)を他の税理士に譲渡していることもあるからで す。
(4)他の会計事務所との併用も検討する
会計事務所によっては、「替えられることはない」とか「面倒を見てやっている」との油断やおご
りがあります。ほかの会計事務所へ相談していることを匂わすことも、場合によっては必要で す。ただし、安易な併用は避けたほうがよいと思います。会計事務所との信頼関係が築けない ばかりでなく、「それなら、そちらに頼んでください」との「逃げ口上」を会計事務所に与えてしま うことになるからです。
(5)会計事務所と適度な距離を保つ
「友達」に税務会計業務はできません。酒席やゴルフ場でしか会計事務所と付き合っていない
ようではどうにもなりません。それ相応の厳しさが必要です。
(6)役員や保証人を依頼しない
まれに、会計事務所の代表者を役員や保証人としていることがあります。会計事務所に支配さ
れてしまう原因となりますので、絶対に避けてください。
(7)会計事務所の独立性
特定の業者(金融機関など)や団体(経営者の親睦会など)と密接な関係にある会計事務所
は、ともすれば、お客様よりも業者や団体の意向を重視することがあります。また、依頼者が 特定少数に偏っている場合、低報酬の関与先を軽視することもありえます。
(8)取引先と同じ会計事務所
会計事務所としての守秘義務が保てない可能性があります。また、上記(7)同様、取引先の
意向を重視することもあります。
(9)本業への注力度
会計事務所の本業は上記14です。これを軽視してほかの業務ばかり(相続対策、経営コンサ
ルティング、保険勧誘など)をお客様に押し付けるのはどうかと思います。
また、本業では到底事務所が成り立たないため「講師業」や「非常勤役員」(いずれも実態はア
ルバイト)に大半の日数を費やしている会計事務所も注意が必要です。
(10)IT化の度合い
決してITは万能ではありません。しかし、会計事務所はこれに無関心ではいられません。
(11)異常な報酬
自由化といえども、世間相場からして異常な報酬には気をつけなければなりません。
(12)会計事務所の財務安定度
最近では会計事務所の倒産(事実上の倒産含む)も相当数あります。当然ですが自己破産し
た場合は公認会計士や税理士業務は行えません。
事務所の構え(高価な応接セットや若い女性秘書の有無)、服装や車両、人付き合い(虚栄心
で有名人と付き合っていないか)などから、財務安定度を間接的に判断するしかありません。
しかし、まさに「武士は食わねど高楊子」で、危険な人にかぎってそう簡単に正体を見せないの
が実情です。
29.会計事務所の経営コンサルティング
昨今、会計事務所のキャッチフレーズとして「経営サポート」や「企業発展のお手伝い」などが
目立ちます。ここで注意しなければならないのは、「公認会計士」や「税理士」などの国家資格 は経営コンサルティングを行うことについての「必要条件」ではないということです。
経営コンサルティングに、学歴、資格、性別、年齢は一切関係ありません。できる人(お客様に
利益をもたらす人)のみがプロとよばれる世界です。
現実の経営は過酷極まりないものです。会計事務所からの経営コンサルティングは、慎重に
受け入れる必要があります。特に、受身のあるいは責任転嫁する姿勢は感心できません。
会計事務所によっては本業の衰退をカバーするために、それ相応の能力もないのに「経営」を
「客寄せパンダ」にしている、あるいは「押し売り」していることがあります。そのような会計事務 所の経営コンサルティングは、「機械的な経営指標の算出」、「事業永続を大義名分としたあり きたりの相続(税)対策」、「パソコンの販売代理店」、「関係強化のため(税務契約を解除され ないため)の役員就任」、「起業支援名目の会社設立事務手続」、「一般的な経営技法の紹介 セミナーあるいは書物の配布」などであることが通常です。
もし、このような会計事務所に遭遇した場合は、「もうあの件は結構ですので・・・・」とはっきりと
告げる必要があります。
それでも引き下がらない場合は、(そんなに経営のために役立ちたいのなら)「ある時払いの
催促なし(当然無利息無担保)でお金を貸してください」、「保証人になってください」、「当社の ために営業してください」といって突き放すしかありません。
30.株式公開と会計事務所
昨今の株式公開ブームは「株式公開関連業務」という会計事務所にとっての新たな大成長分
野を生み出しました。しかし、この分野については大手監査法人(大規模公認会計士事務所) とそれらと確かな関係を持つ会計事務所でない限り事実上行えません。
株式公開後は、決算の公開と決算内容ついての公認会計士または監査法人の監査が法律で
義務付けられています。会計事務所の株式公開関連業務の大半が公開企業にふさわしい内 部体制の整備や会計指導です。
街の会計事務所にとっては、せっかく立派になった関与先が株式公開を機に離れていくのは
残念かもしれません。しかし、街の会計事務所にはそれ以外の仕事(真にお客様から喜ばれ る)がたくさんあります(注)。大企業や有名企業を相手にしているからといって一流とはいえな いのではないでしょうか。
(注)多くの公開企業が義務的に監査法人(公認会計士)と付き合っているのが実情ではない
でしょうか。
会計事務所離れが止まらないのが実情です。
中小零細企業経営者の高学歴化と能力向上、不況による経費削減志向、財務会計ソフトの
普及、外部第三者の干渉を嫌うなどがその原因でしょう。
しかし、特定の業務はアウトソーシングすることにより「時間とノウハウを買う」ほうが企
業経営上は効率的である場合もあります。
会計事務所の通常の業務内容は決して高度ではないかもしれません。しかし、まったくの素人
が会計事務所同様の業務を行うのはそう簡単なことではありません。(不可能ではないでしょう が、一定の期間は本業を犠牲にする必要があります。)人にはそれぞれ得手・不得手があり (専念すべきことがあり)、それぞれが得意な仕事に専念することによりお互いの能率が向上し ます。
当事務所では、お客様それぞれに最適な関与形態をご提案させていただいております。
まずは、お客様にとって最適な経理業務の方法、つまり、どのような帳簿を作成すべきか、パ
ソコン会計を導入すべきかなどをお客様と向かい合って考えさせていただきます。 |