源泉所得税の納付


2018/11/8

源泉所得税の納付(12月分は通常月と異なる)

源泉徴収をしたならば、次は源泉徴収した税金を納付しなければなりません。源泉徴収は個々の支払いごとにしますが、納付は月ごとに個々の支払分を全額集計して行います。納付の期限は源泉徴収をした翌月10日までです。

年末調整をする12月の源泉所得税の納付額の計算は通常の月とは勝手が違います。年末調整では給与を支払った者への還付が必要となります。還付するということは、源泉徴収した税額が多かったということですので、それは源泉徴収義務者からすれば税務署に納付した税額が多かったということにほかなりません。この分を精算するために、12月分として納付する税額から年末調整で還付した額を差し引くことができるのです。

A→12月に源泉徴収した税額500,000円
B→年末調整で還付した税額300,000円

12月分として1月10日までに納付する税額はA−Bの200,000円です。Bの300,000円は、納付書の「年末調整による超過税額」に記載します。

もし、A<Bの場合には納付する必要がありません。例えば次のような場合です。

A→12月に源泉徴収した税額150,000円
B→年末調整で還付した税額200,000円

この場合、「税額ゼロ」の納付書を税務署に提出しなければなりません。金融機関では税額ゼロの納付書は受け付けてくれません。納付書の「年末調整による超過税額」にはBの200,000円を記載しておく必要があります。本税と合計額はゼロを記入します。(納付書の記載方法は様々です。詳しくは税務署におたずねください。)

A−Bの50,000円は、翌年1月分として納付しなければならない税額から差し引くことができます。この金額は1月の納付書の「年末調整による超過税額」に記載しなければなりません。1月に源泉徴収した税額が180,000円であるとしたら、1月分として2月10日までに納付する税額は50,000円を差し引いた130,000円になります。

源泉所得税の納付を半年ごと、「1月から6月分」と「7月から12月分」という集計単位で納付することができる「納期特例」を選択している場合には、「7月から12月分」から年末調整で還付した税額を差し引きます。

また、この納付分からの差引きが翌々月になっても終わらない場合には、税務署から還付してもらうこともできます。その場合の手続は下記の国税庁サイトのとおりです。

ホーム/税の情報・手続・用紙/申告手続・用紙申告・申請・届出等、用紙(手続の案内・様式)/税務手続の案内(税目別一覧)源泉所得税関係/[手続名]源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額の還付請求

役員報酬を取れなかった年の年末調整(人も雇っていない)

社長ひとりの会社で、役員報酬を取らないまま1年(事業年度ではなく暦年)が終わった場合には源泉徴収も年末調整も不要です。年度(暦年)の終わり近くになって会社を設立した場合にはこのようなことが起こります。

源泉徴収や年末調整が不要だといっても、社長個人の所得に関しては下記の手続が必要となります。

◆個人事業者としての所得税確定申告(法人成りした場合)

例えば、10月まで個人事業者で11月から会社とした場合は、10月までの分は事業所得として所得税の確定申告が必要です。その要領は、前年までの申告と同じです。

ただし、確定申告とは別に、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出し、個人での事業を法人(会社)に切り替えた報告をしておく必要があります。

◆前職分の給与についての所得税確定申告(脱サラした場合)

例えば、10月までサラリーマンで11月から会社を設立した場合には、サラリーマン時代の給与について年末調整、つまり税額の精算をしていないわけですから、自ら所得税の確定申告をしなければなりません(この手続には元勤務先が発行した源泉徴収票が必要)。

◆法定調書合計表と納付書を税務署に提出する

その年の給与がゼロであっても、「法定調書合計表」という源泉徴収の「要約表」は税務署に提出しなければなりません。提出期限は翌年の1月末までです。また、源泉所得税の納付書も「支給(税額)ゼロと記載して」税務署に提出しなければなりません。この提出期限は源泉所得税の納付期限と同じ翌月10日までです(納期特例の場合は7月10日と1月20日)。

このようにして、「源泉徴収は不要であった」ということを税務署に報告しておかなければ、税務署から「源泉徴収はしましたか?源泉徴収をしている場合には納付をしてください!」という問い合わせがあります。

◆知らないうちに源泉徴収していた(税理士などの報酬)

給与からの源泉徴収がゼロであっても、税理士、司法書士、弁護士などから源泉徴収をしていることがあります。源泉徴収が必要な職業の人は、請求書において請求額から源泉徴収税額を差し引いていることがほとんどです。その場合は、無意識のうちに源泉徴収をしているので注意が必要です。当然、この分は納付しなければなりませんし、法定調書合計表にも記載しなければなりません。