退職後に源泉徴収漏れが発覚した!

従業員が税務署に直接責められることはありません。

しかし、会社は源泉徴収漏れの分をあなたに請求してきます。

 

 (内容)2012年8月4日現在

 

年末調整作業が着々と進む中、年末調整はおろか毎月の給料からの源泉徴収さえできていない会社もあります。このような会社のほとんどが創業して日が浅く、経営者が税金に無知であるということです。こんな状態はいつまでも続きません。なぜならば、税務署から源泉徴収するように執拗な督促があるからです。

 

税務署からの督促に対して「当社には従業員がいない!」などと、その場しのぎの言い訳で逃げる経営者もいます。しかし、このような言い訳をしてもやがてはばれます。なぜならば、会社が申告をする際に従業員に給料を支払っていることが決算書などから判明するからです。会社が申告しないのであれば、数年間はこのような状態が続くこともありますが、年数が経過すればするほど後処理が大変になります。

 

ともあれ、このような経営者がそう簡単に心を入れ替えるとは思えませんので、このような会社に勤務している人は「覚悟」をしておくことです。

 

■従業員が税務署に直接責められることはありません(ご安心ください!)

従業員から源泉徴収しそれを納付するのは会社の義務です(源泉徴収義務者は会社です)。ですから、「彼(従業員)の税金だから彼から取ってくれ!」は通用しないのです。

 

■会社から従業員への請求(合法な請求です)

源泉徴収が漏れていた分を会社が従業員に請求することはできます。これは合法な請求ですので従業員は拒むことはできません。ただし、これは会社と従業員の関係ですので、ここに税務署という国家権力が介入することはありません。税務署は従業員が会社からの請求に応じたか否かに関わりなく会社に源泉徴収が漏れていた分を納付させます。

 

■社長さんはどんな方ですか?

本業には情熱を注がれていますか?

事業内容に将来性はありますか?

従業員を大切にしていますか?

そうでない場合には至急退職すべきです。要するに、社長さんは何事においてもいい加減な人であるということで、こんな会社が永続するはずはありません。

「俺達(我社)はベンチャーだ!!新しいものを創造するんだ。固定概念や理不尽な法律は破壊するぞ!!」、こんな人も要注意です(笑)。

 

■退職後に会社の悪事が判明した

会社は元従業員に請求できます。当然、その前に会社は税務署に対して源泉徴収漏れとなっていた分を納付しなければなりません。ただし、退職後の元従業員の所在が判明しない場合には無理でしょう(笑)。特に個人情報保護が徹底されている昨今では、会社が元従業員の所在を探し出すのは至難の業でしょう。また、上記のとおり税務署はこの件について一切協力してくれません。

こんなことになるので、経理(税金の処理)がいい加減な会社は倒産しやすいのです。名経営者と呼ばれる人の多くが経理を軽視することの危険性を強く戒めているのです。

 

【住民税?】

上記は国税である所得税についての説明です。地方税である住民税に関しては事情が違ってきます。会社あるいは税務署が源泉徴収漏れを従業員の住所地の市区町村に報告した場合には、市区町村から従業員に直接住民税を納付するように督促があります。引越している場合にも引越し前の市区町村から引越し後の市区町村へ連絡があるかもしれません。(住民税には会社で給料から天引する特別徴収と従業員自らが納付する普通徴収があります。)

 

★経営者のみなさん!

 

源泉徴収することを従業員に「遠慮」していませんか?

源泉徴収は従業員に断ることなくできるのです。なぜならば、源泉徴収は会社としての義務であり、従業員もこれに応じるのは当然だからです。

 

「手取が減るので気の毒・・・」「源泉徴収すると逃げられる・・・」、そんな考えが会社を滅ぼすのですよ!!

 

≪給与所得者(サラリーマン)は税務署と直接的な関係はない≫

 

給与所得者(サラリーマン)は納税者です。しかし、納税者でありながら事業所得者や不動産所得者とは「納税の方法」や「税務署との関係」が大きく異なります。

 

■源泉徴収や年末調整をするのは会社の義務です

 

毎月の給料、賞与から所得税の源泉徴収をして年末調整をするのは会社の義務です。これらの手続をしていない、あるいは手続に間違いがある場合に税務署に対して責任を負うのは会社です。

 

会社の行った源泉徴収や年末調整の結果としての税額に不足がある場合、まずは会社がその不足税額を税務署に納付し、その後に会社が従業員(給与所得者)にその税額の負担を求めます。要するに、給与所得者(サラリーマン)が税務署から不足税額の納付を直接は迫られないのです。

 

■給与所得者(サラリーマン)が会社の税額計算に不服がある場合

 

会社にその不服の内容を告げるしかありません。税務署に告げたとしても税務署は動いてはくれません。「税率や所得控除などの間違い」を修正するのは会社の義務なのです。

 

修正を会社に要求しても修正してくれない場合には、自らで確定申告をするしかありません。なお、このように自身で確定申告をして修正するのは年末調整の期間後(翌年2月以降)であり、年末調整の期間中は会社に修正を求めなければなりません。また、税務署に対して確定申告をするには会社が発行した源泉徴収票が必要です。

 

★会社という「防波堤」

上記のような給与所得者(サラリーマン)の立場のほうがありがたいと考える人もいます。税金に関する知識に乏しく税務署からの「攻撃」になす術がない人です。税務署と直接的な関係にある事業所得者や不動産所得者の中には、税務署からの攻撃に戦々恐々としている人も多いです。

 

≪退職者の源泉徴収票≫

(目立つ退職時の交付もれ)

 

退職者には「退職時に」源泉徴収票を交付しなければなりません。3月に退職した場合には3月に交付しなければならないのです。「年末にまとめて」ではいけないのです。転職した人は、転職後の職場で前職分の給与も合算して年末調整を受けますが、その前職分の給与を証明する資料が前の勤務先が発行した源泉徴収票なのです。前職の源泉徴収票がない場合には年末調整が受けられず、自ら確定申告をして税額の精算をしなければなりません(この場合も確定申告の時点では前職分の源泉徴収票が必要です)。

 

源泉徴収票には発行者の印鑑が押されているのが普通です。しかし、押印することが法律で義務付けられているわけではなく、あくまでも「慣習」です。世の中には、この「押印」という慣習を尊重する人が多いことから、押印のない源泉徴収票を「無効」だとか「偽造した」といって認めてくれない人がいます。源泉徴収票は誰でも書くことができます。用紙は国税庁のサイトから入手できます。用紙(フォーム)は自ら作成してもかまいません。源泉徴収票は給与を支払う会社などの発行者から税務署や市町村役所に提出されます。ですから、発行者と異なる内容の源泉徴収票を書いても、異なる内容で行われた計算が税務署などに伝わった段階で不一致が発見されるのです。

 

前勤務先がどうしても源泉徴収票を発行してくれない場合には、給与明細を手掛かりに源泉徴収票を作成すれば正しい結果となるでしょう。しかし、前勤務先が「誤った」源泉徴収票を税務署などに提出している場合もあります。どの源泉徴収票が正しいかを判定するのは税務署などの役所なのです。誰かがウソの源泉徴収票を発行してもばれるのです。

 

★喧嘩別れにリストラ

退職時に源泉徴収票を発行してもらえない理由の多くはこれです(頭を下げてまで発行してもらいたくはない)。しかし、割り切るしかないと思いますが・・・

 

★放置しておく(年末調整も確定申告もしない)

これも一法かもしれませんが、数年間は戦々恐々ですよ。

 

 

徹底解説!「給料の税金」

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