給料から天引きされている住民税(地方税)

税金を取るのは国だけではありません。

地方(都道府県と市町村)も税金を取りますよ!

 

2008年4月28日現在

 

住民税(地方税で都道府県民税と市町村民税からなる)も所得税とほぼ同じように計算され、その計算の基礎(年間の給料の総額、配偶者や扶養親族の状況など)は所得税と同じです。

ならば、「給料を支払う会社が一緒に計算すれば?」と思われるかもしれませんが、住民税の計算は、給料をもらう従業員の住所地の市区町村が行い会社に通知することになっています(都道府県民税も市区町村役所が一括して通知します)。要するに、所得税のように会社が自ら計算するための「源泉徴収税額表」のようなものはないということです。

 

市区町村がどうやって計算するかというと、給料を支払った会社から各従業員のデータ、つまり「年間の給料の合計額、配偶者や扶養親族の状況など」の報告を受けることによって行います。

これを報告する資料が「給与支払報告書」であり、これは年末調整の結果(最終的な所得税額)として各従業員に交付される「源泉徴収票」と同一です。市区町村は、これさえあれば住民税の計算ができるのです。

 

住民税は一年遅れて課税されます。なぜならば、今年の所得税の計算の結果を受けて計算されるからです。市区町村から会社に通知されて給料から天引きされるのは翌年の6月からになります(6月から翌年の5月まで、住民税の年額を12分割して天引きします)。

 

「今年から給料が増えて(減って)所得税も増えて(減って)いるのに、住民税は増えて(減って)いない!」

 

このことの理由がおわかりになったと思います。 

 

■所得割と均等割

 

住民税には、所得に関わりなく決まる均等割(年額4千円程度)と所得に応じて決まる所得割とがあります。

 

■所得割の税率

 

所得税のような累進税率ではなく一律10%(道府県4%、市町村6%)です。

 

■所得税との所得の計算方法の違い

 

所得の種類(事業所得や給与所得など10種類)やそれぞれの内容は同じですが、所得控除は下記のとおり所得税の場合よりも低くなっているものがあります。(所得税と同じ課税最低限を採用すると自治体の総人口に対する納税者の割合が著しく低くなり、自治体の経費を住民で分担するという住民税の趣旨に合わないという結果になるからです。)

●雑損控除・医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除→同じ

●生命保険料控除・損害保険料控除・地震保険料控除→異なる(詳細は省略)

●寄附金控除→異なる(詳細は省略)

●配偶者・配偶者特別控除→異なる(例えば一般の配偶者の場合、所得税38万円に対して住民税では33万円)

●扶養控除→異なる(例えば一般の扶養親族の場合、所得税38万円に対して住民税では33万円)

●基礎控除→異なる(所得税38万円に対して住民税では33万円)

●障害者控除・寡婦(夫)控除・勤労学生控除→異なる(詳細は省略)

 

■特別徴収と普通徴収

 

給料についての住民税は、給料から天引き(徴収)されることが通常です。これを、「特別徴収」といいます。ただし、給料を支払う会社が「給与支払報告書」を提出していなかった場合には、「普通徴収」といって給料からの天引きではなく、従業員自らが住民税を納付することになります(住民税の申告も自らしなければなりません)。

 

■住民税の通知書

 

市区町村は個々人の住民税の計算内容を明らかにした書面を会社に送付します。そして、会社はこれを各従業員に手渡さなければなりません。この通知書を見れば住民税の計算内容を知ることができます。

 

■住民税は所得税の計算に当たって差し引けるのか?

 

差し引くことはできません。所得税も住民税も所得に対して課税されますので、所得に対して課税される税金をその計算の対象(税率をかける対象)から差し引くことはできません。日頃の給与台帳には住民税の金額が記載され差し引かれているのに、なんだか腑に落ちないでしょうが仕方のないことです。

 

■新社会人

 

前年の所得がないことから住民税は課税されないということです。つまり、給与明細の住民税の欄(控除欄)はゼロということになります。2年目からは住民税も給料から天引きされます。ですから、場合によっては2年目からは手取額が減ることもあるということです(先輩に聞いてください。あたなよりも手取りが少ないかもしれません)。

 

■給料から住民税が天引きされていない

 

勤務先が給与支払報告書を市町村に提出していない場合(ズサンです!)、提出していても普通徴収にしている場合(特別徴収が煩わしい)にはこのようなことになります。また、前年に年末調整をしていない場合にもこのようになります(この場合には自身で確定申告をしなければなりません)。

 

 【まとめ】

 

●給与所得には国税である所得税のほか地方税である住民税が課税されます。

●住民税は所得税の計算結果を受けて計算されます(所得の計算方法は所得税とほとんど同じです)。

●住民税の税率は一律です。

●住民税の所得控除は所得税よりも少ないものがあります。

 

 

徹底解説!「給料の税金」

目次