給料から天引きされている住民税(地方税)

税金を取るのは国だけではありません。

地方(都道府県と市町村)も税金を取りますよ!

 

(内容)2012年8月4日現在

 

住民税(地方税で都道府県民税と市町村民税からなる)も所得税とほぼ同じように計算され、その計算の基礎(年間の給料の総額、配偶者や扶養親族の状況など)は所得税と同じです。

ならば、「給料を支払う会社が所得税と一緒に計算すれば?」と思われるかもしれませんが、住民税の計算は、給料をもらう従業員の住所地の市区町村が行い会社に通知することになっています(都道府県民税も市区町村役所が一括して通知します)。要するに、所得税のように会社が自ら計算するための「源泉徴収税額表」のようなものはないということです。

 

市区町村がどうやって計算するかというと、給料を支払った会社から各従業員のデータ、つまり「年間の給料の合計額、配偶者や扶養親族の状況など」の報告を受けることによって行います。

これを報告する資料が「給与支払報告書」であり、これは年末調整の結果(最終的な所得税額)として各従業員に交付される「源泉徴収票」と同一です。市区町村は、これさえあれば住民税の計算ができるのです。

 

住民税は一年遅れて課税されます。なぜならば、今年の所得税の計算の結果を受けて計算されるからです。市区町村から会社に通知されて給料から天引きされるのは翌年の6月からになります(6月から翌年の5月まで、住民税の年額を12分割して天引きします)。

 

「今年から給料が増えて(減って)所得税も増えて(減って)いるのに、住民税は増えて(減って)いない!」

 

このことの理由がおわかりになったと思います。 

 

■所得割と均等割

 

住民税には、所得に関わりなく決まる均等割(年額4千円程度)と所得に応じて決まる所得割とがあります。

 

■所得割の税率

 

所得税のような累進税率ではなく一律10%(道府県4%、市町村6%)です。

 

■所得税との所得の計算方法の違い

 

所得の種類(事業所得や給与所得など10種類)やそれぞれの内容は同じですが、所得控除は下記のとおり所得税の場合よりも低くなっているものがあります。(所得税と同じ課税最低限を採用すると自治体の総人口に対する納税者の割合が著しく低くなり、自治体の経費を住民で分担するという住民税の趣旨に合わないという結果になるからです。)

●雑損控除・医療費控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除→同じ

●生命保険料控除・損害保険料控除・地震保険料控除→異なる(詳細は省略)

●寄附金控除→異なる(詳細は省略)

●配偶者・配偶者特別控除→異なる(例えば一般の配偶者の場合、所得税38万円に対して住民税では33万円)

●扶養控除→異なる(例えば一般の扶養親族の場合、所得税38万円に対して住民税では33万円。)

●基礎控除→異なる(所得税38万円に対して住民税では33万円)

●障害者控除・寡婦(夫)控除・勤労学生控除→異なる(詳細は省略)

 

■住民税が非課税になる場合

 

【均等割が非課税となる所得の水準】

前年の合計所得金額(注意:収入から様々な控除をします)が、控除対象配偶者または扶養親族がいる場合には「35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)+21万円」以下、控除対象配偶者および扶養親族がいない場合には「35万円」以下であれば課税されません。

 

【所得割が非課税となる所得の水準】

前年の合計所得金額(注意:収入から様々な控除をします)が、控除対象配偶者または扶養親族がいる場合には「35万円×(本人+控除対象配偶者+扶養親族の数)+32万円」以下、控除対象配偶者および扶養親族がいない場合には「35万円」以下であれば課税されません。

 

【均等割も所得割も課税されない人】

.生活保護法によって生活扶助を受けている者、合計所得金額が125万円以下の障害者や未成年者など前年の合計所得金額が条例で定める金額以下の場合には課税されません。

 

■住民税が減免してもらえる場合

 

住民税は前年の所得に対して課税されます。そんなことから、翌年になって所得が激減した場合には住民税を納付することができなくなる場合があります。そんな事態に陥った人には住民税が減免される場合があります。

 

以下は「大阪市」における減免の条件です(大阪市のサイトより抜粋)。

 

失業し、雇用保険の給付を受けている場合で、次の条件を満たす方のうち個人市・府民税の全額納付が困難と認められる方については、その失業期間中に納期限が到来する部分の税額に限り、減額・免除を受けることができます。

 

・転職、結婚または家事従事などを目的とした自己の意志による退職でないこと 

・前年中に資産所得や事業所得など継続性のある所得がある場合は、これらの所得の合計額が給与所得を上回っていないこと

・退職後、恩給・年金などを受けていないこと

・前年の合計所得金額が条例で定める金額(平成24年度は、所得が給与所得だけで、夫婦と子ども2人の標準世帯の場合、前年の給与収入金額が6644,445円)以下であること

・申請期限(あなたの場合は、1031日)までに減免申請書を提出していただくこと

 

※緊急経済対策の一環として、平成2124年度の個人市・府民税に限り、雇用保険の受給資格を有する派遣労働者等で、契約期間満了によって退職された失業中の方についても減額・免除の対象とする特例措置を行うこととしました。

 

なお、失業の場合のほかに、納税者の方が災害にあわれたり、生活保護を受けている場合や、前年の合計所得金額が条例で定める金額以下の方で、所得が前年の6割以下に減少すると見込まれる場合、前年の合計所得金額が条例で定める金額以下の方で、障害者・未成年者・寡婦・寡夫または学生などに該当する場合についても、個人市・府民税の全額を納付することが困難と認められる場合は、個人市・府民税を減額・免除する制度があります。

 

詳しくはお住まいの区を担当する市税事務所(個人市民税担当)までお問い合わせください。

申請は、申請期限までに行ってください。

なお、すでに納付されている個人市・府民税の税額については、減額・免除することができません。

 

■特別徴収と普通徴収

 

給料についての住民税は、給料から天引き(徴収)されることが通常です。これを、「特別徴収」といいます。ただし、給料を支払う会社が「給与支払報告書」を提出していなかった場合には、「普通徴収」といって給料からの天引きではなく、従業員自らが住民税を納付することになります(住民税の申告も自らしなければなりません)。

 

■住民税の通知書

 

市区町村は個々人の住民税の計算内容を明らかにした書面を会社に送付します。そして、会社はこれを各従業員に手渡さなければなりません。この通知書を見れば住民税の計算内容を知ることができます。

 

■住民税は所得税の計算に当たって差し引けるのか?

 

差し引くことはできません。所得税も住民税も所得に対して課税されますので、所得に対して課税される税金をその計算の対象(税率をかける対象)から差し引くことはできません。日頃の給与明細には住民税の金額が記載され差し引かれているのに、なんだか腑に落ちないでしょうが仕方のないことです。

 

■新社会人

 

前年の所得がないことから住民税は課税されません。つまり、給与明細の住民税の欄(控除欄)はゼロということになります。2年目からは住民税も給料から天引きされます。ですから、場合によっては2年目からは手取額が減ることもあるということです。先輩に聞いてください。あたなよりも手取りが少ないかもしれません。

 

 【まとめ】

 

●給与所得には国税である所得税のほか地方税である住民税が課税されます。

 

●住民税は所得税の計算結果を受けて計算されます(所得の計算方法は所得税とほとんど同じです)。

 

●住民税は昨年の所得税に基づき計算されます。

 

●住民税の税率は一律です。

 

●住民税の所得控除は所得税よりも少ないものがあります。

 

●本来の計算をすれば住民税の納税額が生じる場合であっても、一定の条件を満たせば住民税が減免される場合があります。

 

 

徹底解説!「給料の税金」

目次