年末調整=毎月の給料から天引きされている税金の精算(所得税の税率)
毎月の給料から天引きされている所得税は仮の税額です。
これを年末調整で精算しなければなりません。
2008年4月28日現在
毎月の給料から天引きされている(源泉徴収されている)所得税は「仮の税額」です。もっとも、仮の税額といっても、法律で定められた「源泉徴収税額表」に基づいて計算しています(国税庁のサイトで見ることができます)。
この計算は、給料をもらう人の、給料の額と所得控除の一部(基礎控除、配偶者控除、社会保険料控除など)を考慮し、見込まれる年間の税額を各月に配分するような計算となっていますが、どうしても最終的な税額とは異なってしまいます。また、その人の年度途中の状況の変化によっては、次のとおり大幅に最終的な税額と異なる場合もあります。
(1)仮の税額が多い(還付となる)場合
一年間を通して毎月の給料が同額で、年度途中で扶養親族が増えた場合(途中の給料まで年度末より少ない扶養親族数を前提に源泉徴収しているので)
(2)仮の税額が少ない(追加徴収となる)場合
一年間を通して毎月の給料が同額で、年度途中で扶養親族が減った場合(途中の給料まで年度末より多い扶養親族数を前提に源泉徴収しているので)
年末調整でしか考慮しない要素もあります。その年に支払った保険料(生命保険、地震保険)、住宅ローンの残高(入居して2年目以降)です。これらがある人は、当然のこととして上記の(1)となります。
あなたの給与明細を確認してみてください!
「源泉徴収税額表」に基づいていますか?
毎月源泉徴収する所得税は、給料の総額(基本給や残業代など)から社会・労働保険料を差し引いた金額、配偶者・扶養控除の対象となる者の人数に一致する金額です。なお、通勤手当の非課税部分は給料の総額には含めません。
■毎月の源泉徴収と年末調整の関係
(A)年間の給料の合計額から計算した最終的な所得税の額
(B)毎月の給料(含む賞与)から源泉徴収されてきた所得税の合計額
(A)を計算して(B)との差額を返金(還付)したり追加で天引きしたりする、つまり毎月の給料から源泉徴収している税額と最終的な所得税の額を精算する手続を年末調整といいます。
■年末調整は年内最終の給料を支払う際に行う
当然のこととして、このタイミングでなければ年間の給料の合計額が計算できす最終的な所得税の額も計算できないからです。
■医療費控除と住宅借入金等特別控除(初年度)
年末調整では行うことができませんので、自身で確定申告する必要があります。
■なぜ、源泉徴収するのか?
「年末調整をしなければ最終的な税額が決まらないのなら、毎月の源泉徴収をやめて個々人で確定申告すればいいのに?」と思われる方もいると思います。
所得税の源泉徴収(年末調整)は、税収の平準化や給与所得者の便宜のために行われるとされています。多くの給与所得者=サラリーマンは1か所からの給与所得しかなく、毎月の給料の支払いに際しての源泉徴収と年末調整で課税関係を終了させることが税務行政上も効率的であり、給与所得者にとっても自ら確定申告する手間が省けるからです。
■源泉徴収制度に理解のない会社や人とは関わらない!(ビジネスの鉄則です。)
源泉徴収は、特定の所得や特定の職業の者からのみ行うという大変腑に落ちない制度かもしれません(とくにサラリーマンにとっては納税=税負担を意識させないという弊害があります)。しかし、法律ですので受け入れるしかありません。
正しく源泉徴収(従業員の場合には年末調整も含めて)をしていなかった場合の後処理ほど大変なことはありません。「源泉徴収制度に理解のない会社や人とは関わらないこと」が「ビジネスの鉄則」であると考えておく必要があります。
源泉徴収制度を理解しない人(無視する人)のほとんどは、後でトラブルが起きたときに、もう、あなたの前から姿を消しているでしょう(結局、あなたが泣き寝入りすることになります)。
≪一年間にもらった給料に対する所得税の税率≫
(1)「課税される所得金額」が195万円までは5%
(2)同上195万円を超え330万円までは10%(控除額97,500円)
(3)同上330万円を超え695万円までは20%(控除額427,500円)
(4)同上695万円を超え900万円までは23%(控除額636,000円)
(5)同上900万円を超え1800万円までは33%(控除額1,536,000円)
(6)同上1800万円を超えるは40%(控除額2,769,000円)
「課税される所得金額」(給与所得控除後の金額から配偶者控除、扶養控除などの所得控除を差し引いた金額)が高くなるに従って段階的に上昇する仕組みとなっています。これは「累進税率」といって所得が多いほど担税力があるという考えによっています。
【計算例】「課税される所得金額」が650万円の場合
6,500,000円×20%−427,500円=872,500円となります。
上記の税率において10%以上からは、課税される所得金額に税率を乗じた金額から一定の控除額(差し引くことができる金額)があります。
これは、同じ税率の水準(10、20、23、33、40%のそれぞれの税率となる所得の範囲)であっても、実質的な税率(税額÷課税される所得金額)に差をつけるためです。所得350万円の場合の税額は272,500円(350万円×20%−427,500円)で実質的な税率は7.78%(272,500円÷350万円)、所得500万円の場合の税額は572,500円(500万円×20%−427,500円)で実質的な税率は11.45%(572,500円÷500万円)となります。(所得が多いほど担税力があるという所得税の趣旨にかないます。)
このように、所得の金額が区分した税率を超過するにしたがって順次、実質的な税率が上昇する構造を「超過累進税率」と呼んでいます。
【まとめ】
●毎月源泉徴収されている所得税は仮の税額にすぎません。
●最終的な税額と仮の税額を精算する手続を「年末調整」といいます。
●所得税は「給料の総額−給与所得控除−所得控除」に税率を乗じて計算します。
●「源泉徴収制度に理解のない会社や人とは関わらないこと」が「ビジネスの鉄則」であると考えておく必要があります。
徹底解説!「給料の税金」