給与所得控除と所得控除(収入と所得の違い)
所得税は給料の総額(基本給や残業代など)に税率を乗じて計算されるのではありません。
色々と差し引いてもらえます!
2008年4月28日現在
★給与所得控除★
所得税においては「収入」と「所得」は異なります。このあたりが税金の難しいところです。
「収入」とは、それを得るための犠牲や努力を差し引く前のものをいいます。例えば、事業における収入はいわゆる売上代金であり、ここから犠牲である仕入代金や諸経費のいわゆる必要経費を差し引いたものを「所得」(事業所得)とし、課税の対象としています。
給与所得の場合、「給与所得控除」が給与所得者の必要経費であり、給料という収入を得るための犠牲や努力です。源泉徴収票をご覧いただくと、「支払金額」(給料の総額=収入)から給与所得控除を差し引いた金額が「給与所得控除後の金額」=「給与所得の金額」なっているはずです。
給与所得控除(必要経費、努力、犠牲)は、多いですか?少ないですか?
感想は人それぞれでしょうが、給与所得控除の金額は「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」で給料の金額(年間の合計)に応じて定められていることから、これを受け入れるしかありません。
■控除(こうじょ)
所得税の計算においては、いたるところでこの言葉が出てきます。控除とは「差し引く」ということです。「給与所得控除」、「所得控除」など、いずれも何らかの金額から差し引くという意味で使われています。
■給料の「総額」と「手取り」
給料の総額(税込収入などともいいます)とは、給料から天引きすることが法律で定められているもの(税金や社会・労働保険料)を引く前の金額をいいます。一方、手取りとは給料から天引きすることが法律で定められているものを差し引いた残りの金額です。
当然、給料の手取りと「課税される所得金額」(給与所得控除後の金額から配偶者控除、扶養控除などの所得控除を差し引いた金額)は異なります。
■退職所得控除
退職所得の場合、収入から「退職所得控除」を差し引き、さらにその金額を半分にして課税します。退職金は長年勤務してきた給料の後払い的な性質であり特定の年度に一括して発生します。そこで、税負担が過重にならないように、退職金からは給料よりも多くの控除を認めているのです。
★所得控除(給与所得控除を控除してからさらに控除します)★
給与所得の計算において、給料の総額から給与所得控除が差し引かれるまでは理解できたとしても、この後さらに「所得控除」が差し引かれることが給料に関する所得税の計算をより一層複雑にしています。
所得(給与所得や事業所得)は誰が得た場合であっても同様の金額となります。「給与所得=給料の総額−給与所得控除(給料の総額で決まる)」は、給料の総額が同じであれば誰であっても同じなのです。
このままでは、「扶養家族の多い人や障害を背負った人の税負担は少なくすべき」といった、いわゆる個々人の「担税力」が考慮されなくなってしまいます。
このような一律な計算に下記のとおりの個人的事情を考慮するために所得控除をします。
■最低の生活保障(基礎控除、配偶者控除、扶養控除)
基礎控除38万円(本人のみ)、配偶者控除38万円、扶養控除38万円(扶養親族一人当たり)です。
妻1人(収入なし)、子2人(ともに収入なし)の場合には、基礎控除38万円+配偶者控除38万円+扶養控除76万円(38万円×2人)=152万円までは課税されないということです。
この152万円という金額は年間の給料総額から給与所得控除を控除した金額です。
年間の給料総額でいえば約240万円です。
こんなものでしょうか?
■個別事情(障害者控除、寡婦(夫)控除、勤労学生控除)
■予期せぬ損害や出費(雑損控除、医療費控除)
■義務的あるいは必要不可欠な出費(社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命・地震保険料控除)
なお、これらの所得控除は黙っていても会社はしてくれません。会社に対して一定の手続をする(扶養控除等申告書と保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書を提出する=年末調整をする)、自ら確定申告をすることが必要です。
以上の計算までができれば、後はその金額に税率を乗じることにより所得税の計算ができます。
【まとめ】
●「収入」と「所得」は異なります。
●サラリーマンの必要経費は「給与所得控除」と呼ばれ、収入(給料の総額)から差し引くことができます。
●給与所得控除を差し引いた後、さらに「所得控除」で個人的事情を考慮してもらえます。
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