確定申告の裏技!?

 

推計値による申告

「真面目に帳簿付けなんかしていたら」

 

 

税務署は申告書を受け付ける際に、帳簿や領収書を一切確認しません。また、推計値に不自然さがなければ税務調査は行われません。推計値による申告を一生続け、税務調査を一度も受けていない人がいるのも事実です。

 

1 よく納税者が用いる推計値の算出方法

 

(1)収入

預金口座に入金があった分、現金入金で相手先が「真面目な」ところのみ集計する。

(2)売上原価

上記(1)に業界の一般的原価率を適用する。

(3)経費

「毎月の電話代はおおよそ2万円なので年額で24万円、ガソリン代は3万円なので・・・・・」、「取引先と飲み食いはしないけど、よそも交際費を差し引いているので・・・・・」、「きれいな数字(100,000円など)だと怪しまれるので、適当に端数をつけておこう・・・」。

(4)所得((1)−(2)−(3))と財産の変動状況とのチェック

「毎月の生活費は30万円で足りるだろう(所得は30万円×12ヶ月=360万円でいいだろう)。もう少し経費を引いておこう・・・・・」。

 

《税務署の着眼点》

(1)について

ありとあらゆる手段で収入の漏れを確認します(得意先への反面調査、家族名義預金の増減など)。

(2)について

販売商品の内容さえ判明すれば、その仕入先から原価を割り出すことは容易です。

(3)について

「支払先を教えてください。こちらで調べますので」と迫ってきます。

(4)について

納税者本人のみならず、その家族や近親者の財産の増減から厳格に推計してきます。

 

税務署は推計値による申告の「異常性」を容易に察知します。

結局、推計値による申告をしても税務調査がないのは、「かなり真面目に(?)推計値を算出している」、「極めて悪質ですべての足跡をもみ消している」、「偶然調査がない」のいずれかということです。

 

2 税務署に推計値で申告させられた!!(結局、帳簿なんて必要ないんだ!!)

 

帳簿がまったくない、納税者が帳簿を提示しない、帳簿が極めて不正確な場合には、税務署は「苦肉の策」として推計値による申告を促します。その際、税務署と納税者のやりとりは次のようになります。

 

税務署「帳簿がありませんので、税務署の統計(注1)、貴方の財産や暮らし振りからして・・・・・」

納税者「そんなに儲かっていない。私は昨年、多額の広告宣伝費を使ったのでもっと苦しい!」

税務署「しかし、それを確認する資料がありませんので・・・・・」

納税者「税務署は、納税者の痛みがわからないのか!?」

税務署「痛みを知るには帳簿などが必要です・・・・」

納税者「何が何でも、修正申告しないぞ!」

税務署「ならば、更正(注2)させていただきます。ご不満な場合は異議申立てをしてください。・・・しかし、それには帳簿が必要です」

納税者「・・・・・・」

 

(注1)この統計は「税務調査による修正後」の数値によっておりますが(調査官はそう告げるはずです)、一切公表はされていません。なお、これは税務署が公表している各種の統計数値とは異なります。つまり、納税者からは見えない数値であるということです。税務署のこの統計を覆す、つまり、各納税者の個別事情を申告数値に反映するには帳簿が必要だということです。

(注2)「更正」とは、納税者が一向に修正申告(当初申告税額を増加させるための自主的申告)に応じない場合に、税務署長が「強制的」に税額を増額することです。なお、所得があるのに無申告の場合には、「決定」を行います(更正と同じく強制的に税額を決定します)。

 

納税者の自主性が問われる申告納税制度において、税務署は推計値による申告を絶滅させなければなりません。なお、推計値により申告していることがばれた場合には、必ずといってよいほど、再び数年後に税務調査が行われます(考えを改めるまで、永遠に調査が繰り返されます)。

 

 

目次