平成21年分(2010年3月申告)

所得税確定申告情報(7/9)


 

 

≪確定申告書用紙の様式≫

 

確定申告書用紙は、次のとおりの様式に分類できます。初めて確定申告する人は迷うことかと思いますが、税務署で「○○業をしています」、「サラリーマンですが、医療費控除を受けたいと思います」、「自宅を売却しました」などと告げれば、必要な申告書用紙をもらえます(さらに、その申告書用紙を記入するための詳細で平易な手引書ももらえます)。

 

1 確定申告書A(第一表と第二表からなります)

 

申告する所得が給与所得、雑所得、配当所得、一時所得だけの場合に用います。基本的構造は下記2「確定申告書B」と同じです。しかし、サラリーマン(給与所得)の医療費控除や住宅借入金等特別控除、年金生活者(雑所得)が確定申告書を提出する人の多くを占めることから、これらの人に必要な部分のみを記入するための申告書がこの確定申告書Aです。(当然のこととして、確定申告書Aで足りる人が確定申告書Bを用いてもかまいません。)

 

2 確定申告書B(第一表と第二表からなります)

 

総所得金額、いわゆる総合課税の対象となる所得のすべてを記入するための申告書です。わが国の所得税が、すべての所得を総合しそれに累進税率を適用することを原則とすることからすれば、この申告書が「基本形」で、1「確定申告書A」はこれの簡略版、3「確定申告書(分離課税用)」と4「確定申告書(損失申告用)」は追加提出分と考えることができます。

 

3 確定申告書(第三表、分離課税用)

 

分離課税の所得がある場合に、上記2「確定申告書B」に追加して提出する申告書です。なお、この申告書は第一表と第二表である確定申告書Bの追加であることから「第三表」とされます。

 

4 確定申告書(第四表、損失申告用)

 

「その年の所得金額が赤字」、「雑損控除の結果その年の所得金額が赤字」、「前年までの繰越損失額をその年の所得金額から控除する」場合に、上記2「確定申告書B」に追加して提出する申告書です(第四表とされます)。

 

《平成13年から申告書の様式が変わりました》

久々に確定申告をする人は、「何か変だ(以前と申告書が違う)」と思われることでしょう。実は、平成13年(申告書は平成14年に提出)から申告書の様式が大幅に変わりました。

【申告書のサイズ】以前は特殊なサイズ(A4を縦に1.7倍ほどしたサイズ?)でしたが、現在ではA4サイズです(申告書交付の段階ではA3ですが、ミシン目で切り離せばA4になります)。

【申告書の色】以前は「白」と「青」(緑と青の中間色?)のものがありました。青い色の用紙は、事業所得、不動産所得、山林所得がある納税者がその申請により青色申告を行う場合に用いていました。しかし、現在は、青色申告と白色申告で申告書用紙の色に違いはありません(青色申告制度そのものは現在もあり、申告書ではその区別をマークにより表示します)。

 

《利子所得はすべて分離課税?》

「利子所得」の欄は不要ではと思われるかもしれません。しかし、利子所得は国内で受け取る分については源泉徴収されることで課税が終了しますが、海外の預金や債券の利子については総合課税となりますので「利子所得」の欄は必要なのです。

 

《準確定申告》

その年に死亡した人の確定申告のことを「準確定申告」といい、死亡した人の相続人が相続開始から4か月以内に申告しなければなりません。この申告書の様式も上記と同じですが、表題は「確定」ではなく「準確定」と記入します。

 

 

≪確定申告書の構造(確定申告書Bを前提として)≫

 

1 第一表

 

申告書の「表紙」として、あて先(所轄の税務署長)、納税者の住所、氏名、生年月日などの基本的事項を記入します。申告書の最終目的が税額の算出であることから、「収入金額」、「各所得金額(収入から一定の金額を差し引いたもの)」、「所得から差し引かれる金額(所得控除)」、「税金の計算(課税される所得金額とそれに対する税額)」を記入します。

 

2 第二表

 

上記1、第一表の「明細」に相当します。「所得の内訳(源泉徴収税額)」は、第一表の「収入金額等」や「税額の計算」と関連します。「事業専従者に関する事項」、「配当所得・雑所得(公的年金等以外)・総合課税の譲渡所得・一時所得に関する事項」には、第一表には記入しない所得金額についての詳細を記入します。「所得から差し引かれる金額に関する事項」では、第一表には記入しない所得控除についての詳細を記入します。「住民税・事業税に関する事項」とあります。国(国税=所得税)と地方(地方税=都道府県民税、市町村民税)がつながっているということです。

 

3 申告書の添付書類

 

「所得の内訳(源泉徴収税額)」については源泉徴収票と支払調書、「所得から差し引かれる金額に関する事項」の医療費控除については医療費の明細書(所定の様式あり)と医療費の領収書(病院などが発行したもの)、生命保険料控除については保険料支払についての証明書(保険会社などが発行したもの)が必要です。なお、事業所得や不動産所得の場合には、それぞれの所得を「収入−必要経費」として計算したプロセスである損益計算書(青色申告決算書あるいは収支内訳書)などを添付しなければなりません。(事業所得や不動産所得がある人の確定申告作業の大部分が、損益計算書の作成(日常の記帳)です。)

 

4 記入の手順

 

 第二表から記入し(損益計算書が必要な場合には青色申告決算書あるいは収支内訳書から)、第一表で「総括」します。第二表で集計した数値が第一表での税額算出の基データとなるからです。

 

《申告書用紙の2枚目と3枚目》

税務署で配付されている申告書用紙は3枚複写となっています。1枚目は税務署用、2枚目は住民税計算用=市町村転送用(右上第○表の下に丸囲みで(住)と印字されています)、3枚目が納税者控用(中央部分に丸囲みで控と印字されています)です。

 

《申告書の控》

申告書を提出する際には税務署用、住民税用、納税者控用の全てを持参し、控に税務署の受付印をもらいます。この控は、税務署に対しての申告書を提出したことについての証拠、納税者自身の来年の参考資料として活用します。さらに、事業所得者や不動産所得者の場合には金融機関から融資を受ける際の審査資料としても必要です。大切に保管しておいてください。

 

《番号》

第一表、第二表などに「番号」という欄があります。初めて申告する場合にはこの番号はありませんので記入の必要はありません。翌年以降は税務署から送付されてきた申告書の用紙にこの番号が印字されています。(税務署の内部処理に必要な番号であり、この番号の記入がないからといって申告書を受け付けてもらえないということはありません。当然、税額にも影響しません。)

 

 

≪下書き用申告書≫

 

いきなり申告書の用紙に記入すると後から何度も訂正をすることになり、「二重線と訂正印だらけ」の申告書となってしまうことがあります。このような事態を避けるためにおすすめしたいのが「下書き用申告書」の利用です。これは税務署が配布している「所得税の確定申告の手引き」の最終ページにあります。

 

1 記入は第二表から

 

申告書を第一表から記入する人が多いですが、第二表から記入します。第一表は第二表の記入内容に基づいて内容が決まってくるからです。下書き用の第二表が記入できれば、それを提出用の第二表(複写式)に書き写します。次に、記入した提出用の第二表を基に下書き用の第一表を記入します。第一表の記入は特に間違いやすいです。なぜならば、給与所得控除、公的年金の所得金額、生命保険料控除などの計算をしなければならないからです。

 

2 下書き用の第二表だけでも自力作成する

 

計算が複雑な第一表に比べて第二表は比較的簡単です。給与所得の源泉徴収票、公的年金の源泉徴収票、生命保険料の控除証明書を書き写せばよいからです。

 

3 税務署でパソコンに入力する

 

税務署には申告書を作成するためのパソコンが設置されています(中身は国税庁サイトの確定申告書等作成コーナーと同じ)。このパソコンは第二表の内容を入力すれば第一表が完成するようになっています。当然、「手計算」のように間違うことはありません。

 

 

≪第一表と第二表は切り離します≫

 

税務署から配布された確定申告書の用紙は第一表と第二表がつながった状態ですが、これを切り離して記入します。このようになっているのは印刷コストを削減するためだと思います。第一表、第二表とも3枚複写になっています。1枚目は税務署用(国税=所得税)、2枚目は市区町村用(地方税=住民税と事業税、税務署から市区町村に送付され住民税の計算に用いられます)、3枚目は納税者の控用です。納税者の控用がいらない場合には3枚目は不要です。また、3枚目は下書き用に使い、控用は1枚目をコピーして「控」と明記しておけば、提出の際に受付印を押印してもらえます。1枚目と2枚目は必ず複写で使用してください。なぜならば、両者の内容が異なっていると住民税と事業税の計算が正しく行えないからです。申告書に添付が必要な書類は第二表の裏面に貼り付けることになっていますが、糊で貼りつける必要はなくホッチキスで止めてもかまいません。

 

 

≪各種の届け≫

 

税金の手続にあたっては、申告書を提出するだけでなく、各種の届けも忘れてはいけません。届けがない場合には、せっかくの税制上の特典が受けられない場合もありますのでご注意ください。

 

●個人事業の開廃業等届出書

本来は事業を始めると同時に、あるいは廃業すると同時に提出しておかなければなりません。

 

●所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書

納税地(住所あるいは事業所所在地)に異動があった場合には遅滞なく提出しなければなりません。異動前後で管轄の税務署が異なる場合には、その双方に提出しておく必要があります。

 

●所得税の青色申告承認申請書

次回の申告から青色申告にしたい場合には3月15日までに提出しなければなりません。つまり、今年提出する確定申告書(例えば平成21年分、平成22年申告)では白色申告であるけれども、来年(例えば平成22年分、平成23年申告)から青色申告で申告したい場合には3月15日までに提出しておく必要があります。

 

●青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書

青色事業専従者給与(生計を一にする親族への給与)を支払い必要経費としたい場合、昨年も支払っているけれどもその金額を変更したい場合には3月15日までに提出しておく必要があります。支払いと変更が認められるのは、届けを提出した年の申告からです。例えば、平成22年の3月15日までに届けを提出した場合には平成22年分の申告(平成23年提出)からとなります。

 

●消費税課税事業者届出書

確定申告書を提出するのであれば消費税の課税事業者になったことが判明しているはずです。消費税の課税事業者になった場合には、この届けをしなければなりません。

 

●消費税簡易課税制度選択届出書

消費税の計算で簡易課税を選択したい場合には、簡易課税を選択する課税期間(個人の場合には暦年)の前年中にこの届けを提出しておく必要があります。

 

 


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