平成28年分(2017年3月申告)

所得税確定申告情報(7/9)

 

 

≪確定申告書用紙の様式≫

 

確定申告書用紙は、次のとおりの様式に分類されています。初めて確定申告する人は迷うことかと思いますが、税務署で「○○業をしています」「サラリーマンですが、医療費控除を受けたいと思います」「自宅を売却しました」などと告げれば、必要な申告書用紙をもらえます。さらに、その申告書用紙を記入するための詳細で平易な手引書ももらえます。

 

1 確定申告書A(第一表と第二表からなります)

 

申告する所得が給与所得、雑所得、配当所得、一時所得だけの場合に用います。基本的構造は下記2「確定申告書B」と同じです。しかし、サラリーマン(給与所得)の医療費控除や住宅借入金等特別控除、年金生活者(雑所得)が確定申告書を提出する人の多くを占めることから、これらの人に必要な部分のみを記入するための申告書がこの確定申告書Aです。当然のこととして、確定申告書Aで足りる人が確定申告書Bを用いてもかまいません。

 

2 確定申告書B(第一表と第二表からなります)

 

総所得金額、いわゆる総合課税の対象となる所得のすべてを記入するための申告書です。わが国の所得税が、すべての所得を総合しそれに累進税率を適用するのを原則とすることからすれば、この申告書が「基本形」で、上記1「確定申告書A」はこれの簡略版、下記3「確定申告書(分離課税用)」と下記4「確定申告書(損失申告用)」は追加提出分と考えることができます。

 

3 確定申告書(第三表、分離課税用)

 

分離課税の所得がある場合に、上記2「確定申告書B」に追加して提出する申告書です。なお、この申告書は第一表と第二表である確定申告書Bの追加であることから「第三表」とされます。

 

4 確定申告書(第四表、損失申告用)

 

「その年の所得金額が赤字」「雑損控除の結果その年の所得金額が赤字」「前年までの繰越損失額をその年の所得金額から控除する」場合に、上記2「確定申告書B」に追加して提出する申告書です(第四表とされます)。

 

《青色申告は青い色の申告書用紙で申告する?》

以前は「白」と「青」の用紙がありました。青い色の用紙は、事業所得、不動産所得、山林所得がある納税者がその申請により青色申告を行う場合に用いていました。しかし、現在は、青色申告と白色申告で申告書用紙の色に違いはありません。共通の用紙の所定の箇所に青色申告の場合はマークをします。

 

《利子所得はすべて分離課税?》

「利子所得」の欄は不要ではと思われるかもしれません。しかし、利子所得は国内で受け取る分については源泉徴収されることで課税が終了しますが、海外の預金や債券の利子については総合課税となりますので「利子所得」の欄は必要なのです。

 

《準確定申告》

その年に死亡した人の確定申告のことを「準確定申告」といい、死亡した人の相続人が相続開始から4か月以内に申告しなければなりません。この申告書の様式も上記と同じですが、表題は「確定」ではなく「準確定」と記入します。

 

《修正申告・第五表》

当初申告した税額を誤って少なく計算していた場合には修正申告をして税額の増加分を納付しなければなりません。修正申告をする場合は、第一表と第二表を書き直すとともに、「第五表」に修正前の所得や税額と修正申告によって増加する税額を記載します。なお、申告書の表題は「確定」ではなく「修正申告書」となります。

 

 

≪確定申告書の構造(確定申告書Bを前提として)≫

 

1 第一表

 

申告書の「表紙」として、あて先(所轄の税務署長)、納税者の住所、個人番号(マイナンバー)、氏名、生年月日などの基本的事項を記入します。申告書の最終目的が税額の算出であることから、「収入金額等」「各所得金額(収入から一定の金額を差し引いたもの)」「所得から差し引かれる金額(所得控除)」「税金の計算(課税される所得金額とそれに対する税額)」を記入します。

 

2 第二表

 

上記1、第一表の「明細」に相当します。「所得の内訳(所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額)」は、第一表の「収入金額等」や「税金の計算」と関連します。「事業専従者に関する事項」「雑所得(公的年金等以外)配当所得・総合課税の譲渡所得・一時所得に関する事項」には、第一表には記入しない所得金額についての詳細を記入します。「所得から差し引かれる金額に関する事項」では、第一表には記入しない所得控除についての詳細を記入します。「住民税・事業税に関する事項」は、国(国税=所得税)と地方(地方税=都道府県民税、市町村民税)がつながっているということです。

 

3 申告書の添付書類

 

申告内容(所得の種類や所得控除など)にかかわらず「マイナンバーカードの写し」あるいは「通知カードの写し+運転免許証などの身元確認書類の写し」を添付しなければなりません。「所得の内訳(源泉徴収税額)」については源泉徴収票と支払調書、「所得から差し引かれる金額に関する事項」の医療費控除については医療費の明細書(所定の様式あり)と医療費の領収書(病院などが発行したもの)、生命保険料控除については保険料支払についての証明書(保険会社などが発行したもの)が必要です。なお、事業所得や不動産所得の場合には、それぞれの所得を「収入−必要経費」として計算したプロセスである損益計算書(青色申告決算書あるいは収支内訳書)などを添付しなければなりません。事業所得や不動産所得がある人の確定申告作業の大部分が、損益計算書の作成(日常の記帳)です。

 

4 記入の手順

 

第二表から記入し(損益計算書が必要な場合には青色申告決算書あるいは収支内訳書から)、第一表で「総括」します。第二表で集計した数値が第一表での税額算出の基データとなるからです。

 

《申告書の控》

申告書を提出する際には税務署用(1枚目)、納税者控用(2枚目、1枚目の複写)を持参し、控に税務署の受付印をもらいます。この控は、税務署に対しての申告書を提出したことについての証拠、納税者自身の来年の参考資料として活用します。さらに、事業所得者や不動産所得者の場合には金融機関から融資を受ける際の審査資料としても必要です。大切に保管しておいてください。(平成21年までの申告書用紙は3枚複写で、1枚目が税務署用、2枚目が住民税用(市町村へ送付用)、3枚目が納税者控用でした。平成22年からは市町村への報告を紙ではなくデータでするようになりました。)

 

《番号》

第一表、第二表などに「番号」という欄があります。初めて申告する場合にはこの番号はありませんので記入の必要はありません(事業所得者などで申告書の用紙が送付されてくる場合は除く)。翌年以降は税務署から送付されてきた申告書の用紙にこの番号が印字されています。税務署の内部処理に必要な番号であり、この番号の記入がないからといって申告書を受け付けてもらえないということはありません。当然、税額にも影響しません。なお、この番号は個人番号(マイナンバー)とは違います。

 

 

≪下書き用申告書≫

 

いきなり申告書の用紙に記入すると後から何度も訂正をすることになり、「二重線と訂正印だらけ」の申告書となってしまうことがあります。このような事態を避けるためにおすすめしたいのが「下書き用申告書」の利用です。これは税務署が配布している「所得税の確定申告の手引き」の最終ページにあります。

 

1 記入は第二表から

 

申告書を第一表から記入する人が多いですが、第二表から記入します。第一表は第二表の記入内容に基づいて内容が決まってくるからです。下書き用の第二表が記入できれば、それを提出用の第二表(複写式)に書き写します。次に、記入した提出用の第二表を基に下書き用の第一表を記入します。第一表の記入は特に間違いやすいです。なぜならば、給与所得控除、公的年金の所得金額、生命保険料控除などの計算をしなければならないからです。

 

2 下書き用の第二表だけでも自力作成する

 

計算が複雑な第一表に比べて第二表は比較的簡単です。給与所得の源泉徴収票、公的年金の源泉徴収票、生命保険料の控除証明書を書き写せばよいからです。ここまで記入しておけば、後は税務署で教えてもらえば何とかなります。

 

3 税務署でパソコンに入力する

 

税務署には申告書を作成するためのパソコンが設置されています。中身は国税庁サイトの確定申告書等作成コーナーと同じです。このパソコンは第二表の内容を入力すれば第一表が完成するようになっています。当然、「手計算」のように間違うことはありません。

 

 

≪復興特別所得税≫

平成25年から申告書の様式が大幅に(?)変わりました

 

平成25年(2014年3月申告)から個人に復興特別所得税が課税されるようになりました。その税額は従来からの所得税の2.1%として計算されるので、所得税の計算に復興特別所得税の計算を組込んだ形式の申告書となりました(申告書のいたるところに「復興特別所得税」という単語があります)。

 

 

≪各種の届け≫

 

税金の手続にあたっては、申告書を提出するだけでなく、各種の届けも忘れてはいけません。届けがない場合には、せっかくの税制上の特典が受けられない場合もありますのでご注意ください。

 

●個人事業の開業・廃業等届出書

本来は事業を始めると同時に、あるいは廃業すると同時に提出しておかなければなりません。

 

●所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書

納税地(住所あるいは事業所所在地)に異動があった場合には遅滞なく提出しなければなりません。異動前後で管轄の税務署が異なる場合には、その双方に提出しておく必要があります。

 

●所得税の青色申告承認申請書

次回の申告から青色申告にしたい場合には3月15日までに提出しなければなりません。つまり、今年提出する確定申告書(例えば平成28年分、平成29年申告)では白色申告であるけれども、来年(例えば平成29年分、平成30年申告)から青色申告で申告したい場合には3月15日までに提出しておく必要があります。

 

●青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書

青色事業専従者給与(生計を一にする親族への給与)を支払いそれを必要経費としたい場合、昨年も支払っているけれどもその金額を変更したい場合には3月15日までに提出しておく必要があります。支払いと変更が認められるのは、届けを提出した年の申告からです。例えば、平成27年の3月15日までに届けを提出した場合には平成27年分の申告(平成28年提出)からとなります。

 

●消費税課税事業者届出書

確定申告書を提出するのであれば消費税の課税事業者になったことが判明しているはずです。消費税の課税事業者になった場合には、この届けをしなければなりません。

 

●消費税簡易課税制度選択届出書

消費税の計算で簡易課税を選択したい場合には、簡易課税を選択する課税期間(個人の場合には暦年)の前年中にこの届けを提出しておく必要があります。

 

【いつ開業をしたのか?】

これで悩む人が多いです。言い訳をする人もいます。個人事業者の場合、会社のような登記制度(公的機関への登録や届け)がないために開業日が明確でないことが多いです。開業日に関しては人それぞれの解釈によって1か月程度の違いはあるかもしれませんが、少なくとも「税務署に開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出した日付が開業日」でないことは確かです(開業届を提出する時期によって開業日を調整することはできません)。また、開業届を相当遅れて提出する場合も開業日は実際の日付(相当過去の日付)にしなければなりません。

 

 

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