資料の保存


2018/12/26

確定申告終了後も保存しておくもの(来年の確定申告と税務調査に備える)

申告納税制度、確定申告書、「申告」という言葉の意味を実感するのは、申告書を提出した後に税務署から説明を求められたときです。確定申告が終わったからといって、その関連書類を廃棄しないでください。申告には税務署に対する説明義務が伴うのです。

◆確定申告書の控(税務署は提出済みの申告書を複写させてくれません)

確定申告書の控は必ず保存しておいてください。税務署から申告内容について問い合わせがあった場合に控がなければ答えられません。また、控は翌年の確定申告の参考にもなります。

「控」とは、申告書用紙を記入すれば同時に複写で作成される2枚目の用紙です。パソコンで作成する場合は控用として印刷されます。控には税務署の受付印を押印してもらいます。パソコンで提出する場合には送信記録が印字されます。

自営業者の場合、確定申告書の控が所得を証明する資料となります。ローンや賃貸住宅の申込みの際には所得の証明となるものが必要です。控を残していない場合には手続が難航します。

税務署は提出した申告書を複写させてはくれません(閲覧させてくれるだけです)。ですから、「(控が)なければ税務署でコピーさせてもらえばいい」とはいかないのです。

◆帳簿や領収書など

事業所得と不動産所得の場合には帳簿を保存しておく必要があります。さらに、帳簿に関連する領収書なども保存しておく必要があります。これらがなければ、税務調査の際に所得を計算したプロセスを説明することができません。

電子申告(e−Tax)で申告する場合は、提出を省略できる書類(給与所得の源泉徴収票、生命保険料の控除証明書など)があります。これも残しておく必要があります。提出の省略は、該当書類を保存し、後日必要に応じて税務署に提示することが前提です。

★余分なものは別にしておく(これも大事!)

これも大事なことです!確定申告と関係の無いものを一緒に保管しておくと、翌年の確定申告の際に参考資料(申告書の控や帳簿など)を探すのに大変苦労します。

また、税務調査では痛くもない腹を探られてしまいます。例えば、経費にならない領収書、家族の預金通帳などが一緒に保管されている場合です。必要なものだけを保存し、直ぐに探せるようにしておかなければなりません。

確定申告書の修正(税額の増額)を求められる場合

税務署が確定申告書を受け付けたからといっても、それは確定申告書に記載された税額が正しいことを認めたわけではありません。税務署は申告書を受け付ける際に、必要な申告書用紙と添付書類が揃っていること、記載が必要不可欠な事項が漏れていないかなどの「形式」を確認しているにすぎません。申告書の中身、計算の正しさは後日の税務署内での検討によって確認されるのです。

≪要注意≫事前相談で税額は確定しない!
確定申告の時期に税務署その他で行われる事前相談は納税者にとって大変ありがたいものです。しかし、事前相談は税額を確定するものではありません。あくまでも申告手続がスムーズに進むための手助けにすぎません。

◆提出直後の電話連絡

申告書を提出した直後に税務署から電話連絡があり、確定申告書の記載事項の訂正や添付書類の追加提出が求められる場合があります。この場合には、速やかに指示に従うことです。特に、この電話連絡が申告期限内(3月15日まで)であれば、加算税や延滞税といった「ペナルティ」が一切ありませんので、直ちに動くべきです。

◆呼び出し

確定申告書を提出して数か月ほど経過してから、税務署から指定の日に必要書類を持参のうえ来署してほしいとの書面が送られてくる場合があります。申告漏れ(不動産の譲渡、副業収入、保険金の受取りなど)、配偶者控除や扶養控除の誤りなど、修正事項が比較的単純な場合に行われる方法です。

◆税務調査

主に事業所得(個人事業者)や不動産所得(不動産賃貸業)の場合に行われます。税務調査が行われるのは確定申告書を提出して数か月経過してからです。電話による事前通知の後、納税者の自宅や事業所で、数日かけて申告数値の基となる帳簿やその関連資料を調べられます。税務調査の結論(税額が増加するかどうか)が出るまでに数か月ほど要する場合もあります。

期限内に確定申告ができない

所得税の確定申告は期限内に確定申告書を提出して、期限内に確定申告書に記載した税額を納付しなければなりません。これがルールですので、このルールに違反した場合にはしかるべきペナルティがあります(加算税、延滞税、特例の不適用など)。

しかし、期限の直前になっても、必要な資料がそろわない、申告書の特定の箇所が記入できないということがあります。

◆とりあえず申告をする(期限後に申告する不利益が大きい)

期限内に申告できないことの不利益があまりにも大きい場合には(特例が適用されない、加算税が大きいなど)、申告内容が多少は不正確であっても期限内に申告書を提出するべきです。例えば、ごく少額な領収書が見つからない場合などです。なお、提出した税額が多かったことが後日判明した場合には、「更正の請求」により税額を減額できる場合があります。

◆敢えて期限後に申告する(不正確な申告を期限内にすることのリスクが大きい)

あまりにも不正確な申告しかすることができず、かつ、期限内に申告できないことの不利益(特例が適用されない、加算税が大きいなど)が小さければ期限後申告でもよいと思います。

その典型は、事業所得の計算に必要な帳簿がほとんど作成できていない場合です。資料が不十分で不正確な申告をした場合、後の税務調査が大変です。また、更正の請求も大変です。日にちさえあれば正確な申告ができるのであれば、期限後に申告をするべきです。

★期限が過ぎれば申告書を提出できない?(まれにある誤解)

「期限が過ぎれば申告書は提出できない」と思っている人がまれにいます。期限が過ぎても申告書は提出しなければなりません。

「期限後に申告書を提出しに行くと怒られる」と思っている人もいます。そんなことはありません。税務署は淡々と申告書を受け付けます。そして、事務的にペナルティ(加算税、延滞税)を課してきます。

★税務署が申告するように督促してきた場合の対処

確定申告書を提出する義務があると思われる人が期限内に申告書を提出していない場合には、いずれ税務署は申告書を提出するように督促してきます。期限後のいつ頃に督促があるかはケースによって異なりますが、申告期日の翌日ということはありません。早くても申告期日の1か月後です。

税務署が申告するように督促してきた場合は、現状を伝え、申告予定時期を伝えることです。また、税理士に依頼している場合にはその旨を伝えます。