利益と法人税11/11

法人税を少なくしたい?会社は節税のための制度?金融機関と付き合うには法人税の納税が必要?

 

築山公認会計士事務所

 

目次

 

 

≪法人税の節税≫

 

特定の入金や出金などの税務処理について複数の合法的な方法が認められることがあります。その際はできるだけ税額が少ない方法を選択するのは当然です。

また、企業活動上の選択肢(たとえば設備投資を自己資金で行うか、銀行借入やリースで行うか)に税が大きく影響することがあり、税額が企業の意思決定を左右することさえあります。

 

「方法次第ではいくらでも税金は減る」

「いままで税務署にばれていない」

 

「税額の決定」は、「研究開発」や「取引先との価格交渉」とは違います。「努力」「研鑚」「押し」「駆け引き」「力関係」「過去の実績」などだけではどうにもなりません。

 

「節税にかける情熱?」はほどほどにし、「研究開発」や「営業活動」に注力するほうが企業経営上、有意義なのではないでしょうか。

 

《突発的な利益への対応》

 

「利益の予測さえつけば・・・・」、多くの経営者がもらす愚痴です。確かにそのとおりです。大変かもしれませんが、日常の記帳を正確に行っていれば(正確な試算表と決算書を作成しておけば)、自社の「利益の変動要素」はかなりの部分まで把握でき、それを基に正確な利益予想をすることができます。

 

問題は、突発的で予測不能な利益への対応です。これは次のとおりに分類できると思います。

 

(1)商品市況、為替、金利などの変動による一企業や業界では対応不能な原因による突発的な利益

あきらめるしかないと思います。あえて対策というならば、常日頃から相場を注視しておくことでしょう。しかし、相場が好転し利益が発生するならば、会社にとって順風が吹いているのですから喜ばしいのではないでしょうか。

 

(2)業界の好調時に発生する「ご祝儀的な」利益

業界の好調時に得意先の節税対策(利益圧縮)に利用されてしまうことがあります。架空請求はもってのほかとして、過大請求(将来は値引かれる)を要請されることがあります。一般的にこのような得意先が永続するとは考えられません(確たる自信がないから、姑息な手段でしのいでいるのでしょう)。この際、将来の収益源(新規の得意先の開拓)のために、節税もかねて投資(設備投資、人材の採用と育成など)をしてみてはどうでしょうか。

 

《節税は4種類に分かれる》

 

(1)利益の繰延べ(費用の早期計上)による方法

 各種の特別償却(償却の早期化)など、合法的な節税として紹介されている方法のほとんどがこれに含まれます。

 

(2)法律の不備を突いた方法

「神業」と呼べるような方法があるのも事実です。しかし、このようなケースは、法律上の不備(早急に封じされるのが常です)、その不備に対応するような出来事(入金や出金など)があってはじめて実現します。多くの経営者は一生に一度あるかどうかというところでしょう。

 

(3)税金を払うかほかのことに使うかの選択(節税と呼べるかは疑問です)

損金と認められる出費を必要もないのに増やせば税金は減ります。しかし、お金は残りませんし、会社の収益性も向上しません。

 

(4)特定の者が行った「脱税」でいまだ税務署に指摘されていない方法(これは当然節税ではありません)

税務調査はすべての会社に対して行われるわけではありません。脱税をしていても、たまたま税務署に指摘されないこともあります。

 

《利益についての哲学?》

 

利益を出せば直接的な見返りのない法人税の納税が必要となります。ある意味で馬鹿らしいことです。かといって、姑息な手段を使ってもいずれは税務署から大目玉を食らいます。

 

●会社は何のために利益を出すのか?

●どれだけの利益を出す必要があるのか?

●利益を何に使うのか?

●利益は誰のものなのか?

 

この答えを出せるのは経営者だけです。経営者には、「利益についての『哲学』」が必要ではないでしょうか・・・。

 

 

≪会社であることの節税メリット≫

 

「会社設立による節税メリットのインチキ!!」

このページは、現在は個人事業者であるけれども法人成り(個人事業者が会社になること)を考えている人を前提としていますが、すでに会社で事業を行っている場合にもご参考にしていただけると思います。

 

 

≪金融機関対策と法人税≫

 

金融機関の融資審査方法は杓子定規で、「3期連続黒字(しかも増収増益)」が融資を受けるための常識です。黒字である以上、法人税が課税されるのは当然です。しかし、無駄な税金を払っても意味はありません。たとえ黒字決算でも、「いつも支払日後には預金残高がほとんどない」「税金の滞納がある」「約定返済ができていない」「高利で資金調達している」などではどうにもなりません。やはり、金融機関は見る目をもっています。

 

黒字決算でも金融機関が融資に応じてくれない場合には、次の手段しかありません。

 

●抜本的なリストラを行う(本当に利益を出す)

●強力な支援者(保証人あるいは担保提供者)をさがす

●法的な手続(民事再生、破産など)をする

 

金融機関への形式的な黒字の決算報告はこれらと比べて経営者としては大変気楽です。経理担当者や会計事務所に高圧的に「命令」し事務作業をさせればよいからです(頭を下げる必要が無いからです)。しかし、何の意味もないだけでなく、最悪の場合には再起の可能性さえ逃してしまいます。

 

 

≪法人税よりも消費税!!≫

 

「利益が出て困っている(法人税の節税策に悩んでいる)」という会社は、残念ながらまれな存在です。

 

法人税で悩めるなんて幸せなことです。

法人税を納めればいいじゃないですか!!

将来、会社が衰退したとき、「あのころは幸せだった・・・」「もう一度税務署ににらまれたい・・・」ということになりますよ。

 

多くの会社にとっての関心事は「消費税」でしょう。

 

「消費税Q&A」

ご参考にしていただければ幸いです。

 

 

目次